最終戦ポルトガルGPの予選は、終日、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われました。初日のフリー走行で1周のラップタイムをうまくまとめられなかったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、予選で一気にタイムを短縮、1分39秒156の好タイムで4番手につけました。
FP3では前日のタイムを短縮しましたが総合14番手は変わらず。そのためQ1からの予選となりましたが、Q1ではトップタイムをマークしてQ2進出を決め、Q2ではさらにタイムを短縮してフロントロー争いに加わりました。最終的に4番手に終わりましたが、今季初表彰台、初優勝の期待も膨らみます。
クラッチローにとって今大会は、6年間在籍したLCR Honda CASTROLで最後のレースとなります。同チームでは3勝を挙げるなど大きな功績を残してきました。ラストレースでどんな走りをみせてくれるのか。世界のレースファンが注目するラストランとなりそうです。
第2戦スペインGPで右腕上腕を骨折し、リハビリと治療を続けているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)。彼の代役として11戦目を迎えるステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)が今季ベストの6番グリッドを獲得しました。初日のフリー走行で11番手、2日目のFP3で総合10番手へとポジションを上げて初めてダイレクトでQ2進出を果たすと、Q2では2度のアタックを敢行、フロントロー争いに加わりました。最終的には、3番手のジャック・ミラー(ドゥカティ)と0.166秒差の6番手でしたが、今季1番の走りとなりました。ブラドルは第10戦フランスGPで8位になっていますが、今大会はベストリザルト、そして代役での初表彰台が期待されます。
4戦連続フロントローが期待された中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、初日12番手からFP3で5番手に浮上。FP4では3番手と着実にタイムを更新しましたが、FP4で転倒を喫し、その影響でQ2ではタイムを更新できず11番手へと後退しました。前日のFP2と同じ4コーナーでフロントをすくわれての転倒で「Q2は100%の走りができなかった」と悔しそうな表情。4戦連続フロントローからのレースを果たせませんでしたが、決勝に向けてよいセットアップを見つけただけに、決勝での追い上げに期待されます。
初日18番手と出遅れたアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、セッションをこなすごとに確実にタイムを短縮しましたが、FP3ではポジションを上げることができず18番手でした。そのためQ1からの予選となり、Q1トップのクラッチローから0.799秒差の6番手に終わり、16番グリッドが確定しました。初めて開催されるアルガルベに苦戦するアレックス・マルケスですが、決勝に向けて重要なセッションとなるFP4では、トップから0.322秒差の6番手。1分40秒台でラップを刻んでおり、決勝での追い上げに期待されます。
カル・クラッチロー(MotoGP 4番手)
「今日はいい予選になりました。レースペースとレースディスタンスを考えて、もっとセッティングを進める必要があります。そして、レースに向けてタイヤの選択もしなければなりません。タイヤの選択はかなり分かれると思います。どうなるか楽しみです。今日の予選結果には満足しています。最後のレースに向けていいグリッドを獲得できるようにうまくまとめることができました」
ステファン・ブラドル(MotoGP 6番手)
「ダイレクトにQ2へ進めてとてもよかったです。今年は何度かとてもいい走りができました。予選でいい結果を出しトップ10に入ることもできました。リラックスしてセッションに挑むことができました。すでに重要な結果を出すことができたので、明日はプッシュするだけです。自分のラップとRepsol Honda Teamの仕事にとても満足しています。レースペースもかなりいいです。最後のレースがどうなるか楽しみです。ここまでのところ、すばらしいレースウイークになっています。いい形でシーズンを終えられると思います」
中上貴晶(MotoGP 11番手)
「FP4でとてもポジティブなフィーリングをつかんでいたときに転倒してしまいました。2台のマシンを準備していました。1台は(ステファン)ブラドルと同じで、ギアをロングにしたもので、とてもポジティブでした。とても快適でラップタイムもとても安定していました。その後、初めてハードコンパウンドをフロントに使いましたが、少しハードすぎました。昨日と同じコーナーでフロントエンドから転倒してしまいました。しかし、いいレースペースを見つけることができました。シーズン最終戦ではいい結果を目指しバトルができると思うので楽しみです。いつものように最後の瞬間までベストを尽くします。チームのためにすばらしい結果を残せることを願っています」
アレックス・マルケス(MotoGP 16番手)
「難しい予選でした。前進できるようにスリップストリームを使おうとしましたが、うまく使うことができませんでした。最後のラップでアタックしましたが、完全なクリアラップが取れませんでした。こういうこともあります。FP4はうまくいきました。レースへ向けたタイヤ選択でいい方向性を見つけることができました。でもウオームアップでもう少し確認しなければなりません。目標はレースを楽しみ、できる限り追い上げることです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
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1 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 1'38.892 |
2 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 1'38.936 |
3 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 1'39.038 |
4 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 1'39.156 |
5 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 1'39.199 |
6 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 1'39.204 |
7 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | 1'39.238 |
8 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 1'39.260 |
9 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 1'39.284 |
10 | 42 | A.リンス | スズキ | 1'39.467 |
11 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 1'39.531 |
12 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 1'39.587 |
13 | 33 | B.ビンダー | KTM | 1'39.390 |
14 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 1'39.762 |
15 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 1'40.019 |
16 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() | 1'40.049 |
17 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 1'40.058 |
18 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 1'40.091 |
19 | 32 | L.サバドーリ | アプリリア | 1'40.174 |
20 | 36 | J.ミル | スズキ | 1'40.290 |
21 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 1'40.427 |
22 | 82 | M.カリオ | KTM | 1'41.753 |