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岩から岩への飛び移りをする優勝の小川
4年ぶりの表彰台の中央をゲットした小川
高い岩を上る小川
実戦を走るうち、小川はRTLとのマッチングに、確かな確証を持っていった
全日本トライアル選手権
関東・真壁
[2002.03.17]
JTRレースレポート 
第1戦 関東・真壁
2002年 3月17日開催  
天候:晴れ 気温:22℃ 観客:2,200人
小川友幸、Honda移籍第1戦を優勝で飾る!

藤波貴久(Honda)が前半戦を欠場する今年の全日本選手権だが、今年からHondaに移籍した小川友幸(Honda)が、田中太一(GasGas)、成田匠(Yamaha)との三つどもえの戦いを制して、4年ぶり3度目の全日本選手権優勝を飾った。

今年の全日本選手権は、何人かのスターが不在でスタートした。今年から世界選手権に全戦参加する野崎史高(Yamaha)もそのひとりだが、しかしなんといっても、藤波貴久(Honda)が世界チャンピオンを目指し、世界選手権に専念するのが大きなニュースである。

しかし日本のエース藤波を欠いた全日本だったが、会場は大いに盛り上がることとなった。トップを争う3人のライダーの緊張感あふれる戦いが、最後の最後まで続いたからだ。

去年おととしと藤波の最大のライバルとして全日本選手権を盛り上げた黒山健一(Beta)は“簡単で神経戦”と誰もが評する今回のセクションで、トップにとってはクリーンして当然の第6セクションまでに5点減点を叩いてしまって失速気味。この日の黒山は、ニューマシンとのマッチングの問題なのか、突然緊張の糸が切れるような失敗が多かった。

黒山がふたつめの5点を喫した岩盤を登っていく第7セクションを、見事にクリーンしたのが小川友幸(Honda)、田中太一(GasGas)、成田匠(Yamaha)の3人だ。成田はここまでに2点の減点を喫したが、小川と田中はすべてクリーンでここに到着している。

その次の、2mを越えようという土の壁をやや斜めから越える第8セクション。今度は小川と田中が失敗する。成田はここを2点。成田匠が1点差でトップに出た。

小川は第9のビッグステアで失敗し、田中は最終12セクションのヒルクライムを登り切れない。1ラップ目が終わると、小川、田中、黒山はともに減点10で並んでいて、一方成田は減点4。この日のセクション設定だと、この差はかなり決定的なものに思えた。成田が優勝するとすれば、それは6年ぶりということになる。

2ラップ目、黒山の調子はおかしいままだ。ラップ序盤からぽろぽろと足を出し、さらに7、8と連続で5点となってしまう。ここへきて、この日の黒山の勝利はほとんど絶望的となってきた。

成田は、比較的簡単なはずの第4を失敗。小川、田中とのアドバンテージを、自ら1点に縮めてしまった。さらに9セクションの5点によって、逆に小川が成田に3点のリードを持ってトップに立つ。田中は、2ラップ目にも最終のヒルクライムを登れず、3位転落。ひとつの失敗によって、順位の変動がめまぐるしい。

そして最後の3ラップ目。黒山はだいぶ調子を取り戻してきたが、やや不運な5点もあって、優勝争いからは完全に脱落した。黒山が表彰台から滑り落ちるなんて、まだ世界選手権に本格的参戦を果たす前の時代までさかのぼらなければいけないほどだ。

小川を追う立場になった成田は、しかし第9でライン上の石が崩れてグリップを失い、大ステアを登れずに失敗。さらに最終ヒルクライムも失敗して、これだけで10点を失った。勝利をあきらめるには、充分以上の減点数だった。

成田が脱落して、残るは小川と田中の一騎打ち。このふたり、ともに今年チームとマシンを移籍したライダーで、かつては同じチームに所属する仲間だった。この戦いは、小川に軍配が上がった。田中は、最後の最後にはマシンのセッティングを変更してヒルクライムを克服したが、時すでに遅し。実戦でニューマシンとのマッチングを確認しなければいけないふたりだったが、まだデータの少ないGasGasに対して、豊富なデータのあるHondaに乗る小川の方が、体制的にやや有利といえたのかもしれない。

ここ数年、藤波と黒山の一騎打ちだった全日本選手権だが、藤波が日本を欠席したとたんに、小川、田中、成田といったライダーが頭角を現してくる。この3人は、ともに世界選手権の経験を持つライダーだ。田中は現役、小川と成田も、かつて世界選手権に参戦、上位入賞の経験がある。日本のトライアル界の、層の厚さの証明でもある。

全日本は、スター藤波貴久を欠いても、まったくその魅力にかげりはなかったのだった。

小川 友幸(優勝)
4年ぶりの優勝ですからとにかく嬉しいです。1ラップ目から接戦だったので、すごくプレッシャーがかかりました。今日はそのプレッシャーを良い方向へ向けることができたと思います。セクションの難易度が比較的優しかったので、勝負所が限られていました。特に最終ラップの最終セクションで「ここをクリーンすれば勝てる」と聞いた時は、特に緊張しましたね。藤波選手のいない全日本選手権ですが、この優勝をきっかけに良いシーズンにしようと思います。

レース結果などの詳しい情報は、こちらでご覧いただけます。
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