「動かして」「止める」誘いを駆使し、見事にアワセが決まったら、あとはタチウオ特有のグイグイと力強い引きを楽しみながら、船内に釣ったタチウオを取り込む。
この時、必ず守りたいのが、海面まで上がったタチウオをサオで直接持ち上げて船内に入れるのではなく、リーダーまで引き上げたところで一度サオを置き、そこからリーダーを手で掴んでテンヤとタチウオを船内に取り込むようにすることだ。
タチウオの口は場所によって切れやすい。そのため、海面のタチウオをサオで持ち上げてそのまま取り込もうとすると、最悪の場合、タチウオが途中で外れて、その途端に重く大きなハリの付いたテンヤが船内に飛んでくる。これは非常に危険で、自分はもちろん、横で並んで釣っている人に大怪我をさせてしまう恐れがある。そこでリーダーを掴んでサオの反動が付かないようにする。
なお、タチウオはフッキングした直後や海面まで残り20mなど、巻き上げてくる途中で大きく暴れることがよくある。この時、巻き上げ速度が速すぎると口切れなどが起こってバラシしやすい。特に電動リールを使っている場合、大ものになるほど速すぎない一定速で焦らずに引き上げるように心がけよう。
釣ったタチウオは、エラの下をハサミで切ってしばらく血抜きして、早めに潮氷(氷に若干の海水を足したもの)を張ったクーラーに移しておけば、鮮度よく美味しい状態で持ち帰ることができる。刺身、塩焼き、ムニエルと、いろいろな調理法で楽しめるので、一日の釣果を振り返りながら舌鼓を打とう。