round 02

April 19 2013, PRACTICE MotoGP Red Bull Grand Prix of The Americas アメリカズGP

SCHEDULE

マルケスが2セッションを制して首位発進。ペドロサ2番手、ブラドル3番手とHonda勢が上位を独占

2013年4月19日(金)・1日目フリー走行  会場:サーキット・オブ・ジ・アメリカズ  天候:晴れ
気温:18℃  コースコンディション:ドライ

4月19日、初開催となったサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で、初日のフリー走行が行われ、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、1回目、2回目ともにトップタイムをマーク。2戦連続表彰台と、今季初優勝に向けて好調なスタートを切りました。2番手にはダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)で、Repsol Honda Teamが1-2。さらに、3番手にステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)とHonda勢が上位を独占しました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ

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激しい雨が降るなど、不安定な天候だった前日から一転、この日のテキサス州オースティンは、終日青空が広がりました。しかし、1回目午前中のセッションは気温が13℃、午後に行われた2回目のセッションも18℃までしか上がらず、難しいコンディションとなりました。3月中旬のテストでは、3日連続でトップタイムをマークして周囲を驚かせたマルケスは、本番を迎えても好調で、午前、午後ともにトップタイムを刻みました。しかし、1回目が2分08秒台、2回目も同05秒台と、3月のテストでマークした2分03秒281には届かず、この日の難しいコンディションを物語るタイムでした。

しかし、気温が徐々に上がり、スケジュールをこなすごとに、路面のグリップも大きく変化しました。その中で、ルーキーのマルケスは、常に最速タイムを記録、開幕戦カタールGPの3位に続く2戦連続表彰台と、MotoGPクラス史上最年少優勝記録の樹立に期待がふくらみます。

2番手にはチームメートのペドロサが続きました。1回目のセッションは3番手。チームメートのマルケスに1.6秒差と大きく遅れましたが、2回目のセッションでは2番手に浮上し、その差を0.554秒まで縮めました。開幕戦カタールGPでは4位という悔しい結果に終わりましたが、路面のグリップが向上するにつれてパフォーマンスを上げたペドロサ。土曜と日曜はともに気温が上がることが予想されており、予選では今季初のポールポジションを、決勝では今季初優勝を狙います。

3番手には、ブラドルが続きました。3月中旬のテストでも、Repsol Honda Teamの2人に続く好走をみせました。気温も路面も低かった午前中の走行では、テストのデータを活用できずに苦戦しましたが、午後の走行では着実にタイムを上げて、セッション終盤のアタックで3番手に浮上しました。好調なスタートを切ったMotoGP2年目のブラドル。今大会では、自身初の予選フロントロー獲得、決勝での表彰台が期待されます。

3月中旬のテストに参加しなかったアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、路面グリップの低いコンディションの中で着実にタイムを上げて、初日8番手とまずまずのポジションにつけました。コース攻略という初日の目的を果たしたバウティスタは、2日目のフリー走行、そして予選で上位を狙います。チームメートでCRTマシンのブライアン・スターリングは、22番手でした。

Moto2クラスは、全員がCOTAでの初走行となり、開幕戦カタールGPで2位に入ったスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)がトップタイムをマークしました。午前中の走行は2分18秒896で23番手でしたが、2回目の走行では、1回目の自己ベストタイムを6.415秒も短縮し、一気に首位に浮上しました。2番手にはザビエル・シメオン(Desguaces La Torre Maptaq)、3番手にヨハン・ザルコ(Came Iodaracing Project)、4番手にニコラス・テロール(Mapfre Aspar Team Moto2)となり、この4人が2分12秒台の接戦。路面コンディションがよくなる2日目は、さらに厳しい戦いが予想されます。

1回目の走行で3番手と好調なスタートを切った中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、午後の走行ではグリップと旋回性の不足に苦しんで16番手にダウン。納得のいかないリザルトに闘志を燃やしており、2日目でのばん回に期待されます。 IDEMITSU Honda Team Asiaの高橋裕紀は、開幕戦カタールGPに続き、今大会も旋回性に苦しんで31番手でした。

