昨年のST600クラスチャンピオンに輝いたベテランライダー小西良輝(MuSASHi RTハルクプロ)の3年連続チャンピオンに期待が高まる中でシーズンがスタート。昨年までJSB1000クラスに参戦し、今シーズンからST600クラスにスイッチした手島雄介(TSR with ALT)が、シーズン序盤から快走を見せる展開となった。
開幕戦筑波で手島は、小西や岩田悟(TSR)らとトップグループを形成。14ラップ目で先頭を走る小西をかわして首位に立つと、そのままペースアップして後続を引き離し、Honda CBR6000RRを駆って初戦を見事に優勝で飾った。
第2戦鈴鹿はJSB1000クラスのみのレース開催となり、ST600を含む他のクラスは、レースカレンダー上の第3戦オートポリスがシーズン2戦目となった。ここで4番グリッドから決勝レースをスタートした手島は、7ラップ目にはトップを走るペレ・リバ(カワサキ)、2番手の岩田に迫り、12ラップ目以降はリバと抜きつ抜かれつの激しいバトルを繰り広げる。攻防は最終ラップまで続き、手島は粘り強い走りで第1ヘアピン手前の左コーナーでアウトからリバをパス。トップを奪回して、2戦連続で優勝を果たした。
手島は、第4戦SUGOで3位、第5戦岡山は2位と4戦連続で表彰台に上ると、第6戦もてぎでも5位に入り着実にポイントを伸ばし、2位の小西に19.6ポイント差をつけて、チャンピオンに王手をかけた。最終戦鈴鹿は、2ラップ目にディフェンディングチャンピオンの小西が痛恨の転倒を喫してリタイアとなり、手島が年間チャンピオンの栄誉に輝いた。
V3を目指していた小西は、第4戦、5戦と連続優勝を果たすも、転倒などがシリーズランキングに影響して総合5位でシーズンを終えた。小林龍太(MuSASHi RTハルクプロ)が第3戦と第5戦で3位、岩田が開幕戦と最終戦で2位に入り、若手ライダーたちも来季を期待させる成績を残した。