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2003/08/21
小泉首相とチェコ共和国を訪問
ASIMOは8月16日から同月22日までチェコ共和国を訪れ、21日夜にはプラハで開かれた晩餐会に出席し、ロボット親善大使としての役目を見事に果たしました。他にも、国営放送の取材を受けたり、国立博物館で作家カレル・チャペック氏の銅像に献花したりと、さまざまな場面でその高い技術をアピールしました。
▌小泉首相といっしょに
今回ASIMOがチェコを訪れた目的のひとつは、チェコと日本のより深い親交に貢献することです。皆さんの期待に応えるため、1週間の滞在期間中、ASIMOは精力的に活動しました。
チェコに到着したASIMOはまず、Hondaの現地法人であるHCR(Honda・チェコ・リパブリック)を訪れデモンストレーションを行いました。その後プラハへ移動、シュピドラ・チェコ首相主催の晩餐会へ“ロボット親善大使”として小泉首相に随行です。晩餐会でASIMOは出席者へ向かってチェコ語で挨拶し、シャンパングラスを片手に乾杯の辞を述べました。「私はまだ子供だから、お酒は飲めません」というASIMOの言葉に思わず誰もが笑みをこぼし、拍手喝采でした。
▌“ロボット”生みの親
もうひとつ、ASIMOには大切な目的がありました。それはチェコを代表する作家、故カレル・チャペック氏に花をたむけるためです。チャペック氏は1920年に発表した戯曲の中で“ロボット”という造語を用いました。以来“ロボット”は世界的に知られるようになり、広く一般に使われる言葉となります。つまり彼は“ロボット”生みの親ともいえる存在なのです。プラハ国立博物館を訪れたASIMOは菊の花束を、今は亡きチャペック氏の代わりに館長へ贈りました。かつてはSF的な存在でしかなかった“ロボット”、いま彼がASIMOを見たらどんなに驚くことでしょう。国立博物館の荘厳な空気の中、大勢の来場者や取材陣に囲まれてデモンストレーションをしてみせるASIMOは、白く小さな体で大きな夢と未来を象徴しているかのようでした。
晩餐会での大役や国立博物館訪問など、ASIMOはチェコのマスコミに多数取り上げられました。テレビではASIMOの特集番組がチェコ国営放送で放映され、また様々な新聞で連日トップを飾り、各所で大きな話題を振りまきました。こうしてASIMOは、ロボット親善大使としての役目を立派に果たして帰国したのです。