真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(以下鈴鹿8耐)の公式スケジュールがスタートしました。26日は、朝から晴天となり、午前中8時30分から10時30分までフリー走行が、午前11時50分からと午後3時40分からの2回、ライダーが付ける腕章ごとにブルー、イエロー、レッド、それぞれ計時予選が20分間行われ、3人のベストタイムの平均で、ポジションが決まります。上位10チームは、27日(土)のTOP10 TRIAL出場の権利を得ることができます。ナイトセッションは18時30分から19時30分までの予定でしたが、途中で降り出した雨のため、赤旗で、セッション終了となりました。
フリープラクティスは転倒者も多く赤旗が出て走行が中断されました。途中、小雨が降る場面もありましたが、高橋巧、清成龍一、ステファン・ブラドル(Red Bull Honda)がトップタイム。3番手に水野涼、ドミニク・エガーター、チャビ・フォレス(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)7番手にF.C.C. TSR Honda Franceのジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、マイク・ディ・メリオが付けました。
これまでは、予選、決勝と、使えるタイヤの本数が決まっており、それを、どう振り分けるかは、チームの戦略でしたが、予選でもタイムアタックしてレースファンに喜んでもらおうと、予選で使える本数と決勝で使える本数が分けられるようになり、ライダーたちは、思いきりのいいアタック合戦を繰り広げることになりました。また、午後から雨の予報もあり、各チームは、午前の予選でポジションアップしようとニュータイヤを、ここに集中させました。
レッドライダーの予選1回目、開始早々、2周目にフックがムサシシケインで転倒してしまいましたが、身体は問題なく、その後、再スタートしました。2分5秒922を記録した中須賀(ヤマハ)がトップタイム、高橋巧がアタックに入った5周目に1コーナーで転倒したマシンが炎上し赤旗中断となります。再開された予選では高橋巧が2分6秒200で2番手浮上して終了しました。
イエローライダーの予選では、セッション開始早々に、エガーターがトップにつけます。その後も2分6秒501とタイムを短縮しトップを守ります。ムサシシケインではアンディ・イズディハール(Honda Asia-Dream Racing with SHOWA)が転倒。他にも転倒者が続出して赤旗中断が続き、思うようなアタックのタイミングをとれない中で、エガーターがトップタイムを守り。7番手にはフォレイ2分7秒774、8番手に、清成で2分7秒955となりました。
レッドライダーがスタートしますが、早々に「Honda Dream RT 桜井ホンダ」の作本輝介がデグナーで転倒してしまいます。さらに逆バンクで転倒者が出たことで赤旗中断。再開された予選で、ジョナサン・レイ(カワサキ)が2分6秒495でトップ。ブラドルが2分7秒165で3番手、水野が2分7秒267で4番手。
午後の予選セッション、ブルーライダーが一斉にコースイン、中須賀がトップタイム、2番手ハスラム(カワサキ)、高橋巧は、2分7秒464を記録し3番手でセッション終了。フックは4番手、au・テルル SAG RTの秋吉耕佑が5番手、KYB MORIWAKI RACINGの高橋裕紀が6番手、チャビが7番手に付けます。イエローライダーはau・テルル SAG RTの長島哲太が2分7秒965で4番手、エガーターが2分7秒965の5番手。レッドライダーでは2番手に水野が付け、ブラドルが4番手。ディ・メリオは走行しませんでした。タイムが出ているチームでは、走行周回数を抑えるライダーも多くいました。
総合ではヤマハファクトリーがトップ、2番手にカワサキファクトリーで、ここまでが2分6秒台、3番手Red Bull Honda、4番手にMuSASHi RT HARC-PRO. Honda、7番手にF.C.C. TSR Honda Franceで、ここまでが2分7秒台。8番手には「au・テルル SAG RT」が2分8秒604、10番手には2分8秒758で「KYB MORIWAKI RACING」、ここまでが、トップ10トライアルへの出場権を得ました。
12番手に「Honda Suzuka Racing Team」、19番手に「Honda Asia-Dream Racing with SHOWA」、20番手に「Team ATJ with 日本郵便」、21番手に「Honda Endurance Racing」、23番手に「Honda DREAM RT 桜井ホンダ」となりました。