Moto3クラスはロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)が5番手、アイザック・ビニャーレス(Ongetta-Centro Seta)が7番手、ダニー・ウェッブ(Ambrogio Racing)が9番手、ジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が10番手と、まずまずのスタートを切りました。ルーキーの渡辺陽向(TASCA RACING)は、この日、2度の転倒を喫し、32番手となりました。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 1番手) 「とてもポジティブな初日となりました。まだフリー走行ですが、トップタイムをマークするというのは重要なことです。今大会のカギは、一日一日、そしてセッションをこなすごとにグリップレベルがよくなっていくことです。グリップレベルと気温に神経を配らなければなりません。コンディションが非常に変わりやすく、午後は午前中より気温が上がります。すべてのセッションにおいて、最適なタイヤを見つけなければなりません。そして、なによりも決勝レースを念頭に仕事をしなければなりません。明日も同じように前進し続けられるよう、がんばります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手) 「今日はグリップがなく、難しい一日になりました。たぶん、すべてのライダーがコーナーで問題を抱えていたと思います。午前中はタイヤをうまく機能させることができませんでしたが、午後は少し改善することができました。午後のセッションでは、午前中に比べると、かなりいい感じで走ることができました。決勝レースへ向けてグリップレベルが上がることを願っています。そうすれば、もう少しいい結果が出せると思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 3番手) 「今日は不思議な一日でした。午前中の路面コンディションはとても悪く、グリップレベルも非常に低かったため、テストのアドバンテージを生かすことができませんでした。午前中の走行が終わったときは、とても残念な気持ちでした。しかし、午後はグリップがだいぶんよくなったので、上位をキープしながらタイムを上げていくことができました。そして、テストで得たデータも生かすことができました。明日も引き続き、レースのセットアップに取り組まなければなりません。特に中古タイヤを使用したときに、いかにいいバランスを見つけられるかが大事になります」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 8番手) 「今日はコースを学ぶために、ほとんど一日を費やしました。午前中はあまりグリップがなく、まるでウエットコンディションの中で走っているようでした。午後はコンディションが改善され、ラップタイムもかなり上がりました。このサーキットはブラインドコーナーがある上に、テクニカルで切り返しが多く、難しいサーキットです。。一つのコーナーでミスをすると、リカバーするのが非常に難しくなります。このサーキットはほかのサーキットとはかなり違うので、もう少しデータを集めてからセッティングに取り組みたいです。事前にテストを行ったライダーたちはいいポジションにいますが、それほど離れているわけではありません。午前中から午後にかけてペースを上げることができたので、明日に向けて心配はありません」

ブライアン・スターリング(MotoGP 22番手) 「何度も言いますが、僕にとっては、すべてが初めてです。このサーキットは本当に難しいです。午前中はグリップの問題があり、快適に走ることができませんでした。セッションのあと、チームと長時間のミーティングをしましたが、これがとても役立ちました。明日は大きく前進できると思います」

スコット・レディング(Moto2 1番手) 「初日にトップタイムをマークできてとてもうれしいです。しかし、このサーキットは見た目ほど簡単ではないと思います。1速で走るコーナーが多いのが少し残念ですが、とても楽しいです。午前中はマシンの感触もグリップもなく、プッシュできませんでした。このようなコンディションで転倒するリスクを負うのは意味がなかったので、ひたすらコースを学ぶことに集中しました。午後は路面が改善されました。グリップはそれほどよくはありませんでした。それでも、1回目の走行のときよりはだいぶんよくなりました。少なくとも午後はいいリズムをつかむことができましたし、カタールで得たモチベーションをさらに上げることができました。なかなかいいマージンを作ってトップタイムを出すことができました。いいスタートが切れてうれしいです。引き続きがんばります」

ザビエル・シメオン(Moto2 2番手) 「とてもいい一日になりました。午前中は路面が汚れていて滑りやすく、注意して走らなければなりませんでした。しかし、午後になって路面状況がよくなり、ラップタイムが約4秒上がりました。すばらしいマシンを用意してくれたチームに感謝したいです。今日は、毎周タイムが上がりました。このサーキットは、高速セクションがあったり、1速で走るコーナーがあったりして、とてもいいサーキットです。明日も引き続きがんばりたいです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 3番手) 「午前中は問題があり、トップとはかなり差がありました。しかし、午後はグリップがよくなり、新品タイヤを使うことができました。そのおかげでラップタイムもよくなりました。このサーキットは、ロングストレートや、上り坂と下り坂、そしてハードブレーキングポイントがあって、とてもおもしろいです。Moto2クラスでは、一発のタイムも、アベレージも両方重要になります。明日はもっとうまく走れるように、セッティングも進めなければなりません。まだコースを学んでいるところなので、とにかくミスをしないようにします。フロントローを獲得できるようにがんばります」

中上貴晶(Moto2 16番手) 「午前中の走行はセッション途中までトップタイムだったのですが、最終的にギアの問題が出て、3番手にポジションを落としました。しかし、まずまずのスタートを切ることができました。今日は、カタールGPからの問題である、ギアが入りにくいということについて、シフターなどに問題がなかったことから、エンジンを載せ替えてもらいました。そのおかげで午後の走行はギアのトラブルは解消しましたが、路面のグリップが大きく上がったせいなのか、全くフィーリングが変わり、タイムを上げられませんでした。特にフロントがまるで違うマシンのようになってしまい、高速コーナーが続く前半区間でスピードを乗せられませんでした。明日までに原因を突き止めて、いい走りをできるようにします」

高橋裕紀(Moto2 31番手) 「今日はカタールGPと同じ状態でスタートしました。コースを覚えるのに集中しましたが、フロントの接地感がなくて、タイムを上げていくことができませんでした。コースの攻略は大体できたと思います。しかし、カタールGPと根本的に同じ、旋回性の問題に苦しみました。明日も引き続き、セットアップに努めたいと思います」

