10月からFIA世界ツーリングカー選手権への参戦を開始したHonda Civic WTCCは、日本・中国・マカオの3戦に出場し、最終戦で3位表彰台を獲得する快挙を達成。来季からのフル参戦に向けて、期待のふくらむ内容でシーズンを終えました。

WTCCとは、四輪モータースポーツの中で、F1などと並び「世界選手権」タイトルが冠されたレースの一つであり、市販乗用車をレース用にチューニングアップしたマシンで争われる、世界最高峰のツーリングカーレースです。

参戦にあたってHondaは、新たなワークスチーム「Honda Racing Team JAS」を立ち上げ、欧州で発売されている「シビック」をベースにしたレース用マシンの開発を進めました。また、今季のレースドライバーには、F1やCARTでの経験豊富なティアゴ・モンテイロ選手を、マシンの開発ドライバーには、WTCCでのチャンピオン経験を持つガブリエーレ・タルクィーニ選手を起用しました。さらに、本田技術研究所 四輪R&Dセンターが、レース用に4気筒の1.6リッター直噴ターボガソリンエンジンを開発しました。

Honda Civic WTCCは、7月31日にイタリアのヴァレルンガ・サーキットでテスト走行に臨んだのを皮切りに、スロバキアやポルトガルなど欧州各地でテストを進め、10月のデビューに向けて、熟成が重ねられました。

そして、迎えたデビュー戦は、Hondaのホームコースの鈴鹿サーキット。予選で目標としていたQ1突破を果たすと、決勝では、レース1、レース2ともにポイントを獲得する順調な滑り出しをみせました。さらに、続く中国ラウンドでも上位陣に食らいつき完走。

今シーズンのハイライトとなったのが、最終戦のマカオラウンドでした。予選では、これまでの最高位となる5番手に入り、好調な仕上がりをアピールします。レース1では、序盤に3番手までポジションを上げてトップ争いに加わり、そのまま3位でゴール。Hondaとして、WTCCにおける初の表彰台を獲得しました。その勢いのまま臨んだレース2でも4位に入賞し、来季に向けて、いい形でシーズンを締めくくることができました。

2013年は、いよいよフル参戦となるHonda Civic WTCC。モンテイロ選手とタルクィーニ選手による2台体制で、WTCCの頂点を目指します。