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2013年8月30日(金)・1日目フリー走行 会場:シルバーストーン・サーキット 天候:曇り、ときどき晴れ
気温:23℃ コースコンディション:ドライ
3連戦最後の戦いとなる、第12戦イギリスGPのフリー走行は、時折り青空が広がったものの、雲の多い一日となりました。MotoGPクラスのフリー走行が行われたときの最高気温は21℃。最後のセッションとなったMoto2クラスでは23℃まで上がりました。路面温度は30℃台前半と、不安定な天候になることが多いシルバーストーンでの開催としては、快適なコンディションの中で行われました。
夏休みを挟み、4連勝中のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が今大会も好調で、午前中のセッションでトップタイムをマーク。午後の走行ではホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)にわずかに先行されましたが、2番手で初日を終えました。MotoGPマシンでは初めて走るシルバーストーン。サーキット入りしたときは、やや不安を抱えていたマルケスですが、走り出してみれば、いつも通り快調にラップを刻みました。とても初めてとは思えない、自信あふれる思いきりのよい走りで、5連勝と今季6勝目達成に向けて大きく前進しました。
心配された雨も降らず、終日ドライコンディションで走れたことで、チームメートのダニ・ペドロサも、順調にセットアップを進めました。天候が不安定なシルバーストーンでは、例年、タイヤテストができないことが頭を悩ませますが、今年は初日にソフトとハードのタイヤテストをこなすことができ、充実の一日となりました。初日は3番手タイムでしたが、2日目の予選では、今季3度目のポールポジション(PP)を狙います。
ここ数戦、上り調子のアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)が、ロレンソ、マルケス、ペドロサに続いて4番手につけました。バウティスタは昨年の大会で、MotoGPクラスで自身初のPPを獲得し、決勝では表彰台まであと一歩の4位でフィニッシュしました。今年も順調なスタートを切り、セットアップも進められました。午後のセッションでは、いくつかのセッティングにトライして多くのデータを得ることに成功。2日目のポジションアップとタイム短縮に自信をみせています。
ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、課題となっているリアのグリップ向上に努めました。その結果、グリップは向上した一方で、ブレーキングの安定性に問題を抱えることになりました。しかし、着実に前進していることでピットのムードは上々です。初日は9番手でしたが、2日目は上位を狙います。
CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は22番手で初日を終えました。
Moto2クラスは、ヨハン・ザルコ(Came Iodaracing Project)がトップタイムをマーク。以下、1秒差以内に12台という接戦となり、中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、わずか0.031秒差で2番手と、好調なスタートを切りました。
中上は、過去2戦で連続2位。今大会は念願の初優勝に挑みます。以下、前戦チェコGPで今季2度目の表彰台に立ち、調子を上げているトーマス・ルティ(Interwetten Paddock Moto2 Racing)、今季3勝目を狙うエステベ・ラバト(Tuenti HP 40)、総合首位でホームGP制覇に闘志を燃やすスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)と続きました。高橋裕紀(IDEMITSU Honda Team Asia)は25番手でした。
Moto3クラスは、昨年の大会でフロントローを獲得しているアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)が7番手、ニッコロ・アントネッリ(GO & FUN Gresini Moto3)が8番手、ジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が9番手、アイザック・ビニャーレス(Ongetta-Centro Seta)が10番手となりました。渡辺陽向(TASCA RACING)は20番手で、2日目の予選では今季ベストグリッドを狙います。
マルク・マルケス(MotoGP 2番手)
「最初からとてもいいフィーリングで、いい一日になりました。Moto2クラスに出場していた昨年は少し苦戦したので、『MotoGPマシンではどんな感じなのだろう』と、サーキット入りしたときは少し不安でした。しかし、落ち着いてゆっくりセットアップに取り組むことができました。最後はマシンがとても快適になりました。今日はホルヘの方が少し強かったかもしれません。しかし、思っていたよりも彼のタイムに近づくことができました。明日も同様に取り組んでセットアップを進めます」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)
「今日は天気がよかったので、序盤でタイヤのテストをすることができました。例年、シルバーストーンはかなり寒くて、ハードコンパウンドを試す機会がなかなかないのですが、今日はそれができました。しかし、ハードコンパウンドでは、リアのグリップが足りず、あまりポジティブな感触はありませんでした。それにもかかわらず、かなりいいタイムを出すことができました。明日の目標はグリップを上げて、もっと速いラップタイムを出すことです」
アルバロ・バウティスタ(MotoGP 4番手)
「今日は順調だったので、とても満足しています。リアのグリップに問題がありましたが、午前中からセットアップは進み、午後はもっといいパフォーマンスを得るために2つのことを試しました。しかし、このセッションでは、あまり前進することはできませんでした。これからデータを見直します。マシンがスライドしたり、トラクションコントロールが効きすぎたりでロスしているので、この部分は解決しなければなりません。明日はマシンが持っているすべてのポテンシャルを引き出せると思います」
