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MotoGP

round 05

SCHEDULE

May 16 2014, PRACTICE MotoGP Monster Energy Grand Prix de France

フランスフランスGP

マルケスがトップタイム。開幕5連勝に向けて好スタートを切る

2014年5月16日(金)・1日目フリー走行  会場:ル・マン・サーキット  天候:晴れ  気温:20℃   コースコンディション:ドライ

第5戦フランスGPのフリー走行は、終日、青空が広がるすばらしい一日となりました。1回目のセッションが行われた午前は、気温12℃と低めでしたが、2回目となる午後のセッションでは20℃まで上がり、絶好のコンディションの中で走行が行われました。トップタイムをマークしたのは、開幕から4連勝中のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)で、両セッションを制し、開幕から5戦連続ポール・トゥ・ウインに向けて一歩前進しました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル

マルケスは、前戦スペインGPのあとに行われた公式テストで、大きな成果を出しています。そして、フランスGPのフリー走行でも「走り出しから好調でした」と語ったように、着実にタイムを更新。快調にラップを刻みました。午前の走行では、1分34秒台で周回を重ね、午後の走行では、1分33秒台へとアベレージを上げることに成功しました。昨年の大会ではポールポジション(PP)を獲得。今年は2年連続のPPが期待されます。

スペインGPを6位でフィニッシュし、今季初のポイントを獲得したアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)が、3番手と好調なスタートを切りました。午前の走行では5番手でしたが、午後の走行では、ソフトタイヤで1分34秒台のアベレージを刻みました。決勝に向けてタイヤの選択が決まったというバウティスタ。2日目は、さらにアベレージを上げる意気込みです。

スペインGP後の公式テストを終えて、右腕に異常を感じたことから、腕上がりの手術をしたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。トップのマルケスから1秒差以内に9台という接戦の中、5番手で初日を終えました。この日は、右腕の状態を確認しながらの一日となり、セッティングを変更せず、ロングランをこなしました。2日目の朝に痛みがなければ、本格的にコース攻略に集中することになります。昨年の大会では、MotoGPクラス8年目にしてル・マン・サーキットを制しました。連覇を狙うペドロサの、予選での走りが注目されます。

ペドロサ同様、スペインGPを終えて右腕の腕上がりの手術を行い、今大会に挑んだステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、手術の影響もなく、順調にメニューをこなしました。今大会は新しいセットアップにトライしています。初日の走行では、どのセットアップでいくかの結論は出ず、2日目に決めることになります。この日は、セッションのほとんどをハードタイヤで走行して6番手タイム。予選でのタイム短縮とポジションアップが期待されます。

Hondaの市販レーサー「RCV1000R」勢は、ニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が右手首に問題を抱えながらも14番手、青山博一(Drive M7 Aspar)が16番手、スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が17番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が18番手となりました。「RCV1000R」勢の2日目のタイム短縮とポジションアップに注目が集まります。

Moto2クラスは、前戦スペインGPと同様に大接戦。トップタイムをマークしたルイス・サロム(Pons HP 40)から、1秒差以内のマシンが18台となりました。その接戦の中で、総合首位のエステべ・ラバト(Marc VDS Racing Team)が2番手、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Pons HP 40)が3番手と続きました。総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)は8番手、2年連続PPを狙う中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は12番手、長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は2回目のセッションで転倒を喫し、33番手でした。

Moto3クラスは、アレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)がトップタイム、アレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が2番手と、Honda勢が好調なスタートを切りました。今大会のフリー走行は、今季一番の接戦となり、トップから1秒差以内に19台という激しい戦いになりました。その中で、ジョン・マクフィー(SaxoPrint-RTG)が7番手、アレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)が11番手、総合3位につけるエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)が12番手。Honda勢の2日目のタイム短縮とポジションアップが期待されます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 1番手)
「今日はヘレスと同じセットアップで走り出しましたが、最初から快適でした。午後はタイヤテストをしながら、さらなるセットアップにトライしました。今日は一周のベストラップもロングランのアベレージもとてもよかったと思います。明日はほかのライダーもタイムを短縮してくると思うので、自分も前進できるようにがんばります」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 3番手)
「午前の走行から順調で、午後のセッションではセットアップも進みました。午前はコーナーの進入で少し神経質なところがあったのですが、午後のセッションでは、それが改善されました。今日はソフトのリアタイヤで35ラップをこなし、アベレージも安定していたので、決勝レースはソフトを選ぶと思います。明日は、アベレージをさらによくするために全力を尽くします」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)
「今日は、右腕の状態を確認するための一日でした。最初の走行は、手術をした右腕がどういう感じなのか、ということを知りたかったのですが、問題はありませんでした。しかし、いきなり100%では走りたくなかったので、午後のセッションも、様子をうかがいながら、ペースを上げていきました。今晩、そして明日の朝にかけて、腕の状態が悪くならないことを願っています。今日は右腕の確認が主な目的だったので、それほど多くの変更をせず、タイヤテストを行いながら、とにかくたくさん走ることを心がけました」

