犬の呼吸が「ハアハア」と荒い理由や原因とは?熱中症や病気の可能性も

useful useful お役立ち情報 お役立ち情報 July.17.2020

犬の呼吸が「ハアハア」と荒い理由や原因とは?
熱中症や病気の可能性も

犬が口を開けて舌を出し「ハアハア」と呼吸を繰り返す行動をパンティングと言います。これは体温を調節するために行っていることで、ごく自然な行動なのですが、もし苦しそうなパンティングをしているときは要注意です。呼吸から病気を見分けるポイントについて解説します。

犬の「ハアハア」は
パンティングと言う

犬が口を開けて舌を出し「ハアハア」と荒い呼吸を繰り返すのは、パンティングと言い、体内の熱を逃がして体温調節するための行動です。人間は体温が上がると全身から汗をかいて体温を下げますが、犬は人間と違って汗を分泌するための汗腺(エクリン腺)が少なく、肉球や耳の中、鼻先といった部分にしかありません。汗をかかない分、「ハアハア」と口呼吸することで、体内の熱を吐きだし、涼しい空気を吸いこみます。また、舌や口の中の水分が蒸発するときに起こる気化熱を利用し、口腔内の熱を放出します。

犬が呼吸をする回数は、安静にしているときで1分間に40回未満、眠っているときは25回未満が正常値とされています。パンティング中は呼吸数が多くなりますが、健康な状態であれば体温が下がるにつれて自然と落ち着きます。

犬が暑いとき・嬉しいときにパンティングをするのは自然なこと

犬がパンティングをするのは主に体温が上がったときです。お散歩の後やドッグランで遊んだとき、気温が高いとき、嬉しいことがあったときなどに行うパンティングは自然なことであり、心配する必要はありません。激しく「ハアハア」と呼吸を繰り返しているようであれば、落ち着かせるために、静かで涼しい場所に連れていき休憩させましょう。

注意したい異常なパンティングの原因

以下のような、異常なパンティングをする場合は注意が必要です。

注意したい異常なパンティング

  • パンティングが長時間おさまらず、苦しそうにパンティングを繰り返している
  • 運動・興奮しているわけでもなく、気温も高くない(体温を下げる必要がない)のにパンティングをしている
  • パンティングをしながら呼吸音に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった異常な音が混ざる

こういった異常なパンティングは、犬の心身にあらわれた不調のサインであることが多く、放置すると重大な病気を見逃してしまう恐れがあります。

熱中症による高体温

熱中症は、犬を飼う際に気をつけなくてはならない病気のひとつです。犬種によって差はあるものの、犬は基本的に暑さに弱い生き物です。気温が25度、湿度60%を超えると熱中症の危険性が高まります。

暑さによって体温が上がると、犬はパンティングをして体温を下げようとします。しかし、気温が高いとパンティングをしても周囲の熱い空気を取り込むことになってしまい、体内の熱をうまく下げることができず、熱中症になってしまうのです。

愛犬が熱中症になってしまった場合は、応急処置として、涼しい場所や風通しのよい日陰に移動させて水を飲ませましょう。自ら水を飲んでくれないときには愛犬の口の周りを水で濡らすなど、少しでも水分補給をさせてください。さらに、布にくるんだ氷や保冷剤を、首や脇、足の付け根など、動脈が通っている部位に当てると効率よく体温を下げることができます。
もし、苦しそうなパンティングがおさまらず、愛犬がぐったりしている、ふらつく場合は動物病院に電話をし、獣医師の判断を仰ぐことも大切です。また、応急処置によって愛犬の様子が落ち着いたからといって「もう大丈夫だろう」と自己判断をすることは危険です。少しでも熱中症の症状が見られた場合には、動物病院を受診するようにしましょう。

パンティングはもっともわかりやすい熱中症のサインであり、早めに気づくことが重症化を防ぐポイントとなります。また、熱中症は何よりも予防が大切です。室内で飼う場合は風通しをよくする、エアコンで室温を調節するといったことを心がけましょう。