ステファン・ブラドル(MotoGP 9番手)「タイムだけを見るとパフォーマンスはあまりよくありませんが、実際はそれほど悪くはありません。今日はリアグリップをよくするために、マシンのセットアップに取り組みました。そして午後のセッションで少し前進して、コーナー出口のトラクションコントロールがよくなりました。その反面、ブレーキングに問題を抱え、コーナー進入で少しタイムが落ちました。レースウイークのスタートとしてはあまりよくありませんでしたが、明日はもっと速く走れるようにがんばります」
ブライアン・スターリング(MotoGP 22番手)「残念ながら転倒してしまいました。いいフィーリングを見つけるのに苦戦し、マシンから投げ出され、地面に強く身体を打ちつけられてしまいました。幸い、腕にあざができただけでした。明日はがんばります」
ヨハン・ザルコ(Moto2 1番手)「今日は最初からかなり速く走ることができました。前戦のブルノでは、レース中ずっと速く、終盤でもスピードは落ちなかったので、大きな自信になりました。今回も同じような感触をすぐに見つけることができました。新しいリアタイヤを試すことができ、午後もトップタイムを目指して全力でがんばりました。2分9秒より速いタイムを出したライダーもいたので、徐々にタイムを上げ、最後はたくさん周回しました。何人かのライダーが僕を待っていましたが、気にせず自分のラインを走ることに集中しました。そして、最後のラップはとてもよかったです。今はとても満足しています。明日も引き続きがんばって、レースに向けて準備をします」
中上貴晶(Moto2 2番手)「2戦連続で調子がよく、今回も初日からいい走りができました。昨年は、イギリスGPが一番ひどい内容でした。うまく走れずに、今年もここで調子を落とすようなことにならなければと、不安がありました。それが、FP1からまずまずで、午前中の課題だったフロントのフィーリングも午後のセッションでよくなりました。さらに、チェコでよかったリアタイヤを入れたら、リアのグリップも上がり、ベストもアベレージも上げることができました。明日の予選に向けて、もう一段階レベルを上げていきたいです」
トーマス・ルティ(Moto2 3番手)「前戦ブルノで表彰台に立てたことで、大きな自信になりました。マシンもブルノではとてもよかったですし、今大会もそれが継続できることを願っています。今日はそれほど悪くありませんでした。ただ、コースはブルノよりバンピーなので、もっとマシンの安定性向上に取り組まなければなりません。午前中から午後にかけてセットアップを変えて前進することができました。マシンをもっとよくするために、さらに一生懸命取り組まなければなりません。このサーキットは好きですし、今日は天気が安定していてよかったです」
高橋裕紀(Moto2 25番手)「午前中のセッションでは、ベースのセッティングを見失ってしまうほど、セットアップがバラバラの状態でしたが、午後に向けて着実にセッティングは進みました。最後の最後でよくなったので、順位的には悪いですが、明日がとても楽しみです」
ニッコロ・アントネッリ(Moto3 8番手)「今日は悪くはありませんでした。最初からうまくいく感触があって、フロントエンドの小さな問題を解決するのみの一日でした。まだ完全には解決していませんが、それがよくなったら、もっと速く走れると思います。チームを信じていますので、明日もっとうまく走れるマシンを与えてくれると思います」
渡辺陽向(Moto3 20番手)「今日はとてもフィーリングがよくて、気持ちよく走れました。オランダGPで中途半端なコンディションのときに13番手というのがありましたが、ちゃんと走れる状態では、今年一番いいリザルトでした。前回のチェコは、予選までは調子がよかったのですが、その走りを決勝につなげられませんでした。今回は、予選、決勝と、この調子をキープしたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | 2:02.734 |
2 | 93 | マルク・マルケス | Honda | +0.224 |
3 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.458 |
4 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | +0.729 |
5 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.746 |
6 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +0.771 |
7 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +0.924 |
8 | 38 | B.スミス | ヤマハ | +1.016 |
9 | 6 | ステファン・ブラドル | Honda | +1.050 |
10 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.355 |
11 | 41 | A.エスパルガロ | ART | +1.411 |
12 | 68 | Y.ヘルナンデス | ART | +1.742 |
13 | 29 | A.イアンノーネ | ドゥカティ | +2.318 |
14 | 14 | R.デ・ピュニエ | ART | +2.335 |
15 | 8 | H.バルベラ | FTR | +2.532 |
16 | 51 | M.ピロ | ドゥカティ | +2.704 |
17 | 5 | C.エドワーズ | FTR KAWASAKI | +2.750 |
18 | 71 | C.コルティ | FTR KAWASAKI | +2.772 |
19 | 9 | D.ペトルッチ | IODA-SUTER | +2.923 |
20 | 70 | M.ラバティ | PBM | +3.243 |
21 | 7 | 青山博一 | FTR | +3.304 |
22 | 67 | B.スターリング | FTR Honda | +5.120 |
23 | 52 | L.ペセック | IODA-SUTER | +6.475 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | ヨハン・ザルコ | SUTER | 2:08.209 |
2 | 30 | 中上貴晶 | KALEX | +0.031 |
