useful useful お役立ち情報 お役立ち情報 December.10.2021

犬の散歩|適した時間は?
犬種別、子犬や老犬、多頭飼いも解説

散歩に必要な時間は、小型犬・中型犬・大型犬といった体の大きさだけではなく、トイ・プードル、チワワ、柴犬、ミックスなど犬種ごとで考える必要があります。今回は、犬種ごとに適した散歩の時間や運動量を紹介します。今の散歩の仕方は愛犬に適しているかを確認しながらご覧ください。

適した散歩量は犬によって異なる

犬にとって散歩は、心と身体の健康維持に不可欠です。散歩は毎日の適度な運動になるだけでなく、ストレス解消や気分転換になります。散歩の頻度は1日に2回、朝と夕方に行うのが理想的です。ただし、必要とされる散歩量は、体の大きさや種類、年齢、健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて調節することが大切です。

小型犬の散歩時間

トイ・プードル、チワワ、シーズー、ミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬の場合、必要な運動量は中・大型犬ほど多くありませんが、ストレス解消や社会性を養うためにも散歩は必要です。適した時間は犬種によって異なり、例えばチワワやシーズーは1回20~30分ほど、距離は1~2kmほどが目安です。トイ・プードルやミニチュア・ダックスフンドは1回40分~60分ほどの散歩が必要です。
ただし、成犬でも体重が4kg以下の場合は、骨や関節が弱い傾向にあります。負荷がかかり過ぎないように坂道や階段の多いコースは避け、長距離を歩かせないようにしましょう。

中型犬の散歩時間

柴犬やシェットランド・シープドッグ、アメリカン・コッカースパニエルなどの中型犬に適した散歩時間は1回30分ほど、距離は2kmほどを目安にするとよいでしょう。中型犬は小型犬以上に犬種ごとで必要な運動量に大きな差があります。
例えば、ボーダー・コリーやウェルシュ・コーギー、ビーグルなどの狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種は、多くの運動量を必要とする傾向にあります。そのため、1回1~2時間が目安になります。普通の散歩で物足りなさそうにしている場合には、ドッグランを併用するなどして十分な運動量を確保しましょう。

大型犬の散歩時間

ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、秋田犬などの大型犬に適した散歩時間は、30分~1時間ほどで、距離は2~4kmほどが目安です。ただし、体が大きいため、激しい運動は足や関節、心臓に負担を与えてしまう可能性があります。特に1歳になるまでの成長期に過度な運動をさせ過ぎると、関節に障害を抱えるリスクが高くなるため注意が必要です。1歳を過ぎてからの散歩では、ゆっくりと長い距離を歩かせることがポイントです。

ミックス犬の散歩時間

ミックス犬は、何の犬種のミックスなのかを把握し、その犬種に適した運動量を目安にしましょう。もし、3種以上の犬種のミックスや、犬種が不明な場合には、体の大きさを目安に時間を決めるとよいでしょう。年齢や健康状態もあるため一概にはいえませんが、1日2回の散歩なら、1回あたり10kg以下で20~40分、10~20kgの犬で40~60分、20kg以上の犬で60分ほどが目安です。

呼吸の度合いでチェック

犬種、体重、年齢のほかにも個体差があるため、愛犬の呼吸も目安のひとつにするとよいでしょう。30分ほどの散歩を行ったあとに呼吸の度合いをチェックしましょう。口をあけずに呼吸をしている場合は、運動量が足りていないかもしれません。帰宅時に愛犬がハッハッと短い呼吸をしていれば、運動量は適しているといえます。呼吸がかなり速く苦しそうな場合は、運動量が多すぎるサインなので、時間や距離を減らしましょう。

子犬やシニア犬を
散歩させる際の注意点

子犬の場合、社会性を育むためにも生後3カ月くらいまでに散歩デビューさせるのがよいとされています。子犬のうちに社会性を身に付けておくことで、その後の様々な状況や刺激にも順応しやすくなり、成犬になってからの生活もスムーズになるでしょう。
ただし、感染症などのリスクを避けるためにも、ワクチンの必要回数を接種してから2週間以降に散歩デビューさせましょう。
ワクチン接種について詳しくは「犬のワクチン接種はなぜ必要?種類や時期、費用をご紹介」をご覧ください。

シニア犬になり脚や腰、関節などが弱くなってきても、外に連れ出してあげることは良い刺激となります。ただし、散歩時間は10分程度と短めにして、犬のペースに合わせて歩きましょう。体の大きさが中型犬以上の場合、飼い主さんによる抱っこが難しくなるため、愛犬が往復できる距離に調整してください。足元がおぼつかなくなってきたら、ドッグカートに乗せて外の景色を見せたり、公園などに連れて行き、柔らかい芝生の上を少し歩かせたりするだけでも運動になります。

多頭飼いをしている場合の対策

犬種や体格が異なる、年齢差があるなどの多頭飼いをしている場合、散歩はできるだけ1匹ずつ行うのが理想です。特に大きさの異なる犬同士の散歩はあまりおすすめできません。また、連れている犬が多いと、いざというときに適切な対応が取れず、ケガや事故につながる恐れがあります。
複数の犬種を多頭飼いしている場合には、少なくとも同じくらいの体格でグループに分け、散歩させましょう。

散歩に適した時間帯

季節や気温ごとに散歩の時間帯を変えてあげることも必要です。

春や秋は過ごしやすい季節であり、1日中散歩に適していますが、時間により寒暖差があります。春なら朝と夕方、秋なら日中というようにその日の気温によって調節しましょう。

夏は、比較的涼しい早朝と太陽が沈んだ夕方以降を選びましょう。絶対に避けたいのは気温の上がる昼間です。犬の体は地面から近いため、地面が反射した太陽の熱を頭に直接受けやすく、熱中症の危険があります。散歩中や散歩終わりに愛犬が激しい呼吸をしていたら、熱中症の可能性があります。熱中症について「犬の呼吸が「ハアハア」と荒い理由や原因とは?熱中症や病気の可能性も」を参考にしてください。
また、太陽光で熱くなったコンクリートの上を歩くことで肉球をやけどする可能性があります。

寒い季節は犬種や年齢により散歩の時間を調整しましょう。犬は寒さに強いダブルコートの被毛を持つ犬種と、寒さに比較的弱いシングルコートの犬種や短毛種がいます。愛犬が震えていたり、散歩を嫌がったりする場合には、寒さを感じているかもしれません。その場合には服を着せて防寒対策をとるとよいでしょう。

なお、暑い日や寒い日、天候が悪い日には散歩を休んでもかまいません。その代わりに室内で運動させてあげましょう。集合住宅などで走り回ることが難しい場合には、おもちゃやタオル、いつもより大きなガムを用意しましょう。噛む行為は全身運動になるためおすすめです。
雨の日の散歩や運動について「雨の日でも愛犬との散歩はするべき? 雨天時の注意点や犬用レインコート、トイレ対策について」を参考にご覧ください。

愛犬に合った散歩を選ぼう

同じくらいの体の大きさであっても、犬種によって必要な運動量は違います。散歩の時間や距離が適していないと、運動不足によってストレスを溜めたり、歩き過ぎて体を痛めたりする可能性があります。そのため、散歩後には愛犬の様子をチェックするようにしましょう。また、フードを残す原因のひとつに運動不足があります。フードを残すからと替わりにおやつを与えることは肥満につながります。愛犬の年齢や当日の体調に配慮し、無理なく楽しめる散歩をしてあげましょう。

文・監修:PECO

※このコンテンツは、2021年12月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。