渡辺陽向(Moto3 32番手) 「コースの大体の雰囲気はつかめましたし、自分の走りのスタイルにコースも合っているような印象でした。しかし、午前、午後ともに一度ずつ転倒してしまい、少し時間をロスしました。マシンへのダメージがなかったのは幸いでしたが、カタールでも2回転倒しましたので、転びすぎだと反省しています。明日は、今日より2秒はタイムを上げられると思います。しかし、周りもタイムを上げてくると思いますので、もっとタイムを上げられるようにがんばりたいです」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193マルク・マルケスHonda2:05.031
226ダニ・ペドロサHonda+0.554
36ステファン・ブラドルHonda+1.142
499J.ロレンソヤマハ+1.606
546V.ロッシヤマハ+1.837
635C.クラッチローヤマハ+1.868
74A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+2.205
819アルバロ・バウティスタHonda+2.225
969N.ヘイデンドゥカティ+2.668
1011B.スピーズドゥカティ+3.003
1141A.エスパルガロART+3.268
1268Y.ヘルナンデスART+4.343
1338B.スミスヤマハ+4.393
1414R.デ・ピュニエART+4.708
1529A.イアンノーネドゥカティ+4.829
1617K.アブラハムART+5.380
1771C.コルティFTR KAWASAKI+5.689
187青山博一FTR+6.152
199D.ペトルッチIODA-SUTER+6.583
2070M.ラバティPBM+6.797
2152L.ペセックIODA-SUTER+7.199
2267B.スターリングFTR Honda+7.431
235C.エドワーズFTR KAWASAKI+7.473
248H.バルベラFTR+7.542
2579B.ヤングAPR+8.127
  44M.バーンズBCL+11.138

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
145スコット・レディングKALEX2:12.481
219ザビエル・シメオンKALEX+0.383
35ヨハン・ザルコSUTER+0.425
418ニコラス・テロールSUTER+0.444
53シモーネ・コルシSPEED UP+0.612
636ミカ・カリオKALEX+0.659
740ポル・エスパルガロKALEX+0.678
863マイク・ディ・ミリオMOTOBI+0.790
980エステベ・ラバトKALEX+0.807
1077ドミニク・エージャーターSUTER+0.811
1154マティア・パシーニSPEED UP+1.039
12 81ジョルディ・トレースSUTER+1.518
13 60フリアン・シモンKALEX+1.661
14 24トニ・エリアスKALEX+1.731
15 30中上貴晶KALEX+1.885
16 23マルセル・シュローターKALEX+2.227
17 4ランディ・クルメンナッハSUTER+2.281
18 15アレックス・デ・アンジェリスSPEED UP+2.410
19 49アクセル・ポンスKALEX+2.521
20 11サンドロ・コルテセKALEX+2.680
21 9カイル・スミスKALEX+2.711
22 17アルベルト・モンカヨSPEED UP+3.167
23 14ラタパーク・ウィライローSUTER+3.206
24 52ダニー・ケントTECH 3+3.566
25 96ルイス・ロッシTECH 3+3.734
26 12トーマス・ルティSUTER+4.145
27 88リカルド・カルダスSPEED UP+4.244
28 44スティーブン・オーデンダールSPEED UP+4.436
29 7ドニ・タタ・プラディタSUTER+4.746
30 72高橋裕紀MORIWAKI+5.211
31 97ラフィド・トパン・スチプトSPEED UP+5.701

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
125M.ビニャーレスKTM2:18.254
242A.リンスKTM+0.539
339L.サロンKTM+0.561
444M.オリベイラMAHINDRA+1.352
55ロマノ・フェナティFTR Honda+1.468
694J.フォルガーKALEX KTM+1.956
732アイザック・ビニャーレスFTR Honda+2.066
812A.マルケスKTM+2.141
999ダニー・ウェッブSUTER Honda+2.209
108ジャック・ミラーFTR Honda+2.627
1184J.コーンフェールKALEX KTM+2.676
1241ブラッド・バインダーSUTER Honda+2.690
1331N.アジョKTM+2.715
147E.バスケスMAHINDRA+2.963
1589アラン・ティーチャーTSR Honda+3.035
1622A.カラスコKTM+3.107
1719アレッサンドロ・トヌッチHonda+3.143
1810アレクシ・マスボーFTR Honda+3.184
1957E.グラナドKALEX KTM+3.364
2058 ファンフラン・ゲバラTSR Honda+3.395
2123ニッコロ・アントネッリFTR Honda+3.615
2253J.イウェマKALEX KTM+3.696
2361A.シシスKTM+3.955
2465P.エッテルKALEX KTM+4.006
259T.フィンスターブッシュKALEX KTM+4.345
2666F.アルトKALEX KTM+4.419
2763Z.カイルディンKTM+4.558
2877ロレンソ・バルダッサーリFTR Honda+4.638
293マッテオ・フェラーリFTR Honda+5.048
3017ジョン・マクフィーFTR Honda+5.220
314フランシスコ・バグナイアFTR Honda+5.458
3229渡辺陽向Honda+5.818