Red Bull Hondaの宇川徹監督は「3人とも、タイムアタックという時に赤旗が出てタイミングを逃しタイムアップできずに不運でした。それでも、3人のタイムがそろって来た。決勝に向けて、進歩している」と手応えを得ています。MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの本田光太郎マネージャーは「エガータ―が力を発揮しタイムアップ。チャビも7秒台に入れ、アベレージも2分8秒台で回れる状況ができている」と確実な進歩を見せます。F.C.C. TSR Honda Franceの藤井正和総監督は「計時予選は予選なので、TOP10 TRIALでしっかりと前に行けるように準備していく」と語りました。
イズディハールは、午後の予選でも転倒、右小指を痛めてしまいました。玉田誠監督は「一度乗ってもらい乗れるのが確認して状況判断する」と語ります。「Honda DREAM RT 桜井ホンダ」の作本は転倒のダメージはなく、走行可能。マシンを修復と同時に、セッティングを見直して決勝に備えます。
27日は15時30分からTOP10 TRIALが始まります。10位以下は、計時予選の総合順位でグリッドが決まりました。
順位 | No. | チーム | マシン | ライダー | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | Red Bull Honda | 高橋巧 清成龍一 ステファン・ブラドル | 2'06.090 | |
2 | 10 | Kawasaki Racing Team Suzuka 8H | カワサキ | L.ハスラム T.ラツカトリィオグル J.レイ | 2'06.900 |
3 | 634 | MuSASHi RT HARC-PRO. Honda | チャビ・フォレス ドミニク・エガーター 水野涼 | 2'07.201 | |
4 | 21 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | ヤマハ | 中須賀克行 A.ローズ M.ファン・デル・マーク | 2'07.567 |
5 | 7 | YART - YAMAHA | ヤマハ | B.パークス M.フリッツ N.カネパ | 2'07.942 |
6 | 12 | YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING | スズキ | S.ギュントーリ 加賀山就臣 渡辺一樹 | 2'08.421 |
7 | 1 | F.C.C. TSR Honda France | ジョシュ・フック フレディ・フォレイ マイク・ディ・メリオ | 2'08.624 | |
8 | 090 | au・テルル SAG RT | 秋吉耕佑 長島哲太 羽田太河 | 2'08.634 | |
9 | 95 | S-PULSE DREAM RACING・IAI | スズキ | 生形秀之 T.ブライドウェル B.レイ | 2'09.071 |
10 | 25 | Honda Suzuka Racing Team | 亀井雄大 日浦大治朗 田所隼 | 2'09.075 | |
11 | 19 | KYB MORIWAKI RACING | 高橋裕紀 小山知良 トロイ・ハーフォス | 2'09.353 | |
18 | 22 | Honda Asia-Dream Racing with SHOWA | ザクワン・ザイディ アンディ・イズディハール 名越哲平 | 2'10.402 | |
19 | 111 | Honda Endurance Racing | ランディ・ドゥ・プニエ ヨニー・ヘルナンデス セバスティアン・ジンバート | 2'10.480 | |
21 | 96 | TEAM FRONTIER | アラン・テシェ ニコラス・テロール ダニー・ウェブ | 2'10.694 | |
22 | 44 | Team ATJ with 日本郵便 | 関口太郎 岩田悟 國峰啄磨 | 2'10.724 | |
24 | 72 | Honda Dream RT 桜井ホンダ | 濱原颯道 伊藤真一 作本輝介 | 2'10.890 | |
34 | 55 | Honda浜友会浜松エスカルゴ | 中島元気 長谷川修大 | 2'12.580 | |
43 | 34 | Honda緑陽会熊本レーシング | 北折淳 吉田光弘 小島一浩 | 2'13.370 | |
47 | 88 | CLUBNEXT & MOTOBUM | 中村豊 片平亮輔 大貫貴彦 | 2'13.983 | |
49 | 112 | Honda EG Racing | 下田和也 栗林剛 本田恵一 | 2'14.866 | |
53 | 78 | Honda ブルーヘルメットMSC熊本&朝霞 | 髙橋勇輝 岡田寛正 大塚卓也 | 2'15.324 | |
