April 12 2015, RACE 2015 Formula 1 Chinese Grand Prix
中国GP
2015年4月12日(日)・決勝 会場:上海国際サーキット 全長:5.451km
McLaren-Honda(マクラーレン・ホンダ)は、フェルナンド・アロンソが12位、ジェンソン・バトンが14位という結果で第3戦中国GPを無事完走しました。
両ドライバーはオプション(ソフト側)タイヤでスタートし、その後、内容の異なる2ストップ戦略を選択。アロンソは最初のピットストップでプライム(ハード側)タイヤに交換したことでマシンがオーバーステアになりましたが、2回目のピットストップではオプションタイヤに履き替え、最後まで走りきりました。(リアウイングについていたゴミをとるために)予定より長いピットストップになったものの、ソフトタイヤを装着したことで前方のマシンを追い上げることに成功しました。
バトンは最初のピットストップで2セット目のオプションタイヤに履き替え、最終的にプライムタイヤでレースを終えるまでは中位陣と同等のタイムで競争力のある走りをみせました。バトンはプライムタイヤではリアのグリップ力が得られず、後方にいたロータスのパストール・マルドナド選手のすぐ手前までポジションを落としてしまいましたが、同選手とは何周にも渡って果敢なバトルを繰り広げました。
レース終盤には、バトンとパストール選手が抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開しましたが、その後、1コーナーに高速で進入する際に両マシンが接触しました。パストール選手のマシンが押されてスピンし、両マシンがぶつかったことにより、バトンのマシンの右フロントウイングのエンドプレートが破損しました。バトンのマシンのバランス自体はそれほど悪くなかったため、その後も走り続け、13位でレースを終えました。ただ、その後、バトンはパストール選手と接触したことで5秒のペナルティを科せられ、それによって順位を1つ落とすことになりました。
バトンがパストール選手と接触したことにより、すぐ後ろを走行していたアロンソはクリアな状態で両マシンを追い越すことに成功し、レース終盤に導入されたセーフティカーの後方を各マシンが追従するなか、12位でレースを終えました。
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 1:39'42.0 |
2 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | +0.714 |
3 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | +2.988 |
4 | キミ・ライコネン | Ferrari | +3.835 |
5 | フェリペ・マッサ | Williams | +8.544 |
6 | バルテッリ・ボッタス | Williams | +9.885 |
7 | ロマン・グロージャン | Lotus | +19.008 |
8 | フェリペ・ナスル | Sauber | +22.625 |
9 | ダニエル・リカルド | Red Bull | +32.117 |
10 | マーカス・エリクソン | Sauber | +1Lap |
11 | セルジオ・ペレス | Force India | +1Lap |
12 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | +1Lap |
13 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | +1Lap |
14 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | +1Lap |
15 | ウィル・スティーブンス | Marussia | +2Laps |
16 | ロベルト・メリ | Marussia | +2Laps |
17 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | DNF |
RT | パストール・マルドナド | Lotus | DNF |
RT | ダニール・クビアト | Red Bull | DNF |
RT | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | DNF |
ドライバー
順位 | ドライバー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 68 |
2 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 55 |
3 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 51 |
4 | フェリペ・マッサ | Williams | 30 |
5 | キミ・ライコネン | Ferrari | 24 |
6 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 18 |
7 | フェリペ・ナスル | Sauber | 14 |
8 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 11 |
9 | ロマン・グロージャン | Lotus | 6 |
10 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 6 |
11 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | 6 |