ステファン・ブラドル(MotoGP 6番手)
「今日は、スペインGP後のヘレステストで試した、ジオメトリーの異なる2つのセットアップを試しました。その結果は、いい部分もあり、そうでない部分もあるという感じでした。明日は、どちらの状態で走るかをクリアにしなければなりません。新しいジオメトリーはとてもいいのですが、コーナーの進入でタイムをロスしているので、明日、もう一度確認してみたいです。今日は午後のセッションでソフトタイヤを試したのですが、わずか3ラップしかできませんでした。しかも、アタックしているときにミスをしてしまい、そのため6番手でした。それを思えば、全体的にはいい一日だったと思います」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 14番手)
「ル・マンは、これまでずっと手こずってきたサーキットで、今までいい結果を残したことがありません。加えて今回は、スペインGPで痛みが出た右手首に問題があり、決勝日に向けて、手首の状態を確認しながらの走りになります。今日はセッションが終わるたびにクリニカモービルで処置をしてもらったので、スペインのときよりは痛みがありませんでした。今日はチームががんばってくれたおかげで、午前から午後にかけてセットアップが大きく進みました。明日も前進できるようにがんばります」

青山博一(MotoGP 16番手)
「ここはいつも天候が不安定なのですが、今日は一日いい天気だったので、セットアップを進めることができました。正直、ル・マンにはあまりいいイメージはないのですが、午前から午後にかけてタイムを短縮できましたし、まずまずのスタートだったと思います。今回は、コースの特性からファクトリー勢とオープン勢の差があるのではと思っていましたが、思っていたほどではありませんでした。オープン勢では、(アレックス)エスパルガロ選手(FORWARD YAMAHA)が抜けていますが、明日はその差を少しでも縮めたいと思います」

スコット・レディング(MotoGP 17番手)
「今日はフロントのグリップに少し問題があり、午後のセッションで転倒してしまいました。しかし、ケガはなかったですし、全体的には悪くない状態なので、まずまずの初日だったと思います。今日は、前戦のスペインGP同様、電子制御のセットアップに多くの時間を費やしました。今回もタイムが接近しているので、さらにいい状態にしなければなりません。そして、今日の課題だったフロントの接地感を改善できれば、Hondaのオープン勢のトップでフィニッシュできると思います」

ルイス・サロム(Moto2 1番手)
「午前中のセッションは、あまりいいスタートとは言えませんでしたが、終盤に向かうにつれてよくなりました。午後は最初からプッシュできましたし、トップタイムをマークすることもできました。明日もこの調子をキープして、さらにアベレージを上げたいです」

エステベ・ラバト(Moto2 2番手)
「1回目の走行でトップタイムをマークできましたし、午後のセッションでもいい走りができました。今日も相変わらずの接戦で、わずかの差でトップタイムを逃しましたが、アベレージを改善できたので、今日の結果には満足しています。しかし今大会は、みんなが速く見えますし、非常に厳しいレースになると思います。明日は、さらにアベレージを上げられようにがんばります」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 3番手)
「午前中のセッションから調子がよく、いい一日でした。ソフトタイヤでいいペースが刻めましたし、明日のセッションでは、ライン取りをしっかり確認してアベレージを上げていきたいです。今日はセクター2でタイムを更新できました。明日は全体的にタイムを上げていきたいです」

中上貴晶(Moto2 12番手)
「スペインGPのあとに行ったテストの状態で走り出したのですが、路面コンディションも路面のミュー(摩擦係数)もすべて違うようで、このコースにはまるで合いませんでした。そのため、午後のセッションではKALEXのベースのセッティングに戻したところ、タイムを1秒上げることができました。午前に比べればはるかによくなりましたが、フロントのフィーリングが完全ではなく、完ぺきに攻める走りができませんでした。明日は、フロントの調整をして、今日の午前から午後のようにタイムアップできるようにしたいです」

長島哲太(Moto2 33番手)
「ル・マンは思っていたより難しく、なかなか攻略できませんでした。午後のセッションでは、少しずつタイムを上げていけたのですが、2コーナーでフロントから転んでしまい、セッションの後半を無駄にしてしまいました。もったいなかったです。ここは予想通り、回り込むコーナーが多く、そうしたコーナーでの旋回性の悪さが、このマシンのウイークポイントであるため、苦労しました。明日は少しでもタイムを短縮して、できるだけポジションを上げたいと思います」

アレックス・マルケス(Moto3 1番手)
「いいスタートが切れました。今日は着実に前進することができましたし、トップタイムをマークすることができました。しかし、マシンは完全でなく、まだまだやらなくてはいけないことがあります。スペインGPのあとに、アラゴンでテストをしましたが、その成果をここで確認することができました。明日、あさってと路面のグリップが変わっていくと思いますし、それに合わせていかなければなりません。集中を切らさず、セットアップに取り組んでいきます」

