犬のワクチン接種はなぜ必要? 種類や時期、費用をご紹介

useful useful お役立ち情報 お役立ち情報 December.4.2020

犬のワクチン接種はなぜ必要?

種類や時期、費用をご紹介

犬は危険な感染症にかかりやすい動物です。接種が義務付けられている狂犬病ワクチンだけではなく、感染症の予防としての混合ワクチン接種も推奨されています。そこで今回は、犬のワクチンの種類や費用、接種前、接種後、子犬の場合の注意点について詳しくご紹介します。

犬のワクチン接種は
義務付けられている

犬のワクチンは、重要度が高い順に「義務」「コアワクチン」「ノンコアワクチン」の3つに分類されます。義務とされているのは「狂犬病ワクチン」で、狂犬病予防のために、年1回の接種が義務付けられています。「コアワクチン」は、義務ではないものの、感染率と感染後の致死率が高いことから、すべての犬にワクチン接種が強く推奨されています。「ノンコアワクチン」も義務ではなく、こちらは生活環境や居住地域などにより高い感染リスクが想定される犬のみを対象とするものです。これらのワクチンは、動物病院で接種してもらえます。義務である狂犬病ワクチンについては、各自治体が4月~6月頃に集合注射を実施しています。

ワクチンの種類

ここからは、ワクチンで予防できる主な感染症や接種時期などについて説明していきます。

毎年接種が義務付けられる狂犬病ワクチン

厚生労働省が定める狂犬病予防法により、生後3カ月以降のすべての犬に対し、年1回のワクチン接種が義務付けられています。飼い始めてから30日以内に犬を登録する義務もあるので、それまでに最初の狂犬病ワクチンの接種も済ませておくとよいでしょう。各自治体が行う集合注射では登録とワクチン接種を一緒に行うこともできます。動物病院によって多少の差はありますが、ワクチン費用は3,000~4,000円ほどです。

なぜ、狂犬病ワクチンだけが義務付けられているのかというと、それは狂犬病を発症した場合の致死率がほぼ100%の大変恐ろしい病気だからです。また、狂犬病を発症した犬に噛まれると犬だけではなく、人間も感染・発症します。そんな恐ろしい病気に愛犬がかからないようにするためにも、狂犬病のワクチンは必ず接種するようにしましょう。狂犬病ワクチンの接種を怠った場合、20万円以下の罰金を課されることもあります。

接種が強く推奨されるコアワクチン

コアワクチンの対象となる代表例は、犬ジステンパーウイルスや犬パルボウイルス、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス2型などです。犬ジステンパーは、ワクチン未接種の子犬が感染すると重症化しやすく、死亡率も高い病気です。犬パルボウイルスも同様に、抵抗力の弱い犬の感染率や死亡率が高く、飼い主さんの服や手に付着したウイルスから感染することもあります。

そのため、ドッグランやペットホテル、ペットサロンなど他の犬も利用する施設では、3種以上の混合ワクチンの接種証明書の提示が求められることがあります。証明書はワクチン接種を受けた動物病院で発行してくれます。

また、おでかけ先で愛犬が体調を崩した場合に、証明書がないと近隣の動物病院で治療を受けられないということもあります。このような事態に対応するためにも、コアワクチンは接種しておくことをおすすめします。万が一、証明書を紛失した際は、ワクチンを打った動物病院で再発行をしてもらいましょう。

ウイルスに対する抗体のつき方は犬の個体により異なりますが、コアワクチンは比較的その効果が長持ちすることが最新の研究で分かり、3年に1回の接種が推奨されています。ただし、利用施設によっては接種1年以内の証明書の提示を求められることがありますので、事前に施設へ確認をするとよいでしょう。

特定感染症向けのノンコアワクチン

ノンコアワクチンに分類されるのは、犬コロナウイルスや犬パラインフルエンザなどのワクチンです。コアワクチンの感染症ほど危険性が高くはありませんが、多頭飼いなどで、通常よりも感染リスクが高いと判断されれば、ワクチン接種を勧められることがありますので、接種の必要があるか動物病院で相談をしましょう。ノンコアワクチンは、年1回の接種が推奨されています。

混合ワクチンで予防できる感染症と費用

※動物病院により、値段や含まれるワクチンが異なる場合があります。

犬ワクチン接種における注意点

ワクチン接種は感染症予防になりますが、副作用のリスクもゼロではありません。ここからは、注意点を挙げていきます。

ワクチン接種のタイミング

ワクチンは、できるだけ健康な状態のときに受けさせるのがベストです。また、狂犬病ワクチン接種と同時に混合ワクチン接種を受けさせることは避け、持病のある犬の場合は、治療を優先して「ワクチンを打たない」という選択肢もあります。直近での治療の有無やワクチン接種歴、以前にワクチンで起きた副作用などがあれば、事前に獣医師に伝え、総合的な判断を仰ぎましょう。

ワクチン接種当日の注意点

愛犬の体調がよく、元気であることを必ず確かめておきましょう。ワクチン接種を予定していても、当日の体調や機嫌が悪そうであれば、後日に変更するほうが賢明です。

健康な犬であっても、ワクチン接種後には少しぐったりとすることがあります。接種当日は長距離の散歩や激しい運動は避け、疲労回復を優先しましょう。万が一、愛犬の体調に異変がみられた場合に動物病院の診療時間内に相談できるよう、ワクチン接種は午前中に済ませておくことをおすすめします。

子犬のワクチン接種について

子犬の場合、母犬の初乳からもらった免疫が薄れてくる生後2カ月頃が、1回目のコアワクチンを接種する時期の目安になります。その後、1回目の接種から3~4週間後に2回目、さらに3~4週間以降に3回目の接種を受けさせることが推奨されています。ただし、子犬の場合、一度に多くの種類のワクチンが体内に入ると副作用のリスクが高まることもありますので、愛犬にいつ、どのワクチンを接種するかは、必ず獣医師と相談をして決定しましょう。

愛犬の健康維持のために

定期的なワクチン接種を
検討しましょう

ワクチン接種は、恐ろしい感染症から愛犬を守るためにとても大切です。おでかけや他の犬と触れ合う機会がある場合には、獣医師に相談し、ワクチンの種類、頻度を決定しましょう。
また、過去にワクチン接種後に体調不良を起こしたことがある場合には、あわせて獣医師に伝え、相談するとよいでしょう。

文・監修:PECO

※このコンテンツは、2020年12月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。