夏はお散歩の時間に気をつけましょう

暑い季節、日差しで暖められたアスファルトの地面は60℃以上になることもあります。人間より顔が地面に近い犬は、地面の照り返しの熱を直接浴びてしまいます。日中のお散歩は避け、早朝のまだ涼しい時間帯や、夕方以降の日没後に行くようにしましょう。熱中症対策としてだけでなく、地面に溜まった熱による肉球の火傷も予防できます。

落ち着かない・震えている・ストレスを感じている

パンティングをしながらウロウロと歩き回って落ち着きがない、全身を震わせているといった場合は、心理的なストレスを感じている可能性があります。たとえば、大きな音が聞こえて恐怖を感じている、初めての場所で緊張しているといったケースです。動物病院に連れていったときにパンティングをする犬も少なくありません。

ストレスを感じていたり緊張をしているときは、このほかにも、頻繁にあくびをする、尻尾を腹のほうへ丸める、よだれを垂らすといった行動がみられます。こんなときは何がストレスの原因になっているかを突き止め、それを取りのぞいてあげましょう。外の音が気になっているのであれば窓を閉める、飼い主が寄り添い、声をかけて安心させてあげるなどの方法があります。

心臓病などの「病気」による息切れ

異常なパンティングの原因として、呼吸器や循環器に何かしらの疾患を抱えているケースも考えられます。気管支や肺といった呼吸器のほか、心臓病の可能性もあり、見逃してしまうと命に関わります。
異常なパンティングには以下の病気が考えられます。

異常なパンティングの原因となる主な病気

  • 僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
  • 心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)
  • 肺炎
  • 気管支炎

「僧帽弁閉鎖不全症」とは、心臓にある弁がきちんと機能せず、血液が逆流してしまう病気で、犬にとっては決して珍しい病気ではありません。特に小型犬が発症しやすいと言われ、投薬や手術が必要になってきます。
「心室中隔欠損症」とは、生まれつき心臓の壁に穴が空いている病気です。こちらも投薬や手術といった治療を行います。

心臓病をはじめとする内臓疾患は、犬の寿命や健康に深く関わってきますので、疑わしいときは動物病院で診てもらいましょう。動物病院では、血液検査やレントゲン検査のほか、心電図検査、超音波検査といった検査で病気を見つけます。

短頭犬種は
「短頭種気道症候群」に要注意

短頭犬種とは、いわゆる「鼻ペちゃ」と呼ばれる鼻の短い犬のことです。フレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、シー・ズー、チワワ、ペキニーズ、ボクサー、スパニエル系などがあげられます。これらの犬種は鼻孔や気道が狭く、呼吸器の病気にかかることが少なくありません。代表的な病気は、鼻の穴が狭く空気が通りづらい「狭窄性外鼻孔(きょうさくせいがいびこう)」、鼻と口を隔てる軟口蓋が呼吸の邪魔をする「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」、気管がつぶれて呼吸ができなくなる「気管虚脱(きかんきょだつ)」などです。総称して「短頭種気道症候群」と呼ばれています。

短頭種気道症候群の犬は、呼吸音やパンティングにも異常があらわれます。

短頭種気道症候群の疑いがある呼吸音やパンティング

  • 安静にしているときでも呼吸時に「ブーブー」「グーグー」といびきのような音を出す
  • パンティング時に「ガーガー」といった音を出す

上記の症状が表れたときは注意が必要です。
狭窄性外鼻孔や軟口蓋過長症、気管虚脱は手術で改善させることが可能なため、早めに獣医師に相談することが大切です。

また、短頭犬種に限らず、肥満になるとさらに気管が圧迫されるため、お散歩を欠かさないなど体重管理にも気をつけましょう。

愛犬の異常な「ハアハア」に
気づくポイントは?

「ハアハア」とパンティングをするのは犬の特徴のひとつですが、場合によっては病気のサインという可能性もあります。ポイントは、普段と様子が違っているかどうかです。日ごろからマメに愛犬を観察し、運動をしているわけでもないのにパンティングをする、明らかに苦しそう、異音が混ざっているといった場合は獣医師の診察を受けるようにしましょう。

※このコンテンツは、2020年7月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。