57 | 70 | Honda向陽会ドリームレーシングチーム | 岡崎裕介 榊原真之介 中村浩 | 2'15.621 | |
65 | 42 | 信州活性プロジェクト!Team長野 | 櫻山茂昇 二階堂慎二 大北裕夢 | 2'17.298 |
順位 | No. | チーム | マシン | ライダー | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | ヤマハ | 中須賀克行 A.ローズ M.ファン・デル・マーク | 2'06.619 |
2 | 10 | Kawasaki Racing Team Suzuka 8H | カワサキ | L.ハスラム T.ラツカトリィオグル J.レイ | 2'06.633 |
3 | 33 | Red Bull Honda | 高橋巧 清成龍一 ステファン・ブラドル | 2'07.106 | |
4 | 634 | MuSASHi RT HARC-PRO. Honda | チャビ・フォレス ドミニク・エガーター 水野涼 | 2'07.183 | |
5 | 12 | YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING | スズキ | S.ギュントーリ 加賀山就臣 渡辺一樹 | 2'07.187 |
6 | 7 | YART - YAMAHA | ヤマハ | B.パークス M.フリッツ N.カネパ | 2'07.309 |
7 | 1 | F.C.C. TSR Honda France | ジョシュ・フック フレディ・フォレイ マイク・ディ・メリオ | 2'07.478 | |
8 | 090 | au・テルル SAG RT | 秋吉耕佑 長島哲太 羽田太河 | 2'07.916 | |
9 | 95 | S-PULSE DREAM RACING・IAI | スズキ | 生形秀之 T.ブライドウェル B.レイ | 2'08.311 |
10 | 19 | KYB MORIWAKI RACING | 高橋裕紀 小山知良 トロイ・ハーフォス | 2'08.758 | |
12 | 25 | Honda Suzuka Racing Team | 亀井雄大 日浦大治朗 田所隼 | 2'09.188 | |
19 | 22 | Honda Asia-Dream Racing with SHOWA | ザクワン・ザイディ アンディ・イズディハール 名越哲平 | 2'10.047 | |
20 | 44 | Team ATJ with 日本郵便 | 関口太郎 岩田悟 國峰啄磨 | 2'10.116 | |
21 | 111 | Honda Endurance Racing | ランディ・ドゥ・プニエ ヨニー・ヘルナンデス セバスティアン・ジンバート | 2'10.190 | |
23 | 72 | Honda Dream RT 桜井ホンダ | 濱原颯道 伊藤真一 作本輝介 | 2'10.356 | |
25 | 96 | TEAM FRONTIER | アラン・テシェ ニコラス・テロール ダニー・ウェブ | 2'10.837 | |
33 | 55 | Honda浜友会浜松エスカルゴ | 中島元気 長谷川修大 | 2'12.133 | |
40 | 34 | Honda緑陽会熊本レーシング | 北折淳 吉田光弘 小島一浩 | 2'13.842 | |
48 | 112 | Honda EG Racing | 下田和也 栗林剛 本田恵一 | 2'15.006 | |
51 | 88 | CLUBNEXT & MOTOBUM | 中村豊 片平亮輔 大貫貴彦 | 2'15.117 | |
52 | 42 | 信州活性プロジェクト!Team長野 | 櫻山茂昇 二階堂慎二 大北裕夢 | 2'15.404 | |
60 | 78 | Honda ブルーヘルメットMSC熊本&朝霞 | 髙橋勇輝 岡田寛正 大塚卓也 | 2'15.997 | |
61 | 70 | Honda向陽会ドリームレーシングチーム | 岡崎裕介 榊原真之介 中村浩 | 2'16.022 |
コメント
高橋巧 | #33 Red Bull Honda
「今日は、路面温度によって、ペースをつかむのが難しかったです。予選1回目の赤旗になっていなければ、いいラップタイムが出せたので、残念です。でも、明日のTOP10に残れたので次のレースに向けて、3人で少しでもアベレージをよくすれば、結果はついてくると思います。がんばります。明日は、雨の予報ですが、もし晴れれば、(2分)5秒台には入ると思います。ただ、決勝重視で考えていますので、無理しない範囲でベストを尽くします。決勝は1位を目指してがんばります」
清成龍一 | #33 Red Bull Honda
