Round 16ロシアロシアGP

現場レポート

2018.MM.DD(火)

2018 ロシアGP 現場レポート

第16戦 ロシアGP 現場レポート

日本GPを翌週に控えたロシアGPに、Red Bull Toro Rosso Hondaは新たな仕様のPUを投入した。この新PUは、HRD Sakuraで継続的に行われている開発の成果であり、ICEの燃焼系の改良等によるパワーの向上に加え、その他のコンポーネントでも信頼性の観点での性能向上を図ったものである。今回のロシアGPではPUの規定使用数を超えるため、投入に際してはペナルティーを受けることになるが、鈴鹿ではペナルティーを受けずに使用ができる見込みだ。

大会初日、プラクティス1とプラクティス2が行われ、新PUは手応えを実感できるパフォーマンスを見せた。Honda F1テクニカルディレクターの田辺豊治は「実際のトラックを走る中でセッティングを進めました。一部最適化を要する部分はありましたが、トータルではポジティブな結果を得られた一日だったと感じています」とコメント。プラクティス2で8番手となったピエール・ガスリーも「新しくアップグレードしたエンジンに対しても、手応えを感じることができました」とコメントしている。

2日目、Hondaは、2台のPUを新バージョンから以前の仕様のものに交換した。これについて田辺は「昨日の走行の中で、新スペックのPUのパフォーマンスについていい手応えを得ることができました。一方で、実戦投入に向けてはPU のマッピングや車体とのマッチングなど、まだいくつか調整を必要とする部分を確認したため、予選と決勝には使用せず、前戦までのスペックに戻す決定をしました」と説明。チームのメカニックとエンジニアは非常に忙しい作業に追われたが、チーム、ドライバーも、この決定を支持し、混乱もなくスムーズに作業をこなした。

残念ながら、決勝レースでは想定外のブレーキのトラブルが2台に発生し、レース序盤にリタイアとなってしまった。前戦シンガポールGPで苦しんだシャシーのバランスが改善されてきただけに、その成果を確認できなかったことは残念な結果だったが、Hondaだけではなく、ドライバーもチームも、すでに鈴鹿での戦いを見据えている。チーム代表のフランツ・トストは「とても悔しい結果になってしまいましたが、このレースウイークでのポジティブな面は、Hondaの新しくアップグレードされたPUですばらしい進化を見られたことです。気持ちを切り替え、鈴鹿でのレースがいい一戦となるよう、チーム一丸となり万全に準備していきたいと思います」とコメント。田辺も「鈴鹿では新しいPUのポテンシャルを最大限に引き出し、応援いただく日本のファンの皆さまにいいパフォーマンスをお見せしたいと思います」と語った。

Hondaにとって、今週行われる鈴鹿での日本GPは特別なグランプリである。今年は30回記念大会ということで名称も「Honda Japanese Grand Prix」となった。Red Bull Toro Rosso Hondaは、「いざ、鈴鹿!」という強い思いとともに、新PU投入の準備に万全を期し、日本GPでの戦いに挑む。

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