12 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | 6 |
13 | マーカス・エリクソン | Sauber | 5 |
14 | ダニール・クビアト | Red Bull | 2 |
15 | セルジオ・ペレス | Force India | 1 |
16 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 0 |
17 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 0 |
18 | ロベルト・メリ | Marussia | 0 |
19 | ウィル・スティーブンス | Marussia | 0 |
コンストラクター
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Mercedes | 119 |
2 | Ferrari | 79 |
3 | Williams | 48 |
4 | Sauber | 19 |
5 | Red Bull | 13 |
6 | Toro Rosso | 12 |
7 | Force India | 7 |
8 | Lotus | 6 |
9 | McLaren | 0 |
10 | Marussia | 0 |
フェルナンド・アロンソ
スタート:18番手
レース結果:12位
ファステストラップ:1分43秒728(40周目、13番手)
ピットストップ:2回(オプション→プライム→オプション)
(1)12周目/ピットストップ時間3秒34 (2)35周目/ピットストップ時間3秒58
「今日は我々にとって難しいレースでした。最初は競争力があまりなく、その後、マシンの空力性能に少し問題が発生したことで、レース中盤ではペースが落ちてしまいました。ただ、レース終盤ではオプションタイヤで多少プッシュすることができました。このマシンの実力を最大限に引き出すには、同マシンについてさらに多くのことを学ぶ必要があります。ただ、今日のレースはマシンに対する理解をさらに深めるうえで、とても有効な時間となりました。また、私自身にとっても今日のレースは有意義なものとなりました。ウインターテストで私が最も長く走った距離はたった12周です。マレーシア戦では22周しか走れませんでしたが、ここ中国では完走することができました。これは前進です」
ジェンソン・バトン
スタート:17番手
レース結果:14位(13位でフィニッシュしたが、レース後に5秒追加のペナルティを受ける)
ファステストラップ:1分44秒991(21周目、16番手)
ピットストップ:2回(オプション→オプション→プライム)
(1)14周目/ピットストップ時間3秒45 (2)32周目/ピットストップ時間3秒47
「今日はそれほど調子は悪くなかったです。残念ながら我々はまだ後方でしか争えていませんが、進化しつつあることを確認できるのはうれしいことです。オプションタイヤで走行したミドルスティントはそれほど悪くなかったですし、オプションタイヤでのペースはかなり良かったと思います。ただ、プライムタイヤはレース終盤では少し扱いが難しかったです。ブルーフラッグが出ていたり、トラフィックに引っかかって自分のペースで走れなかったことが主な理由ですが、それによってレース中盤にはタイヤの温度がかなり低下し、難しい状況でした。パストール選手との接触については、イン側にまだスペースがあると思っていました。接触は誰もが避けたいと思っているものですが、判断を誤ったということだと思います。バーレーン戦ではさらなる前進を期待しています。バーレーンのサーキットは我々のマシンにはあまり合っていないという状況はありますが、ヨーロッパ方面に移動することでチームにとって状況が少しでも好転することを期待しています。今はかなり後方にとどまっているので、レース毎に改善する必要があります」
エリック・ブーリエ|McLaren-Honda Racing Director
「まず、今日はレース中に何のトラブルもなく、マシン2台ともが完走できたことは、チーム全体にとって本当にポジティブな結果です。これはHondaのこれまでの努力が報われたことを意味しますし、彼らにお祝いの言葉を述べたいと思います。今日、両マシンが完走できたのは、我々が懸命に取り組んできた結果です。これまではそれがなかなか報われない状況でしたが、ウォーキング、さくら、そしてミルトン・キーンズで働く皆さんの多大なる努力に対して、私から感謝の意を述べたいと思います。我々が着実に進歩し始めていることはすばらしいことです。また、我々のレースでのペースにもさらなる改善が見られました。ジェンソンはレース中盤で力強い走りを見せてくれましたし、フェルナンドもレース終盤では他チームに劣らない速いペースで走ることができました。そうは言っても、後方でしか戦えないというのは、我々が望むところではありません。まだポイント獲得のためにバトルをするレベルには至っていないことは承知していますが、我々は少しずつではあるものの前進しています。今後もレース毎に改善できるようにプッシュし続ける必要があります」
新井 康久|株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「今日の結果を見て、長いウインターテストが終わり、ようやくシーズン開始をちゃんと迎えられたような気がします。マシン2台ともが完走できたことは、最低限の目標達成と考えています。これから一戦一戦競争力をつけ、良い成績が得られるよう全力を尽くします。まだ小さな目標を達成したにすぎませんし、まだやるべきことがたくさんあることは理解しています。ただ、今日の結果はチーム全員の努力が報われたことを意味します。チーム全員の尽力に感謝します」