モータースポーツ  > ロードレース世界選手権  > 第17戦 マレーシアGP  > プレビュー

MotoGP

Round

SCHEDULE

October 23/24/25 2015 MotoGP Shell Malaysia Motorcycle Grand Prix

マレーシアGP マレーシアGP

マレーシアGPプレビュー

日本GP、オーストラリアGPに続く3連戦最後の戦いとなる第17戦マレーシアGPが、10月23日(金)~25日(日)の3日間、クアラルンプール郊外のセパン・サーキットで開催されます。マレーシアGPは、1991年にシャーアラムでスタートしました。その後、ジョホールへと舞台を移し、99年からはクアラルンプール国際空港に近い、セパン・サーキットで開催されるようになりました。マレーシアGPは今年で25度目、セパンでは17度目の開催となります。

マレーシアGPプレビュー

セパン・サーキットは、一周5.543km。2本の長いストレートとバラエティーに富んだコーナーが組み合わさったレイアウトで、MotoGPマシンのテストに適していることから、ウインターテストの舞台として定着しました。マレーシアは熱帯地方であり気候が安定しているため、一年中走行することができます。チーム、選手にとって、シーズンを通して最もデータが豊富なサーキットであり、初日から高レベルの走りが披露されます。

3連戦最初の戦いとなった第15戦日本GPでは、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が今季初優勝を達成、第16戦オーストラリアGPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が今季5勝目を挙げました。今大会も、Repsol Honda Teamの両選手に優勝の期待が寄せられます。

前戦オーストラリアGPで今季8度目のポールポジション(PP)を獲得し、今季5勝目を挙げたマルケスが、今大会もPPと優勝を狙います。昨年の大会では、シーズン13度目のシーズン最多PP記録を樹立しました。この記録は、ミック・ドゥーハン(97年)とケーシー・ストーナー(2011年)がHondaマシンで記録したシーズン12度という最多記録をブレイクするもので、さらに、2年連続でサーキットベストタイムを更新。セパンで初めて2分を切る、1分59秒791のサーキットベストタイムをマークしました。今年はウインターテストでマークした1分58秒867の驚速タイムの再現と、マレーシアGP連覇が期待されます。

日本GPで今季初優勝を達成したペドロサも、セパンを得意とするだけに、シーズン2勝目に闘志を燃やしています。過去、セパンでは、125ccと250ccで優勝、MotoGPクラスでは、12年、13年と2年連続でマレーシアGPを制しています。昨年のウイナーであるマルケスとともに、Repsol Honda Teamには大会4連覇と、今季2度目となる1-2フィニッシュが期待されます。

カル・クラッチロー(LCR Honda)は、前戦オーストラリアGPでペドロサとし烈な5番手争いを繰り広げました。最終的に7位でフィニッシュしましたが、上り調子だけに、今大会はシーズン2度目の表彰台獲得が期待されます。スコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、第12戦イギリスGPで6位、第13戦サンマリノGPで3位になり、以後、第14戦アラゴンGP12位、第15戦日本GP11位、第16戦オーストラリアGP10位と、安定した走りを披露しています。今大会は、トップ10フィニッシュを目標に挑みます。

Hondaのオープン車「RC213V-RS」勢は、前戦オーストラリアGPで15位、今季2度目となるオープンカテゴリーでのトップフィニッシュを果たしたジャック・ミラー(LCR Honda)が、初のトップ10フィニッシュを目指します。ニッキー・ヘイデン(Aspar MotoGP Team)、ユージン・ラバティ(Aspar MotoGP Team)もベストリザルトを狙います。前戦オーストラリアGPで、カレル・アブラハム(AB Motoracing)の代役として出場したアンソニー・ウエストが、今大会も代役出場します。

Moto2クラスは、前戦オーストラリアGPで今季2勝目を挙げたことで、ケガで欠場したティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)を抜いて総合2位に浮上したアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)が、その勢いで3勝目を狙います。また、3連戦最初のレースとなった第15戦日本GPで、シーズン7勝目を挙げてタイトルを獲得したヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)は、前戦オーストラリアGPで7位に終わり、その雪辱に闘志を燃やしています。

