CIVIC WORLD

開発メカ裏話

開発メカ裏話〈5代目〉

時代が求める低燃費と走りの両立へ。

新たな“走りの喜び”を目指して生まれたシビック、その開発裏話をご紹介。

1991年発売の5代目シビックは、これまでにないスポーティーな乗り味を実現した。

そこには開発者の未来を先取りする熱い想いが込められていた。

小型車の基準となる

ニューベンチマーク・カー。

1980年後半、開発者たちは5代目シビックの開発に取りかかっていた。21世紀を見据え、シビックはどう進化するべきかを模索していた。「“改過自新(かいかじしん)”という言葉がある。意味は、過ちを改め自ら新たにすること。未来を先取りするために、私たちは柔軟な姿勢で他を圧倒するクルマづくりに挑んだ」と開発者は語っている。

誕生以来、シビックが牽引してきたワールド・ベーシックカーのあるべき姿を、新時代の要請に応え原点から見直していく。こうしたコンセプトのもと、これからの小型車の基本形となる『ニューベンチマーク・カー(=基準となるクルマ)』として、この5代目は開発された。

低燃費と走りを両立させるために、3つのVTECエンジンをつくりあげた。1つめが超リーンバーン低速休止のできるVTEC-E(UFEエンジン)、2つめがSOHCで吸気のみ可変するVTEC(ローコストEFIエンジン)、3つめがDOHC-VTEC(ハイパワーVTEC)である。また、新たに開発されたLアームフロントサスペンションが、かつてない鋭いハンドリングを実現した。

「サンバやカーニバルを現地ブラジルで体験した。その熱気を体感して生まれたのが、空力トップクラスで躍動感あふれるボディーデザインだった。インテリアはターゲットである若者の志向を捉え、ワンルーム&ツインゲートをテーマに開発していった」(開発者)。

1991年、5代目シビック(通称:スポーツシビック)発売。画期的なデザインと歴代シビックの中で最も優れた乗り味を実現し、2度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

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