「今日の予選は、うまくアタックすることができなかったというか、クリア(ラップ)が一瞬も取れませんでした。しっかりしたタイムは出せなかったのですが、アベレージが昨日より少しよくなってきたので、決勝につなげられる走りができたと思います。今日2回目を走行できなかったのは、寝違いがひどくて、ほっといたらひどくなってしまいました。明日の走行を考慮し、メカニック・チームメンバーには申し訳なかったのですが、万全な体制に望むべく、セッションを見送ることにしました。しっかり身体を管理して、決勝に挑みたいです。力強い走りができるようにがんばるので引き続き、応援よろしくお願いいたします」
ステファン・ブラドル | #33 Red Bull Honda
「目標を達成できたので僕にとってもチームにとってもいい日でした。難しいサーキットですが、周回を重ねてこのコンディションやマシンに慣れて、自信を深めることができました。いい1日になりました。明日と明後日、特に決勝日が楽しみです」
ジョシュ・フック | #1 F.C.C. TSR Honda France
「全体的に悪くなかったです。セッティングも外れていないですし、このままいきたいです。違うセッティングのスペアマシンに乗ったのですが、元のセッティングの方がよかったです。僕ら3人はユーズタイヤでもニュータイヤでもいいタイムで走れているので、不安はないです。チャンピオンシップを獲得するためには、明日のTOP10トライアルで5番手以内には入りたいです。今日は僕のミスで転んでしまいました。プッシュしすぎてシケインのところでフロントのグリップを失ってしまいました。でも問題なく2分6秒台で走れているので大丈夫です」
フレディ・フォレイ | #1 F.C.C. TSR Honda France
「初めて2分7秒台で走れたから、うれしかったです。これまでのテストでも目指してはいましたが、今日出すことができました。プッシュすれば、まだタイムは縮められそうですが、ターゲットはTOP10に入ることですから、それを達成したあとはリスクを冒さないように心がけました。レースが重要なので無理をしてもしょうがないです。僕は耐久ライダーだから、乗ってすぐに速く走ることが難しいのです。乗りこんでマシンに慣れた最後の方でタイムが出せるタイプです。ほかのチームとは戦略が違うので、なんとも言えないですが、確実に昨年より強い自信を持っています」
マイク・ディ・メリオ | #1 F.C.C. TSR Honda France
「タイムアタックの1ラップ目にトラフィックに引っかかって、2ラップ目のセクター1、セクター2ととてもいい調子で速く走れたので、2分6秒台に入る自信があったのですが、赤旗が出てしまい悔しかったです。2分6秒台に入れることは可能だったと思います。昨日よりタイムを縮められたので自信になりました。とにかくレースにフォーカスして、TOP10トライアルに挑みます。明日は雨だと聞いていますが、雨のテストでも速く走れましたし、雨は得意なので問題ないです」
高橋裕紀 | #19 KYB MORIWAKI RACING
「このウイークに入り、3人のライダーとマシンとピレリタイヤのマッチングを確認するのにとても効率よく時間を使えています。午前中のフリー走行では半分は決勝を想定して、半分は予選を想定して走行しました。さらに計時予選に向けた立てた作戦が見事にはまり、TOP10トライアルに10番手で通過できたことはとてもうれしいです。小山選手とは相性も乗り方も近くて違和感なく乗れていますし、トロイ選手も短い走行時間の中でタイムを出してくれていて3人のチームワークはとても良いです。まだ誰も転倒していませんし、このウイークはとても良い流れで来ています」
小山知良 | #19 KYB MORIWAKI RACING
「裕紀選手が作りあげてきたバイクですので、信頼を持って乗れています。初めて乗ったときに2分9秒台に入り、いい流れで来ていました。ただ、このレースウイークに入り、路面温度が一気に上がって、フィーリングが変わってしまい、一発のタイムが出ていませんでした。TOP10に残るには2分8秒中盤のタイムが必要でしたので、一周に集中して走行しました。その結果が2分8秒4と自己ベストも大幅に更新しました。これも裕紀選手が仕上げてきてくれたバイクとチームのおかげです」
トロイ・ハーフォス | #19 KYB MORIWAKI RACING
「非常に楽しく乗れています。今回初めてピレリの予選タイヤを使いましたが、このバイクでの自己ベストを出すことができてうれしいです。 チームメートも素晴らしい走りをしてくれてチームがTOP10トライアルに進めたことが非常に満足です」
森脇護 | #19 KYB MORIWAKI RACING 総監督
「まずは、TOP10トライアルに進められたことを非常にうれしく思います。予選では午後からの雨に備え、午前中にタイムを出しに行きました。午後もドライコンディションとなったため、タイムアッププランを高橋選手に託しました。彼はその役割をしっかりと果たしてくれました。小山選手、トロイ選手も自己ベストタイムを出し、チームの雰囲気は非常によいです。明日はTOP10トライアルで一つでも上のポジションを狙います」