今大会は、IDEMITSU Honda Team Asiaのアズラン・シャー・カマルザマンにとってのホームグランプリとなります。日本GPを表彰台にあと一歩の4位でフィニッシュしているだけに、今大会は初表彰台が期待されます。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)も、第13戦サンマリノGPで3位、前戦オーストラリアGPで4位と調子を上げているだけに、今季2度目の表彰台が期待されます。

Moto3クラスは、総合首位のダニー・ケント(LEOPARD Racing)がタイトル王手で今大会を迎えます。前戦オーストラリアGPでは、他車と接触して転倒リタイア。今大会は総合2位のミゲル・オリベイラ(KTM)に40点差で迎えますが、オリベイラが優勝した場合でも、5位以上でフィニッシュすればチャンピオンが決まります。

3連戦最初のレースとなった日本GPで転倒、左足を負傷して前戦オーストラリアGPをケガで欠場した尾野弘樹(LEOPARD Racing)が今大会復帰します。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合3位)
「オーストラリアで優勝して、マレーシアに向かっています。Hondaのためにもこの勢いを維持し、シーズンをいい位置で終えたいです。セパンではたくさんのテストをしてきました。楽しいサーキットで、僕たちのマシンと相性がいいです。いつものように最良のセットアップを見つけることがカギとなります。特にブレーキングが重要です。金曜日と土曜日に一生懸命取り組んで、レースに備えたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合5位)
「フィリップアイランドの結果には満足していますが、セパンでは、再び表彰台に上がれることを願っています。このサーキットは毎年テストを行っていてよく知っています。また、その暑い気候のため、体力が必要なサーキットです。高速コーナーと低速コーナー、ハードブレーキングポイント、ロングストレートなど、さまざまな要素が少しずつ存在します。そのため、日曜日に最良のチャンスをつかむためには、いいセットアップを見つけることが重要になります。いいレースになるよう願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「フィリップアイランドではいい走りができたので、セパンを楽しみにしています。フィリップアイランドでは、ダニとバトルできました。この3連戦は好きですが、いよいよ最後のレースになりました。開幕まで数日間、時間があるので、トレーニングを行いながら準備をしたいです。今大会もリアのグリップを必要とするサーキットなので、厳しい戦いが待ち受けていますが、がんばります」

スコット・レディング(MotoGP 総合13位)
「第16戦オーストラリアGPは11位でした。望んでいた結果ではありませんが、トップグループからそれほど離されなかったので、よかったと思います。レース内容にしても、第17戦マレーシアGPに向けていくつか好材料がありました。そしてセパンは、シーズン前にテストをしています。ここで、どこまで成長したかを知ることができますし、楽しみにしています。セパンは暑くて湿度も高いので、厳しいレースになります。今大会もトップ10を目指します」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合18位)
「フィリップアイランドでは、自分のスタイルを変更するために多くのことにトライしました。レース結果には満足しています。フィリップアイランドでは、コーナーの立ち上がりでよりアクセルを開けられるようにするため、乗車位置を考えながら走りました。それが新しい発見となったのですが、今大会では、それがよかったのかどうかの確認を楽しみにしています。セパンでは、開幕前に多くのテストをしました。そのときと今を比べて、どう変わったかを比較するのはとても興味深いことです。今大会がとても楽しみです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合19位)
「フィリップアイランドでは、初日からいい走りができました。しかし、その走りを予選につなげられず、決勝では、さらにいくつかの問題を抱えて悪い方へと進んでしまいました。しかし、次のマレーシアGPがすぐにあります。フィリップアイランドとセパンは、まるで違うキャラクターのサーキットですが、いいレースをしたいです。今回も決して楽観していませんが、いい結果を残せるよう全力で挑みます」

ユージン・ラバティ(MotoGP 総合21位)
「セパンは、自分が乗るRC213V-RSには厳しいコースかもしれません。しかし、好きなサーキットなので楽しみにしています。フィリップアイランドでは、マシンの状態が悪くなかったですし、いい結果を残せるのではと思っていただけに、残念でした。Hondaのマシンで戦うのはあと2戦。今回もチャンスがあると思いますし、いいレースができるよう期待しています」

