Round 05日本鈴鹿サーキット

鈴鹿8時間耐久ロードレース
第2回公式合同テスト

2019年7月24日(水)・25日(木)


鈴鹿8耐・第2回公式合同テスト

第2回公式合同テスト初日はRed Bull Hondaがトップタイム。2日目はF.C.C. TSR Honda Franceが2番手

真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(以下、鈴鹿8耐)のレースウイークが始まりました。66チームが参加し、24日(水)には第2回公式合同テストの1日目、25日(木)は公式合同テスト2日目が行われました。この合同テストは、今年から始まったもので、FIM世界耐久選手権(EWC)にフル参戦しているチームが、事前テストへの参加が難しく、公平性を保つために、鈴鹿8耐本戦前にテスト日を設けました。

24日は午前中にセッション1が、9時から10時30分と、10時45分から12時まで。午後にはセッション2が13時30分から14時30分、14時45分から16時15分、16時30分から18時までと長い時間が割かれました。この日は、気温が32℃まで上昇し、路面温度も52℃、鈴鹿8耐本番の暑さを思わせました。テストでは、使えるタイヤの本数が限られているため、各チームはその配分や時間を考慮しながら、走行を重ねました。

「#33 Red Bull Honda」は、高橋巧、清成龍一、ステファン・ブラドルのフルメンバーがそろい、テストが始まりました。ここまでマシンを仕上げてきた高橋は、自分のマシンをブラドルや清成がどう評価するのかを見守ります。多くの時間を2人の走行に割きました。それでも、高橋はセッション1のトップタイムとなる2分6秒670を記録します。清成、ブラドルは2分8秒台で、マシンの確認に専念しました。

「#1 F.C.C. TSR Honda France」のジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、マイク・ディ・メリオの3人は、Honda本社ビル内のHonda ウエルカムプラザ青山で行われた鈴鹿8耐ファンミーティングに参加するために来日。6月末、7月の公式テストと、3人がそろい、テストを重ねてきました。20日間もの時間を3人で過ごし、レースウイークを迎えました。フックは24日のセッション2のトップタイム2分7秒236を記録しました。

「#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda」は、水野涼が中心になり、ドミニク・エガーター、チャビ・フォレスと均等に走行時間を振り分け、彼らのコメントを吸い上げながら、マシンの調整に終始しました。水野はセッション1で3番手となる2分7秒616を記録し、エガーターも2分7秒台までタイムアップ。フォレスは2分9秒台まで上げていました。

翌日の25日は、セッション3が午後13時30分から14時30分、16時から17時まで行われました。気温、路面温度とも前日を変わらず、暑い一日となりました。Honda勢でのトップは、2番手のF.C.C. TSR Honda Franceのディ・メリオで2分7秒178をマーク。3番手にRed Bull Hondaの高橋が2分7秒230。チームメートの清成、ブラドルは2分8秒台で走行を終えました。6番手にはMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaが入りました。水野は、最終セッション中の最終コーナーで転倒してしまい、マシンがダメージを受けましたが、ライダーは無事でした。本田光太郎マネージャーは「チャビ(フォレス)が8耐初参戦なので、バックマーカーの処理の仕方や、タイヤの使い方など重点的に練習してもらいました。しっかり身につけて挑んでほしいと思っています」と語ります。

11番手は「#44 Team ATJ with 日本郵便」、12番手に「#090 au・テルル SAG RT」が入り、ともに2分9秒台でつけました。13番手は「#25 Honda Suzuka Racing Team」、14番手には「#22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA」のザクワン・ザイディが2分10秒067を記録し、チームメートのアンディ・イズディハール、名越哲平も2分10秒台で走行を終えました。チームは7回ピットを目標としていることで、燃費テストを中心にこなしました。Honda Asia-Dream Racing with SHOWAの玉田誠監督は「名越が入り、ポジションの確認などもあり、明日からはロングランをできるように準備したいです。タイムアップを狙ってもらわなければならないので、やりたいことはたくさんありますが、確実にこなしたい」と語りました。17番手「#19 KYB MORIWAKI RACING」、18番手「#111 Honda Endurance Racing」、21番手「#72 Honda DREAM RT 桜井ホンダ」となりました。前回のテストが涼しかったため、今回のテストでは気温上昇に合わせた対応にチームが追われた2日間となりました。明日の26日は、フリー走行と公式予選が行われます。

