第9戦ドイツGPの予選は、終日、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われ、フリー走行でトップタイムをマークしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、予選でもすばらしい走りを見せて、3戦ぶり今季5回目のポールポジション(PP)を獲得しました。ドイツGPの最高峰クラスでは7年連続、125cc、Moto2クラスを含めて、10年連続PP獲得を果たしました。
これでマルケスは、記録更新中の最多PP記録を「85」としました。そして、最高峰クラスでは57回目となり、Hondaで5年連続チャンピオンに輝いたミック・ドゥーハンのもつ最高峰クラス最多PP記録の「58」にあと「1」に迫りました。
今大会は、天候に恵まれましたが、タイヤの選択に多くの選手たちが頭を悩ませました。マルケスは、いつも通り、タイヤテストに多くの時間を割きましたが、予選Q2では、フロントにハードを選んでアタックするなど、これまであまり経験したことがないタイヤ選択となりました。しかし、3度のアタックをすべて成功させ、昨年マルケス自身が更新したサーキットベストタイムをさらに塗り替える快走でファンを喜ばせました。決勝では、最高峰クラスで7年連続、通算10年連続でのドイツGP制覇に挑みます。
カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が6番グリッドを獲得しました。開幕前日、トレーニング中に右ヒザを痛めたクラッチローですが、初日6番手タイムをマーク。この日も、午前中のFP3で総合4番手にポジションを上げると、予選Q2では、6番グリッドを獲得しました。クラッチローもタイヤに厳しい決勝レースを予想していますが、2位になった16年以来の表彰台獲得、そして今季初優勝に挑みます。
前戦オランダGPで痛めた左足首の影響で初日15番手と出遅れた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、10番グリッドを獲得しました。午前中のフリー走行では13番手に終わり、ダイレクトでのQ2進出を逃します。しかし、Q1で2番手につけると、Q2で10番手タイムをマークして今大会もトップ10入りを果たしました。オランダGPでは、他者の転倒に巻き込まれて左足を痛めました。この日もテーピングを施し、痛み止めの注射を打っての熱走となり、チームスタッフはもちろん、ファンからも大きな拍手が送られました。
ケガで欠場しているホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)の代役として出場のステファン・ブラドルが14番グリッドを獲得しました。フリー走行に続き、この日も多くのメニューをこなし、多くのデータを収集しました。決勝では、さらに上位を目指し、地元ファンの期待に応える意気込みです。
マルク・マルケス(1番手)
「FP1からいいフィーリングがあり、今日もいい走りができました。違うタイヤや違うセッティングを試し、予選でも、違うことにトライする時間がありました。明日に向けて準備はすべて整いました。しかし、ヤマハのライダーはとても速いです。特にビニャーレスとクアルタラロはとても速く、彼らの走りに注意しなければなりません。今日はポールポジションを獲得できましたが、決勝で優勝できるかどうかはやってみなければわかりません」
カル・クラッチロー(6番手)
「アッセンに続き、6番グリッドを獲得できてうれしいです。明日は、とても長く難しいレースになると思います。今日の暑さはタイヤに厳しい条件でしたが、全体的には満足しています。レースでどのタイヤを使うかはまだ決まっていませんが、FP4ではかなり使いこんだユーズドタイヤで走り、決勝に向けてタイヤのシミュレーションができました。いいレースができることを願っています。マルクはほかのライダーに比べるといいペースがありますが、自分も表彰台争いか、トップ10争いができるポテンシャルがあると思います。このサーキットではいつもいいレース、いいバトルが見られます」
中上貴晶(8番手)
「非常に厳しい一日でした。朝おきたときは足の状態はそれほど悪くなかったのですが、FP3が始まり、30分過ぎた頃から、痛みがひどく、さらに力が入らならくなり、ふんばれない状態となりました。そのためFP4の前に痛み止めの注射を打って走りました。途中、シフトダウンができない状態になり、今回はレースをするのは無理かなと思いましたが、テーピング外してみたら、なんとか走ることができたので、そのまま、Q1、Q2に挑みました。Q1を2番手でQ2にいけたのはサプライズでした。チームもよろこんでくれました。そして、Q2で10番手になれたことも、うれしい出来事でした。反面、この状態で10番手なのだからと悔やまれます。昨日の課題だったリアのグリップも多少改善されたので、明日の決勝は完走目指して、最後まで全力を尽くします」」
ステファン・ブラドル(14番手)
「今日も忙しく、実りある一日になりました。今日はたくさんの仕事をこなしました。ペースはいいです。明日は5列目からのスタートなので、トラブルに巻き込まれないよう冷静に走らなければなりません。レースが楽しみです。いくつかポジションを上げられると思うのでレースが楽しみです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
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1 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | 1'20.195 |
2 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 1'20.400 |
3 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 1'20.406 |
4 | 42 | A.リンス | スズキ | 1'20.531 |
5 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 1'20.690 |
6 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 1'20.857 |
7 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 1'20.964 |
8 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 1'21.023 |
9 | 36 | J.ミル | スズキ | 1'21.061 |
10 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 1'21.104 |
11 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 1'21.137 |
12 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 1'21.486 |
以下Q1 | ||||
13 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 1'21.105 |
14 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 1'21.227 |
15 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 1'21.313 |
16 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | 1'21.433 |
17 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 1'21.446 |
18 | 55 | H.シャーリン | KTM | 1'21.465 |
19 | 5 | J.ザルコ | KTM | 1'21.637 |
20 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 1'21.683 |
21 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | 1'21.796 |
22 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 1'22.119 |