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July 5 2015, RACE 2015 Formula 1 British Grand Prix
イギリスGP
2015年7月5日(日)・決勝 会場:シルバーストン・サーキット 全長:5.891km
フェルナンド・アロンソは本日のレースで、彼の言葉を借りて言えば、「これから多くのポイントを稼ぐことになるMcLaren-Honda」で初めてのポイントを獲得しました。アロンソは、良いタイミングで、復活を遂げることになりました。1周目において、アロンソは前方で発生したアクシデントを回避しようとしてスピンを喫し、横を走っていたチームメートのジェンソン・バトンのマシンに衝突。それによって、マシンのフロントウイングに損傷を受け、新品のノーズボックスに交換するためにピットストップを余儀なくされました。
その後、必死にプッシュし続けたアロンソは、雨が降り始めるとすぐに、雨用のインターミディエイトタイヤに早々に履き替えるという賭けに出て、ポジションを10番手に上げることに成功。その後、雨がいったん止んで再び降り出したことで、アロンソのすぐ後ろを走っていたザウバーのマーカス・エリクソン選手がインターミディエイトからオプション、その後またインターミディエイトに戻すという複数のタイヤ交換を行うなか、アロンソはタイヤの磨耗によってグリップ力を徐々に失いながらも、ポジションを死守しました。
一方、バトンのホームレースは、非常に残念な結果となりました。アロンソとの接触によって、マシンが地面から持ち上げられる形となり、マシンのスイッチが切れたため、1周目にしてリタイアとなりました。天候がころころ変わるなかでのレースは、バトンの強みを発揮する絶好のチャンスでしたが、その場でレースを終えることになりました。
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 1:31'27.729 |
2 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | +10.956 |
3 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | +25.443 |
4 | フェリペ・マッサ | Williams | +36.839 |
5 | バルテッリ・ボッタス | Williams | +63.194 |
6 | ダニール・クビアト | Red Bull | +63.955 |
7 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | +78.744 |
8 | キミ・ライコネン | Ferrari | +1Lap |
9 | セルジオ・ペレス | Force India | +1Lap |
10 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | +1Lap |
11 | マーカス・エリクソン | Sauber | +1Lap |
12 | ロベルト・メリ | Marussia | +3Laps |
13 | ウィル・スティーブンス | Marussia | +3Laps |
RT | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | DNF |
RT | ダニエル・リカルド | Red Bull | DNF |
RT | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | DNF |
RT | ロマン・グロージャン | Lotus | DNF |
RT | パストール・マルドナド | Lotus | DNF |
RT | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | DNF |
RT | フェリペ・ナスル | Sauber | DNS |
ドライバー
順位 | ドライバー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 194 |
2 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 177 |
3 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 135 |
4 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 77 |
5 | キミ・ライコネン | Ferrari | 76 |
6 | フェリペ・マッサ | Williams | 74 |
7 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 36 |
8 | ダニール・クビアト | Red Bull | 27 |
9 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 24 |
10 | ロマン・グロージャン | Lotus | 17 |
11 | フェリペ・ナスル | Sauber | 16 |
12 | セルジオ・ペレス | Force India | 15 |
13 | パストール・マルドナド | Lotus | 12 |
14 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | 10 |
15 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | 9 |
16 | マーカス・エリクソン | Sauber | 5 |
17 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 4 |
18 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 1 |