アンソニー・ウエスト(MotoGP 代役出場)
「セパンでは、フィリップアイランドよりいい結果を残せると期待しています。フィリップアイランドは代役出場ではありましたが、ホームグランプリだったので、転ばずに完走しようと思いました。セパンでは、トニ・エリアス(YAMAHA FORWARD)や何人かのライダーに勝ちたいと思っています。マレーシアの環境は暑くて厳しいですが、暑さには強いので問題ありません。セパンでは、リアのグリップを改善できればと思います」

ヨハン・ザルコ(Moto2 1位)
「今大会はフィリップアイランドよりいい結果を残せるよう望んでいます。フィリップアイランドではフロントに安定性がなく、自信を持って戦えませんでした。しかし、セパンではフィリップアイランドのことは忘れ、再び、優勝するために戦いたいです。暑くて厳しいレースになりますが、そんなレースを楽しみたいです。フィリップアイランドのフラストレーションを発散したいです」

アレックス・リンス(Moto2 2位)
「今週は厳しいレースになると思いますが、前戦オーストラリアGPと同じように取り組んでいきたいです。シーズン序盤に比べて、これまで多くの経験を積んできました。シーズン前半は、金曜日から少しずつしか前進できませんでしたが、今はマシンに慣れて、金曜日からプッシュできるようになってきました。今大会もベストを尽くしたいです」

ティト・ラバト(Moto2 3位)
「前戦オーストラリアGPの初日に転倒したあと、ケガの状況を見て、一日でも早く回復するためには、レースを欠場して帰国するしかないと思いました。フィリップアイランドにおけるMotoGPの医師団とスタッフの敏速な検査と治療に、心から感謝しています。今は、最終戦バレンシアGPでの復帰と、その後に行われるMotoGPのテストに向けて準備したいです」

中上貴晶(Moto2 総合9位)
「第15戦日本GPは残念な結果でしたが、続くオーストラリアGPで4位に入ることができ、とてもよかったです。僕もチームもモチベーションが上がっています。これまでセパンでは、いい結果は残せていませんが、好きなサーキットです。今年はいい状態で大会を迎えられるので、第16戦オーストラリアGPに続き、いいレースにしたいです。セパンはタイヤに厳しいレースになると思うので、タイヤのマネージメントをしっかりしたいです」

ダニー・ケント(Moto3 総合1位)
「第17戦マレーシアGPをとても楽しみにしています。フィリップアイランドで行われた前戦オーストラリアGPは、ひどいリザルトに終わったので、その雪辱もあって、今はモチベーションがとても高いです。セパンはとても暑くて厳しいレースになりますが、新たなチャレンジに向けて気合が入っています。今はまだ、フィリップアイランドでの転倒の痛みがありますが、問題はありません。昨年は予選7番手、決勝4位だったので、今年もいいレースができると思います」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合3位)
「前戦オーストラリアGPは本当に残念でした。ケントとともに転倒してしまいました。結果、ポイントを獲得するチャンスを逃しました。今は、チャンピオンシップを総合2位で終えることに全力を尽くしたいです」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 総合5位)
「ツインリンクもてぎでシーズン、そしてキャリア2度目の優勝を達成し、いい気分で前戦オーストラリアGPを迎えましたが、ノーポイントに終わりました。ポイントランキングでは、ロマノ・フェナティ(KTM)に抜かれて総合5位に落ちました。シーズンはあと2戦。総合4位の座を取り戻すために全力を尽くします。今大会は、いいセットアップを見つけて、ベストリザルトを残したいです」

尾野弘樹(Moto3 総合22位)
「第15戦日本GPで転倒し、左足の甲にヒビが入ってしまったため、第16戦オーストラリアGPの欠場を決断しました。3連戦最後の第17戦マレーシアGPをいい状態で迎えるためでした。足は順調に回復しています。セパンは、アジア・ドリーム・カップで何度も走っていますし、金曜日からいい走りをしたいです。今季ベストを目指します」