1992 TITLE
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1990年


NSX-R誕生
約120kgにおよぶさらなる軽量化
徹底したハードサスペンションチューニング
専用レカロ社製フルバケットシート
専用MOMO社製ステアリングホイール
チタン削り出しシフトノブ
3年間の限定生産


カスタムオーダープラン創設
インテリア材や専用外装色などを選択し、自分だけのNSXをつくるプラン


NSXオーナーズ・ミーティング スペシャル開催
NSXオーナーとその仲間の年に一度の祭典を鈴鹿サーキットで初開催のちにNSX fiestaに名称変更してさらに盛大なお祭りへと発展する

NSXオーナーズミーティング
第1回目のオーナーズ・ミーティングスペシャルの参加者と100台のNSX
92年、この年限りでF1の撤退を決めたホンダは、その代わりに超過激な高性能リアルスポーツを世に送り出した。
そう、NSX-Rである。この年、F1を辞して1年目を迎えた中嶋 悟に、まだタイプRのデビュー前、「実はベース対比120kgのシェエイプアップに成功したらしいです」と告げた。すると、NSXの開発に携わりかつオーナーでもあった彼は「120kgだって!いったいどこを削ったらそんなに軽量化できるんだろう。本当だとしたら、その数字を聞いただけでタイプRのすごさが想像できるね」と言っていたのを思い出す。

オールアルミモノコックを使い、時代先進の装備と安全性能を身に付けながらパワーウエイトレシオ5.0を切ったNSX。それをタイプRは一気に4.39まで引き下げたのだ。この軽量化により、NSXは、加速だけでなく、曲がり、止まるすべての点において走行性能を大きく高めた。
もちろんクルーズコントロールやパワードアロックなどの装備を除いた上ではあるが、120kgというタイプRのウエイトダウンは常識では考えられないレベルであることは間違いない。それだけではなく、多くの常識的な面々からは、「ちょっと硬すぎる」と評されたアウトロー的なハードサスペンションを装備。そして、レカロのスタッフがホンダからの徹底的な軽量化の要求に、「コンペティションカーにしか使わない高価な素材だからおそらく採用されないだろう」と試作してあっさり採用されたという経緯を持つ、カーボンアラミドのフルバケットシートも熱い。

しばらくして中嶋 悟に再会したのはブリヂストンのドライビングイベントの会場だった。富士スピードウェイで行われたそのイベントに彼は、イエローのタイプRであらわれた。そして、「思っていた以上に気持ちいいね。もうこれはひと時代前のレーシングカーだよ。このRに乗って、軽量化っていうのはスポーツカーにとっていかに大切かあらためて思い知らされたね」と彼は会心の笑顔を見せた。

タイプRカタログ
タイプRカタログ。シンプルかつ情緒に満ちた一冊
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NSX Press vol.25 2000年9月発行