19 | ロベルト・メリ | Marussia | 0 |
20 | ウィル・スティーブンス | Marussia | 0 |
コンストラクター
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Mercedes | 371 |
2 | Ferrari | 211 |
3 | Williams | 151 |
4 | Red Bull | 63 |
5 | Force India | 39 |
6 | Lotus | 29 |
7 | Sauber | 21 |
8 | Toro Rosso | 19 |
9 | McLaren | 5 |
10 | Marussia | 0 |
フェルナンド・アロンソ
MP4-30-01
スタート 17番手
レース結果 10位
ファステストラップ 1分38.883秒 30周目 (トップとの差 +1.790s、12番手)
ピットストップ 3回:1周目(ピットストップ時間 33.66秒+ノーズボックス交換)、17周目(ピットストップ時間 2.52秒)および37周目(ピットストップ時間 6.66秒)[オプション→プライム→オプション→インターミディエイト]
「10位というポジションは、ベストな結果ではありませんが、チームのみんなのモチベーションを上げることにつながります。今はチームの全員が本当に集中しながら仕事をこなしており、マシンの改善に日夜励んでいます。これが長期的なプロジェクトであることは我々全員が理解しており、魔法のような解決策はありません。ただ、そんな状況下であっても、まずまずの結果を出したり、少しでもポイントを稼ぐことは、常に大切です。
スタートは信じられない状況でした。3コーナーに差し掛かったときには、前方にいた複数のマシンが絡み合って、ひどい状態になっていました。ロータスチームの2人のドライバーがアグレッシブにいき過ぎたことで両マシンが接触し、それを避けようとした私は半分スピンしてしまい、ジェンソンのマシンにぶつかりました。今日はリタイアするマシンがたくさんいた上に、常識的な走りがサーキット上であまり見られなかったように思います。
それでも、我々が前進していることは事実ですし、今日は士気を高める良い一日となりました」
ジェンソン・バトン
MP4-30-04
スタート 18番手
レース結果 DNF(1周目でアクシデントに巻き込まれリタイア)
ファステストラップ -
ピットストップ -
「1周目を走行中に、3コーナーのエイペックス(コーナー内側の頂点)の部分で前方のマシン2台が衝突し、それを避けるためにフェルナンドが右側に移動しようとしたところ、彼のマシンの後端が横に流れ、私のマシンの後輪を挟む格好になりました。その衝突によって私のマシンが持ち上げられて、マシンのスイッチが切れて、エンジンが停止してしまったので、リタイアするしかありませんでした。
後方からスタートする場合、マシン間の終速度が格段に上がるため、よりアクシデントが起こりやすい状況が生まれるのです。
最後になりますが、ここシルバーストンを訪れた観客の皆さんのサポートは、今週末をとおして、すばらしいものがありました。今日、私のレースが終わった後も、温かく拍手で迎えてくれました。シルバーストンの雰囲気は本当にすばらしく、非常に特別なものを感じます。そんな観客の皆さんのために、今日、もっと良い走りができなかったことがとても残念です」
エリック・ブーリエ|McLaren-Honda Racing Director
「今日、フェルナンドが10位に入り、2015年ワールドチャンピオンシップのポイント獲得に向けてスタートを切れたことは非常に喜ばしいことですが、まだ祝杯を上げるような結果ではありません。
ただ、レースペースはまだ十分ではないものの、信頼性に関するトラブルもなく、彼のマシンがレースを走り切ったことは、励みになります。フェルナンドは一度もあきらめることがなかったですし、今日、獲得したワールドチャンピオンシップポイントは、彼の懸命な努力のたまものです。
今日は、普段、ジェンソンが得意とする変わりやすい天候のなか、1周目にしてリタイアを余儀なくされました。彼のミスでもフェルナンドのミスでもなかったので、非常に不運な結果でした。2人が衝突したアクシデントは、レースではよくあることです。両ドライバーのすぐ前方にいた他チームのドライバー達がポジション争いのために無理に押し進んだために、回避できない連鎖反応が起きて接触してしまいました。その結果、ジェンソンはまたもや、母国グランプリで良い走りを披露することができず、非常に残念な結果となりました。
ただ、例年通り、シルバーストンの観客の皆さんは本当にすばらしかったです。14万人もの非常に知識のあるF1ファンの方々が、声が枯れるまで応援して下さるなか、地元のヒーローであり、元マクラーレンチームのドライバーであるハミルトン選手が今日のレースで勝利を収め、その雰囲気にふさわしい結果となりました。
イギリスのF1ファンの皆さんは世界で最も誠実で、熱狂的でもあります。そんなファンの方々が、我々がたとえ苦しい状況にあっても、いつも変わらずサポートして下さっていることに心を打たれています。来シーズンはここシルバーストンで、誠実にサポートして下さる皆さんを熱狂の渦に巻き込むような走りをしたいと思います。そのことを、McLaren-Hondaチームを代表して、ここで宣言します」
新井康久|株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「チームのすばらしいレース運営によって、フェルナンドがポイントを取れたことは大変良かったと思います。
スタート直後のアクシデントで、ジェンソンはリタイアすることになってしまい、2台揃っての完走ができず、引き続き課題が残りました。予選からレース全体を通して、パワーユニットのエネルギーマネージメントはほぼ最適な設定になっており、次のレースに向けて方向性が確認できたと思います。
次は中低速主体のコースなので、さらなるエネルギーマネージメントが重要となってきます。今日得られたデータを整理してハンガロリンクに望みたいと思います」