コメント

高橋巧 | #33 Red Bull Honda高橋巧 | #33 Red Bull Honda
「清成選手とステファン(ブラドル)選手と仕上げるマシンの方向性が同じだと再確認できたのでよかったです。3人がそろったのがレースウイークになりましたが、みんな似たような意見でした。ベースにあるマシンのポテンシャルはそんなに悪いところではないと思いますので、決勝に向けてもっと改善していきたい。2人の意見を聞いて、みんなが乗りやすいようにしたいです」

清成龍一 | #33 Red Bull Honda清成龍一 | #33 Red Bull Honda
「やはり(高橋)巧が作ってくれたマシンは非常に乗りやすいですね。僕の課題はどれだけこのマシンに慣れていけるかです。昨日は意外とタイヤグリップが悪くて、それに対応しきれませんでした。僕は走りこんでタイムやフィーリングをよくしていくタイプなので、なるべくマシンのセッティングを変更しないで、その部分を優先しました」

ステファン・ブラドル | #33 Red Bull Hondaステファン・ブラドル | #33 Red Bull Honda
「昨日、今日と非常にいいテストでした。ロングランもできて、レースに向けていいフィーリングをつかめたので、精神的にも準備ができました。マレーシアでのMotoGPテストなどで暑いのには慣れていますので、暑さは問題ないです。8耐とMotoGPを行ったり来たりしているので、慣れるのがたいへんです。それでも歩み寄っていいところが見つけられました。決勝が楽しみです」

ジョシュ・フック | #1 F.C.C. TSR Honda Franceジョシュ・フック | #1 F.C.C. TSR Honda France
「今日は暑くて、これなら決勝レースも暑くなりそうですね。2日間のテストではユーズドタイヤを使って走ったりもしています。マシンはとてもいいです。すぐにフィットしてスムーズに乗れています。この鈴鹿サーキットに合ったいいパッケージに仕上がっていると思います。好調な走りでライバルより有利にレースを戦っていきたいです」

フレディ・フォレイ | #1 F.C.C. TSR Honda Franceフレディ・フォレイ | #1 F.C.C. TSR Honda France
「重要なのは日曜日の走りなので、それを目標にチームは一丸となってがんばっています。今のところとてもうまくいっています。これまでのEWCのレースとはタイヤが違い、鈴鹿の路面と気候に合ったタイヤですから、それをちゃんと理解することが重要です。我々には速さがありますから、あとはレースになってからのお楽しみです」

マイク・ディ・メリオ | #1 F.C.C. TSR Honda Franceマイク・ディ・メリオ | #1 F.C.C. TSR Honda France
「マシンの調子はとてもよく、我々は速いです。ほかのチームと比較しても良好なペースで走れています。なによりライダー3人とも安定して速いというところが重要なポイントです。(EWCの)チャンピオンシップで私達の前にいるチームにアドバンテージはありますので、決勝レースでは優勝を目指します。そうすればチャンピオンはついてくると思っています」

高橋裕紀 | #19 KYB MORIWAKI RACING高橋裕紀 | #19 KYB MORIWAKI RACING
「前回までのテストに比べて路面温度の変化が大きく、マシンのセットアップに時間をかけました。今年はアベレージタイムアップに集中してテストしていて、うまくまとまってきました。欲を言えば、もう少し時間が欲しいですが現時点では満足できるテストとなりました」

