IA2クラスも、IA1と同じく20分+1周に短縮。ヒート1では、ランキングトップの渡辺祐介(ヤマハ)に2点差の2位で今大会を迎えた古賀太基(N.R.T.)が、ホールショットを奪いました。スポット参戦したジェレミー・マーティン(GEICO HONDA)が古賀に続くと、2周目にマーティンが古賀を抜いてトップへ浮上。3周目以降、古賀はマーティンを3秒ほどの差でマークし続けました。
レースが中盤に入っても、マーティンと古賀は3番手以下を大きく引き離しながらトップ争いを続けます。しかし、バックマーカーが大量に発生し始めた7周目、古賀はこれを処理しようとして転倒し、渡辺の先行を許しました。これでマーティンは独走状態となり、古賀は僅差で渡辺をマーク。ところがラスト3周の13周目、またも転倒を喫して後退し、20位に終わりました。なおマーティンは独走を続けて、実力通りに勝利を収めました。
続くヒート2では、マーティンが1周目をトップでクリア。内田篤基(スズキ)を挟み、横澤拓夢(N.R.T.)と古賀が続きました。2周目、マーティンは7秒近くまでリードを拡大。横澤が2番手に浮上し、3番手に下がった内田の背後には古賀が迫りました。4周目から5周目にかけ、横澤はトップを守るマーティンとの差を詰めていきます。5周目の段階ではマーティンとは約4秒、古賀とは約6秒の差となっていました。
7周目、マーティンが転倒を喫し、古賀と横澤が抜いたことから、トップ争いは古賀と横澤に絞られたかに見えました。しかし、マーティンは追い上げると再び、横澤と6秒差になるまで接近。残り4周となった12周目、横澤が古賀を抜いてトップに立ち、マーティンがこの2台に迫ったことから、三つ巴の優勝争いになりました。そして、次周に横澤がミスで3番手に後退し、古賀が終盤にリードを拡大したことで、古賀が優勝、マーティンが2位、横澤が3位で、Honda勢が表彰台を独占しました。
ジェレミー・マーティン(IA2 優勝/2位)
「今回のコースは僕のモトクロス人生で最もマディなコンディションでした。不平を言っているんじゃなくて、日本に着いた日からずっと雨続きだったので、“しょうがない”と受け止めるしかなかったんです。できれば天候に恵まれたレースで、もっと速いところを見せたかったです。ヒート1は順調にトップに立ってからは、ミスをしないように心がけました。1秒差で勝っても1マイル差で勝っても、同じ勝ちです。僕はそういう考え方でモトクロスに取り組んでいるので。ヒート2では、前後輪を別々のわだちに入れてしまうクロスラットや転倒などがあって、ゴーグルが曇ってからは強引なペースで走るのが難しくなりました。でもHondaのライダーで1-2-3フィニッシュができたので、悪くなかったと思います。僕が乗ったニューマシンはとてもすばらしく、こんなにひどい路面状況でも楽に走れました。自分にとっては強力な武器ですが、そのアドバンテージを独占せずに、ほかのライダーにもおすすめしたい気持ちです」
横澤拓夢(IA2 4位/3位)
「今年最後のレースで、ようやくシーズン初の表彰台に上がれました。シーズンオフには、Hondaさんに米国合宿へ連れて行ってもらい、そこではすごく調子がよく、周囲だけでなく自分自身でも、今年の活躍を期待していました。ところが、日本へ帰ってきてから腰をケガしてしまい、前半戦は痛みを抱えたまま走ることに。ようやく治ってきて、復帰戦のつもりで挑んだ第5戦で再び鎖骨などを負傷し、なかなか上を目指せずにいました。本当に悔しく、つらいシーズンでした。これまで大きなケガを抱えながら戦ってきたことがなかったので、モトクロスにケガはつきものとはいえなるべく避けて、コンディションがいい状態を保つことも大切だと学んだシーズンでした」
古賀太基(IA2 20位/優勝)
「ヒート1は、トップのマーティン選手を追っていて転倒しましたが、復帰したときには渡辺(祐介)選手がすぐ前に見えていたので、チャンスは十分にあると思い、渡辺選手だけにフォーカスして走っていました。そして、渡辺選手がミスしたことでパスするチャンスが生まれたのですが、自分のライン取りが悪かったこともあり接触転倒。運悪く、転んだのが再スタートしづらい場所で、その後は焦りでうまく走れず、20位に終わりました。これで、チャンピオンの可能性はほとんどない状況となり、ヒート2は優勝だけを目指して走りました。マーティン選手と横澤選手とのバトルになり、チームメートの横澤選手にだけは負けたくないと思って全力で走ったら、マーティン選手にも勝ってしまいました」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 16 | 22'01.194 |