ザクワン・ザイディ | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA
「今日はベストを出しきり、昨年の予選順位よりも上にいくことができたので、満足しています。ただし、2分9秒4というタイムには納得いっていません。ここからはレースに焦点を当てて取り組んでいきます。アンディ(イズディハール)の負傷もありますので、レースウイーク残りのセッションでどう改善していくかを考えなければいけません。全力を尽くします」
アンディ・イズディハール | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA
「今日はフリー走行で、複数のセッティングを試しました。いい点もあったのですが、課題も残っていたので、一歩ずつ改善していきました。予選では全力を出そうとしましたが、グリップを失って転倒してしまいました。そこから再度走行しましたが、フィーリングがつかめませんでした。予選2回目でばん回しようと思いましたが、最初のラップのターン3で転倒し、多くの人をがっかりさせてしまったと思います。明日走れることを願っていますし、天候も注視していかなければいけません」
名越哲平 | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA
「予選1回目ではバイクBに乗りました。リアのグリップが低く感じましたが、新品タイヤでは問題ありませんでした。予選2ではレース用バイクに乗り、感触はさらによかったです。ただ、リアのグリップは改善が必要だと思っています。日曜のレースも、全力でがんばります」
玉田誠 | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA 監督
「今日は2回の転倒があり、難しい予選になりました。マシンの準備は問題なくできると思います。アンディは明日再度状態をチェックします。彼にレースを走ってほしいと思ってはいますが、まだ分かりません。マシンの修復は大変な作業になるはずです。昨年よりもかなり厳しい戦いになっていますが、あきらめることなくレースに向けて集中していきます。目標はトップ5です」
秋吉耕佑 | #090 au・テルル SAG RT
「例年より1日早く水曜日からレースウイークがスタートしましたが、走り出しはトラブルで走れませんでした。そこから長島選手、羽田選手の意見を聞きながらマシンをセットアップし、公式予選になって、ようやく普通に走れる状態に持ってくることができました。あとはもう少し細かく調整していけば、もっと速くなるはずです。長島選手は、安定して速いですし、羽田選手もこのレースウイークで成長しているので、決勝が今から楽しみです」
長島哲太 | #090 au・テルル SAG RT
「初日はいきなりトラブルから始まり、2日目もなかなかいいセットが見つからなかったのですが、秋吉選手のおかげで、予選ではいいフィーリングになってきました。2分08秒台前半で周回でき、2分07秒台にも入ったので、マシンはいい状態になってきたと思います。羽田選手が走るたびに速くなっていますし、一発タイムでも同じレベルで走れるようになってきているので、すごく成長を感じます。3人で力を合わせて表彰台を目指します」
羽田太河 | #090 au・テルル SAG RT
「初日はタイムが出なかったので焦りましたが、秋吉選手と長島選手のおかげで、予選ですごく乗りやすい状態になりました。ニュータイヤで走った予選1回目では、自己ベストを出していたときに、ほかのライダーにひっかかったり、レッドフラッグになってしまったりしたので、タラレバですが2分07秒台に入っていたと思います。アベレージもまずまずのタイムで走ることができたので、あとは体力勝負ですね」
ランディ・ドゥ・プニエ | #111 Honda Endurance Racing
「レースウイークの最初から、さまざまな点で苦労しています。今日の間に解決できればよかったのですが、試したことすべてがうまくいきませんでした。チームは問題解決のために素晴らしい仕事をしてくれたと思います。しかし、結局のところ僕らは遅すぎます。僕の担当したセッションでは、チャタリングがいたるところで起きてしまいました。リスクを冒してまでマシンに乗ることはできませんし、ほかのマシンより4秒も遅い状態でリスクを冒す意味はありません。このような事態には非常にがっかりしています。明日のセッションで解決策を見出したいです」
ヨニー・ヘルナンデス | #111 Honda Endurance Racing
