4度目のポール・ポジション(PP)を狙うエリオ・カストロネベスは、現役で唯一2回以上(2003、07、09)PPを獲得しているドライバーです。過去最多PPはリック・メアーズの6回(1979、82、86、88-89、91)、次はレックス・メイズ(1935-36、40、48)とA.J.フォイト(1965、69、74-75)の4回で、カストロネベスが今年PPに輝けば史上4人目の快挙となります。
昨年3度目のPPを取ったカストロネベスは、3回以上PPを獲得したドライバーの中で史上8人目でした。今年のエントリーの中でカストロネベス以外のPP経験者はブルーノ・ジュンケイラ(2002)、トニー・カナーン(2005)、スコット・ディクソン(2008)で1回ずつ。この3人の中で誰かが取れば、18人目の“2回以上PPを獲得したドライバー”となります。
5人の女性ドライバーが予選に挑むのは、史上初めてのこと。今年で9度目のチャレンジとなるサラ・フィッシャー(2000-04、07-09)を筆頭に、6度目のダニカ・パトリック(2005-09)、4度目のミルカ・デュノーに加え、21歳のシモーナ・デ・シルベストロと25歳のアナ・ベアトリスのふたりがルーキーとして予選にチャレンジします。ぜひ全員が決勝に進出して欲しいですね。
初の女性ドライバーであるジャネット・ガスリー(1977-79)、90年代のリン・セント・ジェームス(1992-97)を含め、過去に参戦した女性ドライバーは5人。そのうちもっとも速い予選スピードを記録しているのは2002年のフィッシャーで、1周の平均速度記録は229.675mph(約370キロ)、4周の予選では平均229.439mph(約369キロ)をマークしています! 史上最も上位のグリッドを獲得したのは2005年のパトリックで、2列目の4番グリッドからスタートしました。
6番グリッド以上で、日本人の予選最高位が更新されます。1991年にアジア人ドライバーとして初めてインディ500に参戦したヒロ松下以来、松田秀士、服部茂章、中野信治、高木虎之介、ロジャー安川、松浦孝亮、武藤英紀と過去8人の日本人ドライバーが決勝へ進出。2003年の高木と、2006年の松浦がこれまでの最高位となる7番グリッドからスタートしました。3度目の武藤とルーキーの佐藤琢磨、新記録達成となるでしょうか?
9台で争われる予選初日最後の90分が、今年のクォリファイのハイライトとなるでしょう。昨年までの4日間の予選から、今年は2日でスターティング・グリッドを確定することになりました。これまでどおり初日はポール・ポジション(PP)を決める“ポール・デー”であることに変わりはなく、5月22日は11時から16時の間に24位までを決め、16時30分から18時までの90分で上位9台によるPPを含めたトップ9のグリッドが決まることになるのです。
PPは昨年から7万5000ドルもアップした17万5000ドルの賞金が手に入り、予選2位は7万5000ドル、予選3位でも5万ドルの賞金が出ます。さらにPPの15ポイント・ボーナスを最高に、全員がポイントを獲得。これはシリーズを戦う上でとても重要です。5月23日の“バンプ・デー”は12時から残りの25〜33番グリッドを決め、続いて一番遅いマシンから次々にバンプ・アウトされるお馴染みのシーンが18時まで展開。予選方式が変わった今年は、今までにない新しいドラマが予選で期待できそうです。
15年前の1995年はHondaが初めてインディ500の決勝に進出した年で、今年15周年を迎えました。Hondaのインディ参戦は1964年に本田宗一郎がインディ500を視察した当時から計画されていましたが、実際に参戦を開始したのは30年後の1994年。参戦までの経緯をまとめた1993年のレポートや、残念ながら決勝へ進出することが叶わなかった1994年、インディ500で初めてのスターティング・グリッドがフロント・ロー(最前列)となった1995年のレポートなど、この機会にぜひご覧ください。
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Course History in CART 第1章「宣言」〜1993年 »
Course History in CART 第2章「屈辱」〜1994年 »
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