アレックス・リンス(Moto3 2番手)
「今日は順調にセットアップを進めることができましたし、楽しく乗ることができました。しかし、ブレーキング時のフロントの安定性が少々足りないため、それを改善したいと思います。そして、前戦スペインGPで課題になったいくつかの問題も解消したいと思います」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
193マルク・マルケスHondaF1'33.452
229A.イアンノーネドゥカティF+0.007
319アルバロ・バウティスタHondaF+0.216
438B.スミスヤマハF+0.468
526ダニ・ペドロサHondaF+0.490
66ステファン・ブラドルHondaF+0.588
799J.ロレンソヤマハF+0.602
84A.ドヴィツィオーゾドゥカティF+0.665
941A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO+0.682
1046V.ロッシヤマハF+1.046
1144P.エスパルガロヤマハF+1.054
1268Y.ヘルナンデスドゥカティF+1.425
1335C.クラッチロードゥカティF+1.455
1469ニッキー・ヘイデンHondaO+1.509
155C.エドワーズFORWARD YAMAHAO+1.637
167青山博一HondaO+1.777
1745スコット・レディングHondaO+1.972
1817カレル・アブラハムHondaO+2.366
198H.バルベラAVINTIAO+2.966
2063M.ディ・ミリオAVINTIAO+3.160
2170M.ラバティPBMO+3.290
2223B.パークスPBMO+3.684

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
139ルイス・サロムKALEX1'38.254
253エステベ・ラバトKALEX+0.060
340マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.111
477ドミニク・エージャーターSUTER+0.115
594ジョナス・フォルガーKALEX+0.274
615アレックス・デ・アンジェリスSUTER+0.377
73シモーネ・コルシKALEX+0.386
836ミカ・カリオKALEX+0.405
921フランコ・モルビデリKALEX+0.449
1060フリアン・シモンKALEX+0.488
1119ザビエル・シメオンSUTER+0.569
1230中上貴晶KALEX+0.571
1311サンドロ・コルテセKALEX+0.623
1412トーマス・ルティSUTER+0.634
1554マティア・パシーニKALEX+0.732
1622サム・ロースSPEED UP+0.771
175ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.898
1823マルセル・シュローターTECH 3+0.907
1981ジョルディ・トレースSUTER+1.010
2088リカルド・カルダスTECH 3+1.059
2118ニコラス・テロールSUTER+1.099
224ランディ・クルメンナッハSUTER+1.166
2396ルイス・ロッシKALEX+1.174
2449アクセル・ポンスKALEX+1.264
2590ルカス・マヒアスTRANSFIORMERS+1.278
2695アンソニー・ウエストSPEED UP+1.328
278ジノ・レイSUTER+1.413
2855ハフィズ・シャーリンKALEX+1.606
297ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.645
302ジョシュ・ヘリンCATERHAM SUTER+2.053
3125アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+2.076
3297ロマン・ラモスSPEED UP+2.318
3345長島哲太TSR+2.730
3470ロビン・マルホウザーSUTER+3.033
3510ティティポン・ワロコーンKALEX+3.300
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
112アレックス・マルケスHonda1'43.395
242アレックス・リンスHonda+0.041
38J.ミラーKTM+0.048
432I.ビニャーレスKTM+0.134
533E.バスティアニーニKTM+0.150
65R.フェナティKTM+0.357
717ジョン・マクフィーHonda+0.438
844M.オリベイラマヒンドラ+0.444
998K.ハニカKTM+0.478
1021F.バグナイアKTM+0.592
1110アレックス・マスボーHonda+0.631
127エフレン・バスケスHonda+0.701
1338H.アーズミーKTM+0.726
1463ズルファミ・カイルディンHonda+0.801
1531N.アジョハスクバーナ+0.856
1623N.アントネッリKTM+0.892
1761A.シシスマヒンドラ+0.957
1884J.コーンフェールKTM+0.959
1958J.ゲバラKALEX KTM+0.983
2041B.バインダーマヒンドラ+1.068
2152D.ケントハスクバーナ+1.143
2211L.ロイKALEX KTM+1.325
2365P.エッテルKALEX KTM+1.342
2419A.トヌッチマヒンドラ+1.368
253M.フェラーリマヒンドラ+1.369
2651B.スホーテンマヒンドラ+1.730
2743L.グリュンヴァルトKALEX KTM+1.899
2822A.カラスコKALEX KTM+1.909
299S.デウルKALEX KTM+2.041
3034M.リナルディマヒンドラ+2.258
3195J.ダニーロマヒンドラ+2.480
3257E.グラナドKTM+2.773
334G.ラモスKALEX KTM+4.551
-73レナルド・カスティヨンHonda+11.232