「チームとライダーにとって大変な一日でした。現時点で、セットアップやフィーリングに問題があって、特にグリップの問題が大きいです。僕らはヨーロッパのレースで使用しているタイヤしか持ち込んでいないので、やるべきことはたくさんあります。今持っているもので、ライディングに集中しなくてはなりません。ライダーたちだけでなく、チーム全員がとにかく最善を尽くしています。チームとしていいレースができるよう、最善のセッティングを得られるようにしたいです。今週のチームのハードワークには本当に感謝しています。がっかりしている訳ではありませんが、EWCにフル参戦していたほかのチームとのギャップには驚かされています。明日のフリー走行がまだあるので、解決策を見つけるためにも、努力を続けなくてはなりません」
セバスティアン・ジンバート | #111 Honda Endurance Racing
「合同テストのときよりもポジションを下げてしまい、気持ちのいいものではないです。マシンにチャタリングの問題が起きていて、特にこのコースでは乗りづらくなっています。マシンは体力的にも厳しく、上位に進出することは簡単ではありません。合同テストではフロントのグリップを失ってしまい、2回クラッシュしてしまいました。正直なところ、マシンの感覚がありませんでしたが、予選を経て、少しよくなったと思います。上位に進出するには、あと2秒タイムアップが必要なのですが、現時点ではどこを改善すればいいのか分かりません。ランキングを考えると、予想より下のポジションになってしまっていますが、セッションがまだ残っているので問題を解決していきます」
チャビ・フォレス | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「2日間のテスト、さらに今日のフリー走行、予選と、ずっとマシンと自分のライディングの改善をしています。そのおかげで、タイムも走行ごとに上がってきているし、とてもいいフィーリングになってきています。マシンに対する要望が3人のライダーそれぞれ異なるので、チーム側は大変だと思いますが、そこはさすがプロフェッショナルなチームらしく、しっかり対応してくれていますし、マシンにとても楽しく乗ることができています。僕自身、このように3人のライダーでレースを走ることは経験したことがないのですが、本当に素晴らしい経験ができています。レースが本当に楽しみになってきています」
ドミニク・エガーター | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「3人のライダーでバイクの合わせ込みを一昨日、昨日と行い、今日も朝のフリー走行、予選と走りました。3人ともライディングスタイルが大きく異なり、マシンに求めるものも異なるので、その合わせ込みが作業の中心になりました。大変な要求だと思いますが、それをチームがしっかりマシンに反映させてくれて、その結果が計時予選での4番手だと思います。気になるのは今日のナイトセッションで雨が降ってしまったことで、このことで路面状況が変わってくるはずです。でも、チームはこのコースでのデータもたくさん持っていますし、なにしろ鈴鹿8耐の優勝経験もあるので、そのあたりの対策はしっかりやってくれると思うので、自分はライディングに集中していきたいと思います。自分たちはヤマハ、カワサキ、HRCに次ぐ位置で、上位3チームにはちょっとだけ離されたのですが、ほんの少しの差ですし、これは今後の作業で十分詰められる差だと思います。このレースウイークをとても楽しめています。そう、なによりも僕の所属するMoto2チームに感謝を述べたいと思います。僕はオフィシャルのMVチームのライダーなので、ほかメーカーの車両に乗ることは、チームが許してくれないとできないことでした。それを快く送り出してくれて、本当に感謝しています。そして鈴鹿のファン、日本、鈴鹿、8耐、大好きです。ありがとう!」
水野涼 | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「マシンがグレードアップした分、チームも自分もさらに上を目指さないといけない訳です。ですが、自分たちが実際に出した結果というものは、望んでいる位置ではありませんでした。これが現実ですし、自分たちがテストから積み重ねてきた実力でもあります。その悔しい気持ちも、さらなる高みを目指しているからこその感じるものだと気持ちを切り替えたいと思います。レースウイークになって真夏日となり、テストから大きく気温が上がったことで、マシンのセッティングが大きく変わってしまったのがその大きな理由です。チーム、3人のライダーと話をしながら、2日間のテスト、そして今日の予選と走ってきたのですが、上位3チームの中に割って入るにはちょっと足りませんでした。3人のタイムは上がってきているので、この流れでさらに作業を進め、レースではチャンスがあれば、しっかりと攻めていきたいと思います」