日本GP、オーストラリアGPに続く、3連戦最後の戦いとなる第18戦マレーシアGPが、11月2日(金)～4(日)の3日間、クアラルンプール郊外のセパン・インターナショナル・サーキットで開催されます。マレーシアGPは、1991年にシャーアラムでスタートしました。その後、ジョホールへと舞台を移し、99年からはクアラルンプール国際空港に近い、セパンで開催されるようになりました。マレーシアGPは今年で28度目、セパンでは20度目の開催となります。

セパンは一周5.543km。2本の長いストレートとバラエティーに富んだコーナーが組み合わさったレイアウトで、MotoGPマシンのテストに適していることから、ウインターテストの舞台としても定着しました。マレーシアは熱帯地方であり気候が安定しているため、1年中走行することができます。今年は1月下旬から2月上旬にかけて公式テストが行われました。

チームや選手にとって、セパンはシーズンを通して最もデータが豊富なサーキットです。マシンのセットアップなどがどう進化したのか、確認できる大会となります。Honda勢は、3年ぶりの大会制覇とセパン7勝目を目指します。

3連戦最初のレースとなった日本GPで、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が3年連続5回目のタイトルを獲得し、3年連続24回目となる最高峰クラスのコンストラクターズタイトルにも王手をかけました。しかし、前戦オーストラリアGPは、Honda勢にとって厳しい結果が待ち受けていました。チャンピオンのマルケスは、今季6回目のポールポジション(PP)から今季9勝目に向けて快走しましたが、後方にいた選手がマルケスに接触、その衝撃でマシンがダメージを受け、リタイアとなりました。

さらにチームメートのダニ・ペドロサも転倒リタイア。今季2勝目と4回目の表彰台が期待されたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)もケガのために欠場と、RC213Vのファクトリーマシンに乗る3選手がノーポイント。Honda勢最上位は、インディペンデントチームのEstrella Galicia 0,0 Marc VDSから参戦のフランコ・モルビデリで、8位で8ポイントを獲得。引き続きコンストラクターズタイトルに王手をかけて今大会に挑みますが、Honda陣営にとっては、ここからの2戦は仕切り直しの戦いとなります。不運なトラブルでオーストラリアGPをリタイアしたマルケスは、気持ちを切り替えてマレーシアGPに挑みます。

過去、マレーシアGPでは、125ccクラスで2010年、MotoGPクラスは14年に優勝しています。マルケスにとってはシーズンを通して優勝回数の少ないサーキットの一つですが、14年の大会では、シーズン最多ポールポジション記録となる13回目を樹立。15年のウインターテストでは、初めて1分59秒台を切って1分58秒台に入れた驚異的な走りが記憶に残ります。今年はすでにチャンピオンを決めており、Hondaのコンストラクターズタイトル獲得に向けて全力を尽くすことになります。

今年を最後に引退を表明しているペドロサは、今季初表彰台を目指します。この3連戦、日本GPでは8位、オーストラリアGPでは転倒リタイアと思うような結果を残せませんでしたが、得意とするマレーシアGPに気合を入れています。過去、セパンでは、125ccと250ccで優勝、MotoGPクラスでは、12年、13年、そして15年と3度の優勝を果たしています。昨年はPPを獲得。決勝は雨に翻ろうされて5位でしたが、過去2戦の雪辱と今季初表彰台に闘志を燃やしています。

総合5位につけるクラッチローは、前戦オーストラリアGPのフリー走行でのケガのために今回も欠場します。代役として、テストライダーで今季3回出場しているステファン・ブラドルが出場します。

ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得に向けて着実に前進するモルビデリは、引き続き今大会も今季ベストに挑みます。前戦オーストラリアGPでは、今季2回目のシングルフィニッシュを達成、ベストリザルトの8位でフィニッシュし、Hondaのコンストラクターズタイトル獲得に大きな貢献を果たしました。今大会は7位以上を目指します。

日本GPで15位、オーストラリアGPで14位と着実にポイントを獲得している中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は3戦連続ポイント獲得とシングルフィニッシュを目指します。

17戦を終えて未だポイント獲得のないトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、引き続き、今季初ポイント獲得を目標に挑みます。前戦オーストラリアGPでは16位と、ポイント獲得にあと一歩でした。