2 | 31 | 渡辺祐介 | ヤマハ | 16 | +00'27.229 |
3 | 17 | 安原志 | カワサキ | 16 | +01'00.210 |
4 | 35 | 横澤拓夢 | ![]() | 16 | +01'06.410 |
5 | 48 | 鳥谷部晃太 | ヤマハ | 16 | +01'37.465 |
6 | 56 | 菅谷崚介 | カワサキ | 15 | +1Lap |
7 | 38 | 池本凌汰 | スズキ | 15 | +1Lap |
8 | 43 | 内田篤基 | スズキ | 15 | +1Lap |
9 | 57 | 大木汰一 | カワサキ | 15 | +1Lap |
10 | 52 | 平山力 | カワサキ | 15 | +1Lap |
20 | 922 | 古賀太基 | ![]() | 15 | +1Lap |
21 | 912 | 小川孝平 | ![]() | 15 | +1Lap |
26 | 555 | ジャクリット・スクスリパイサン | ![]() | 14 | +2Laps |
RT | 08 | 下村里駆 | ![]() | 9 | DNF |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 922 | 古賀太基 | ![]() | 15 | 22'15.026 |
2 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 15 | +00'02.461 |
3 | 35 | 横澤拓夢 | ![]() | 15 | +00'12.899 |
4 | 17 | 安原志 | カワサキ | 15 | +01'07.060 |
5 | 48 | 鳥谷部晃太 | ヤマハ | 15 | +01'09.520 |
6 | 43 | 内田篤基 | スズキ | 15 | +01'11.913 |
7 | 57 | 大木汰一 | カワサキ | 15 | +01'13.774 |
8 | 31 | 渡辺祐介 | ヤマハ | 15 | +01'16.718 |
9 | 56 | 菅谷崚介 | カワサキ | 15 | +01'17.196 |
10 | 07 | 町田旺郷 | ヤマハ | 15 | +01'35.807 |
16 | 912 | 小川孝平 | ![]() | 14 | +1Lap |
25 | 555 | ジャクリット・スクスリパイサン | ![]() | 12 | +3Laps |
26 | 08 | 下村里駆 | ![]() | 12 | +3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 31 | 渡辺祐介 | ヤマハ | 361 | |
2 | 922 | 古賀太基 | ![]() | 350 | |
3 | 912 | 小川孝平 | ![]() | 292 | |
4 | 30 | 岡野聖 | ヤマハ | 288 | |
5 | 17 | 安原志 | カワサキ | 251 | |
6 | 35 | 横澤拓夢 | ![]() | 211 | |
7 | 40 | 道脇右京 | ![]() | 188 | |
8 | 42 | 北原岳哲 | カワサキ | 184 | |
9 | 38 | 池本凌汰 | スズキ | 176 | |
10 | 777 | H.ナイト | KTM | 133 | |
16 | 02 | 大城魁之輔 | ![]() | 90 | |
19 | 888 | 勝谷武史 | ![]() | 75 | |
24 | 54 | 高輪喜樹 | ![]() | 51 | |
26 | 39 | 森優介 | ![]() | 47 | |
28 | 41 | 鈴村英喜 | ![]() | 45 | |
37 | 08 | 下村里駆 | ![]() | 25 | |
39 | 55 | 近藤祐介 | ![]() | 10 | |
42 | 952 | 石浦諒 | ![]() | 8 |