小山知良 | #19 KYB MORIWAKI RACING小山知良 | #19 KYB MORIWAKI RACING
「昨日、今日と路面温度が高く、前回のフィーリングで走ることが難しかったです。ただ、チームメートがうまくアジャストしてくれることや、マシンが速いのですごくやりやすく、気持ちよくテストができています。引き続き本番を見据えた準備をしていきます」

トロイ・ハーフォス | #19 KYB MORIWAKI RACINGトロイ・ハーフォス | #19 KYB MORIWAKI RACING
「非常に忙しいテストでしたが、たくさんのラップを走れたのでフィーリングをよくすることができ満足です。決勝に向けても自信が持てる内容でしたので、明日も引き続きチームに貢献できるようにベストを尽くします」

森脇護 | #19 KYB MORIWAKI RACING 総監督森脇護 | #19 KYB MORIWAKI RACING 総監督
「決勝を想定したテストもでき、予定していたプログラムは順調に進んでいます。気温、路面温度の変化はどのチームも同条件ですので、チームの総合力で前進させていきます。今日はトロイ(ハーフォス)が自己ベストタイムを更新することができたのは非常にポジティブです。3人のライディングがバランスのとれた状態に近づいてきていると思います」

水野涼 | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda水野涼 | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「前回までのテストと違い、暑くなっていろいろ変わってしまい、2日間をかけてもセッティングをうまく詰められませんでした。正直、少し難しい状況ですね。まだライダー3人のバランスを取るのに苦労しています。一発のタイムはある程度出ていますが、8耐はアベレージスピードがないと勝てませんから、そこを明日また煮詰めていきたいです」

ドミニク・エガーター | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaドミニク・エガーター | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「チームメートとライディングスタイルが違い、電子制御に助けられている部分もありますが、セッティングを少し変えようか探っているところです。スタートポジションにはこだわっていません。8時間を走りきることに集中しています。表彰台争いがしたいですし、トップも狙いたいです」

チャビ・フォレス | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaチャビ・フォレス | #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
「マシンやタイヤについて日々理解を深めているので、昨日よりも今日の方がいい走りができました。鈴鹿8耐を走るのは初めてなので、慣れは必要です。悪くないタイムで走れているので、明日以降もいいペースで走り、いい決勝にしたいです。鈴鹿サーキットはおもしろいラインなので、楽しく走れています。気候はスーパーバイク(世界選手権)で走ったことがあるタイに似ています。暑いので体調管理に気を付けています。涼もドミニクも速く、僕もラップタイムを上げていけるようにがんばっています。1ラップ、1ラップを集中して走ります。表彰台が目標ですが、ミスをしなければ表彰台を獲得できると思います」

ザクワン・ザイディ | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWAザクワン・ザイディ | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA
「テスト2日目は1日目とあまり変わりませんでした。セッティングを変更したかったのですが、十分な時間がありませんでした。各ライダーの燃料補給の練習のため、ライダー交換を何回か行ってピット作業の確認を行いました。明日のフリー走行でさらに走行を重ねたいです」

アンディ・イズディハール | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWAアンディ・イズディハール | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA
「今日の1回目のセッションではセッティングを変更して試しましたが、いい感触でした。2回目のセッションではピットワークの練習を行い、それもうまくいきました。今日は有意義な一日になりました。明日また頑張ります」

名越哲平 | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA名越哲平 | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA
「少し難しい2日目になりました。セッティングの変更やライダー変更を多く行いました。マシンはいい方向に仕上がっています。明日の予選ではラップタイム2分8秒を目標に頑張ります」

玉田誠 | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA 監督玉田誠 | #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA 監督
「今日はロングランの練習をしたかったのですが、赤旗中断が多く思うようにいきませんでした。2回目のセッションではレース本番を想定し、ライダー交換を行ってピット作業の練習をしました。明日の予選前のフリー走行でさらに習熟を進め、予選でいい結果を出したいです。ライダー、チームともども決勝まで努力を続けます」

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