3 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +0.131 |
4 | 80 | エステベ・ラバト | KALEX | +0.171 |
5 | 45 | スコット・レディング | KALEX | +0.297 |
6 | 40 | ポル・エスパルガロ | KALEX | +0.308 |
7 | 81 | ジョルディ・トレース | SUTER | +0.398 |
8 | 52 | ダニー・ケント | TECH 3 | +0.496 |
9 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +0.567 |
10 | 19 | ザビエル・シメオン | KALEX | +0.778 |
11 | 18 | ニコラス・テロール | SUTER | +0.849 |
12 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | SPEED UP | +0.995 |
13 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +1.151 |
14 | 54 | マティア・パシーニ | SPEED UP | +1.194 |
15 | 36 | ミカ・カリオ | KALEX | +1.210 |
16 | 3 | シモーネ・コルシ | SPEED UP | +1.267 |
17 | 8 | ジノ・レイ | FTR | +1.279 |
18 | 24 | トニ・エリアス | KALEX | +1.283 |
19 | 11 | サンドロ・コルテセ | KALEX | +1.385 |
20 | 88 | リカルド・カルダス | SPEED UP | +1.674 |
21 | 60 | フリアン・シモン | KALEX | +1.694 |
22 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | SUTER | +1.785 |
23 | 96 | ルイス・ロッシ | TECH 3 | +1.974 |
24 | 17 | アルベルト・モンカヨ | SPEED UP | +2.150 |
25 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +2.347 |
26 | 22 | ジェイソン・オハローラン | MOTOBI | +2.611 |
27 | 49 | アクセル・ポンス | KALEX | +2.781 |
28 | 44 | スティーブン・オーデンダール | SPEED UP | +2.858 |
29 | 27 | ダニ・リバス | KALEX | +2.921 |
30 | 10 | ティティポン・ワロコーン | SUTER | +5.182 |
31 | 7 | ドニ・タタ・プラディタ | SUTER | +5.830 |
32 | 97 | ラフィド・トパン・スチプト | SPEED UP | +6.233 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ビニャーレス | KTM | 2:14.615 |
2 | 44 | M.オリベイラ | MAHINDRA | +0.238 |
3 | 94 | J.フォルガー | KALEX KTM | +0.271 |
4 | 39 | L.サロン | KTM | +0.387 |
5 | 12 | A.マルケス | KTM | +0.540 |
6 | 42 | A.リンス | KTM | +0.763 |
7 | 10 | アレクシ・マスボー | FTR Honda | +0.860 |
8 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | FTR Honda | +1.289 |
9 | 8 | ジャック・ミラー | FTR Honda | +1.808 |
10 | 32 | アイザック・ビニャーレス | FTR Honda | +1.966 |
11 | 61 | A.シシス | KTM | +1.974 |
12 | 31 | N.アジョ | KTM | +2.119 |
13 | 5 | ロマノ・フェナティ | FTR Honda | +2.156 |
14 | 7 | E.バスケス | MAHINDRA | +2.258 |
15 | 57 | E.グラナド | KALEX KTM | +2.284 |
16 | 19 | アレッサンドロ・トヌッチ | FTR Honda | +2.328 |
17 | 17 | ジョン・マクフィー | FTR Honda | +2.553 |
18 | 84 | J.コーンフェール | KALEX KTM | +2.607 |
19 | 63 | Z.カイルディン | KTM | +2.674 |
20 | 29 | 渡辺陽向 | FTR Honda | +2.688 |
21 | 22 | A.カラスコ | KTM | +2.724 |
22 | 77 | ロレンソ・バルダッサーリ | FTR Honda | +2.750 |
23 | 89 | アラン・ティーチャー | TSR Honda | +2.799 |
24 | 3 | マッテオ・フェラーリ | FTR Honda | +2.808 |
25 | 41 | ブラッド・バインダー | SUTER Honda | +2.976 |
26 | 21 | ルカ・アマート | SUTER Honda | +3.083 |
27 | 11 | L.ロイ | KALEX KTM | +3.111 |
28 | 65 | P.エッテル | KALEX KTM | +3.134 |
29 | 9 | T.フィンスターブッシュ | KALEX KTM | +3.427 |
30 | 4 | フランシスコ・バグナイア | FTR Honda | +3.454 |
31 | 58 | ファンフラン・ゲバラ | TSR Honda | +3.601 |
32 | 98 | ウェイン・ライアン | KRP Honda | +3.740 |
33 | 66 | F.アルト | KALEX KTM | +3.775 |
34 | 53 | J.イウェマ | KALEX KTM | +4.696 |
35 | 37 | ライド・カイル | KRP Honda | +5.197 |