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全日本トライアル選手権
九州・猿ヶ城
[2002.03.31] |
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第2戦 九州・猿ヶ城 |
2002年 3月31日開催 |
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天候:晴れ 気温:25℃ 観客:2,100人
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小川友幸、2連勝は飾れず、2位入賞!
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開幕戦を優勝で飾った小川友幸(Honda)は、第2戦も勝利を目指して勝負に出たが、世界選手権のトップランカーである黒山健一(Beta)の絶好調ぶりに、勝利を明け渡すことになった。しかしランキングは依然小川がトップのままだ。 |
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開幕戦関東大会から2週間、第2戦は九州熊本の山間、上益城郡矢部村猿ヶ城キャンプ村で開催された。山の奥にひっそりと広がるキャンプ場で、地の利はいたって不便ながら、施設の整った気持ちのいい会場。セクションは50cm大の石がごろごろする河原に6個、池の中にひとつ、残り3つが林の中の斜面に設営された。セクションそのものは、会場がキャンプ場で特設会場ということもあり、準備不足の感は否めない。
開幕戦でさい先のいい優勝を飾った小川友幸(Honda)は、今回も優勝を目指して気合いのこもった走りを展開する。その集中ぶりは、他人を容易に近づけないほどだった。しかし、小川と同様に、いや、もしかしたらそれ以上に気合いを入れて今回の1戦に望んでいるライダーがいた。黒山健一(Beta)である。黒山は、ベータのワークスライダーであり、世界選手権のトップランカーだ。藤波貴久(Honda)が世界選手権に専念するため全日本を欠場している今シーズン序盤は、黒山には敵なしと思われていた。されど現実は厳しい。黒山は開幕戦で5位と低迷する。これは、黒山が全日本選手権に参戦を始めてから、初めて味わう低位置の成績だった。この敗因はベータが黒山専用に作った軽量マシンとの完熟が足りなかったためと見られるが、藤波のいない全日本で、勝って当然の戦況に油断した結果、ともいえる。
黒山は、最初からまったく危なげなくクリーンを重ねていく。一方小川は、大きな失敗はないものの、ぽろぽろと足が出て、細かい減点を重ねている。黒山が初めて減点をとったのは第8セクションの2点。この時点で、小川は8点の減点となっていた。小川は、第8で3点となった渋谷勲(Yamaha)にも遅れをとって、1ラップ目を3位で終えることになった。
前回小川と優勝争いをした成田匠(Yamaha)は、さらに調子を崩していて、今回は優勝戦線には加われない。トップ争いは黒山と渋谷、小川と成田が3位争いという図式が、1ラップ目に完成したかに見えた。
渋谷は17歳。国際A級スーパークラス唯一の十代選手である渋谷は、その年齢通り、若さが出た。2ラップ目に入って、第2セクション第4セクションと立て続けに5点を喫し、しかも第2セクションでは、第1戦で痛めてしまった足を再び痛めてしまい、以後苦しい戦いを強いられることになってしまった。
渋谷がトップ争いから脱落していく中、小川は2ラップ目には本領を発揮した。滑る林間斜面の登りセクションである第8セクションで3点となった以外はすべてクリーン。渋谷を抜いて2位に浮上。小川の実力通りの結果といえる。
しかしその上をいく黒山は、この日は完全無欠かと思わせるライディング。2ラップ目の減点は小川と同じポイントで同じく3点。小川の12点に対してわずか5点。7点差は、黒山がミスをすれば充分にひっくり返せるものだが、黒山はまったくミスをするそぶりを見せずにトライを重ねていく。
黒山のミスは、3ラップ目になってわずかに発生した。「時間がないのがわかっていたので少し焦った」とのことだが、第2セクションで2点、第7セクションの池に飛びこんだ際にエンジンが水を吸いエンスト。足をつかずにキックを繰り返し(停止状態でエンスト中に足をつくと減点5)再始動に成功したが、このときに停止減点をとられ1点、そして3点でも上出来の第8セクションを3点と、合計6点。しかし黒山の減点はたったのこれだけだった。
小川の第3ラップは、やや乱れた。第4で3点、5、6と1点、8セクションは3点でいいとして、9セクションでまた2点。合計10点と、1ラップ目を上回る減点の多さで、黒山から勝利を奪還する望みは、完全に消え失せていた。
序盤黒山とトップを争った渋谷は、3ラップ目にも13点の減点を喫して小川の2位を脅かすには至らず、結局2ラップ目以降は順位に動きがなく終わることになったが、小川を中心とする黒山と渋谷の争いは、山間のキャンプ場を訪れた2000余人の観客に、強く印象づけられたにちがいない。
小川 友幸(2位)
だめですね。調子は悪くはなかったんですが、結果的には、うまくいったのは2ラップ目だけで、1ラップ目と3ラップ目は悪すぎます。今日は健一が完璧でしたね。ミスもほとんどなかったし、ミスをしそうにも見えなかった。挽回を心がけはしましたが、2ラップ目の段階で、今日はむずかしいかなと冷静に作戦を組み立てもしました。しかし、勝てない相手ではないです。このままでは終わりません。
レース結果などの詳しい情報は、こちらでご覧いただけます。
JTR オフィシャルサイト |
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