CIVIC WORLD

開発メカ裏話

開発メカ裏話〈3代目〉

HondaならではのMM思想から誕生。

新たな“走りの喜び”を目指して生まれたシビック、その開発裏話をご紹介。

人間のためのクルマであることを宣言し、1983年、3代目シビックが発売された。

国内外で高く評価され、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

絶対に、

他とは違うクルマをつくる気概。

3代目の開発は、1981年からスタートした。人間のためのスペースを最大限広くするMM思想(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)がコンセプトだ。「コンセプトを立てたのは、このときが最初。純粋につくりたいクルマを追求していくスタイルの起点となった」(開発者)。

フロントには燃費向上のためボンネットを低くする、トーションバーFRサスペンションを採用した。リアはトレーリング式ビームサスペンション、これにより低ヒップポイントで俊敏な走りをつくり上げた。フルドア方式でビュレットフォルムの3ドアハッチバック、空力特性の良い樹脂ボディーでショートホイールベース&ワイドトレッドの2ドア、広々としたセダンの4ドアと5ドアシャトル、という具合に明快な個性を持った構成となった。

新しいエンジンには4連アルミシリンダー、BCトーチ、クロスフロー12バルブPGM-FI、燃費向上用ACGコントロール、3速ATオーバードライブ付ホンダマチックなどを搭載。インテリアはワイドフローインパネ、ポップアップベンチレーション、RRスライドシートなど快適な仕上がりとなった。

国内ではモータージャーナリストを集めて、北海道で大規模な試乗会を開催した。欧州では南フランスのペルピニャンで3週間におよぶ試乗会を行い、大きな反響を呼んだ。

1983年に発売された3代目(通称:ワンダーシビック)は国内外で高く評価され、自動車初のグッドデザイン大賞と、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。「他とは違うクルマをつくってやるという気概だけは、絶対に忘れなかった。多くの要求をやり遂げたので、受賞の知らせを聞いたときは感無量だった」(開発者)。 

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