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優勝した藤波(左)と3点差で2位を確保した小川(中)
セクション下見中の藤波貴久
藤波に迫る減点数で2位を獲得した小川
世界ランキング2位、その実力を発揮し優勝の藤波
全日本トライアル選手権
中国・原瀧山
[2002.09.15]
JTRレースレポート 
第5戦 中国・原瀧山
2002年 9月15日開催  
天候:曇りのち小雨 気温:25℃
藤波貴久の優勝!小川友幸は僅差で2位!
Honda勢がワンツーの圧勝!

世界選手権シリーズ専念のため第3戦まで藤波貴久(Honda)不在だった全日本選手権シリーズだが、藤波は第4戦から復帰優勝。続くこの第5戦においても優勝を果たした。一方、小川友幸(Honda)と黒山健一(Beta)のチャンピオン争いは、今大会で小川2位、黒山が4位になったことで、小川のシリーズチャンピオン獲得の可能性が高まっている。

全日本トライアル選手権シリーズ第5戦は、ツインリンクもてぎで行われた世界選手権日本大会・最終戦の一週間後、岡山県川上町原瀧山トライアルパークで開催された。高低差のあるダイナミックなロックセクションには、好天続きで乾いたホコリが付着し意外にグリップが悪くライダーたちを悩ませていた。全12ヵ所設定されたセクションの中、第5、10セクションを除く合計10セクションに国際A級スーパークラスが挑んだ。

世界選手権日本大会1日目で優勝したばかりの藤波(Honda)と、2日目3位に入り、実力的に評価の高い黒山健一(Beta)。この世界のトップランカー2人による優勝争いを誰もが想像した今回の試合である。

ところが、1ラップ目の第1セクションから黒山に不運が訪れた。黒山のリヤサスペンションにトラブルが発生。すぐにサスペンションを交換したものの、セッティングが合わず黒山の走りにミスが目立ちはじめる。

今回もベストコンディションで挑んだ藤波は、第2セクションを3点で抜けた他、今大会の最難所である第9セクションを1点で消化し、計4点で1ラップ目を終えている。対する黒山の1ラップ目は18点であった。

そこに小川友幸(Honda)が藤波に迫るキレのあるライディングを発揮しはじめていた。小川は難セクション第9で5点になったものの、1ラップ目を計9点で回り、藤波を2番手で追うかたちとなった。前戦まで1ポイント差でシリーズポイントリーダーとなっている小川にとって、黒山との順位争いが最大の焦点となっているが、1ラップ目の段階で黒山を大きくリードすることになった。

さらなる不運が黒山を襲う。第2ラップ目の第9セクションの出口の大岩盤でクラッシュした黒山のマシンは、転倒の時に運悪くアクセルワイヤーが引っかかりエンジン全開、エンジン焼き付きのトラブルを起こしてしまったのである。黒山はエンジンのかからないマシンをパドックまで押して行き、メカニックがシリンダーとピストンを交換。約30分程で復帰し、タイムロスを挽回するべく先を急ぐが、抱えたままのサスペンショントラブルも含めてコンディションは万全ではなかった。

藤波は大きなトラブルもなく終始安定したテクニックを発揮し続けていた。ミスを見せず、難セクションのトライはまったく危なげなく余裕さえ感じさせるものだ。2ラップ目を5点で消化した藤波は合計9点でトップを維持する。

好調子の小川は、さらに調子を上げ、2ラップ目には藤波を上回る計4点というラップ合計点をたたき出し、計13点と藤波との差を詰めはじめた。

黒山がエンジントラブルから復帰したのは、藤波も小川も3ラップ目に突入し試合も大詰めの頃だった。2ラップ目の第11セクションから試合再開した黒山は、時間に追われながらセクションをほとんど下見なくトライしていったが、点差をつめることはできなかった。

藤波は、3ラップ目を6点で終了、総合計15点でゴール。小川はさらに3ラップ目に藤波を追いつめ、計5点で消化。さらに藤波との点差を詰めてゴール。藤波と3点差の18点という好成績で2位を確定した。

黒山は持ち時間内ぎりぎりでゴールしたが総合計57点。黒山と小川の間に53点の渋谷勲(Yamaha)が3位に入ったことで黒山4位が確定。残す2戦の全日本選手権シリーズ、小川のシリーズチャンピオン獲得の可能性が高まっている。

さて、2週間後にポルトガルで開催されるトライアル・デ・ナシオン(国別対抗トライアル)に向けて藤波、黒山、小川、野崎史高(Scorpa)の4名はこの後に渡欧する。今年は実力的に日本優勝の可能性が高い。彼等の出す結果に注目したいところ。

田中太一(GasGas)は、練習中による左手親指の骨折により今回の中国大会は不参加となったが、デ・ナシオン参加も辞退、繰り上がりで野崎がデ・ナシオン参加チームに加わった。

藤波 貴久(優勝)
黒山選手のトラブルは残念でしたが、今回はハードで点差を詰めにくいセクションの中、自分自身納得のいくいい試合ができました。同じHondaに乗る仲間として小川選手とは、試合中に走行ラインのアドバイスをしたり、してもらったり、お互い協力しながら走ったのですが、気がついたら小川選手に3点差まで詰められて焦ってしまいましたけれど、自分でも平常心を持った試合運びができるようになったと思います。この結果と経験を忘れずに次回も頑張ります。


レース結果などの詳しい情報は、こちらでご覧いただけます。
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