2012年7月28日(土)・予選 会場:ラグナセカ・レースウェイ 天候:曇りのち晴れ 気温:20℃
コースコンディション:ドライ
第10戦アメリカGPの予選は、フリー走行で上位につけたRepsol Honda Teamのケーシー・ストーナーとダニ・ペドロサ、そして、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、ベン・スピーズ(ヤマハ)の4選手によるポールポジション(PP)争いとなり、ロレンソがPPを獲得、わずか0.074秒差でストーナーが2番手、ペドロサはストーナーから0.278秒差の3番手と続きました。
惜しくもPPを獲得することができなかったRepsol Honda Teamですが、2人そろってフロントローから決勝に挑むのは今季5回目となり、Honda勢の今季5勝目が期待されます。
今季8度目のフロントロー獲得となる2番手につけたストーナーは、初日3番手から、2日目も快調にラップを刻みました。午前中のフリー走行は、朝方の濃い霧がセッション開始直前まで残り、その影響で気温が12℃までしか上がらず、路面温度も上がらないために走行を見合わせました。
そのため、午後の予選では、セットアップに集中。ハードタイヤの走行に多くの時間を割き、アベレージもよく、3戦ぶり今季4勝目に向けて、大きく前進しました。ソフトタイヤを装着しての最後のアタックでは、クリアラップが取れず、何度もタイムロスして2番手。しかし、セッション終盤のタイムアタックでは、クリアラップを取れないにもかかわらず、1分20秒台のハイペースを3周にわたって刻み、ニューエンジンのハイパフォーマンスをアピールしました。
今大会、ニューマシンで挑むことを決めたペドロサは、2日目から本格的なセットアップに入りました。午前中の走行は悪天候と悪コンディションのために、ストーナーとともに走行を見合わせ、午後の予選に集中。ロングランでは、ストーナー同様、十分に優勝を狙えるペースを刻みましたが、ニューマシンでの走行時間が短いために、予選のアタックでは100%攻める走りができませんでした。しかし、第7戦オランダGPで投入された仕様違いの車体でレベルをワンランク上げ、ニューマシンでさらにワンランク上げたペドロサは、2戦ぶり今季2勝目に闘志を燃やしています。
初日のフリー走行で10番手と出遅れたアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、2日目の予選でマシンのセットアップを進め、7番手へとポジションを上げました。初日より大きく前進したと語るバウティスタ。前戦イタリアGPで思うような走りができなかっただけに、その雪辱に気合を入れています。
初日8番手とまずまずのスタートを切ったステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、着実にタイムを更新するも、予選では9番手へとポジションを1つ落としました。限界の走りを要求される予選のアタック。2日連続でフロントのセッティングが決まらなかったとフラストレーションをためるブラドルですが、ラグナセカ・レースウェイを初めて走るルーキーとしては、まずまずの内容とグリッドとなりました。決勝では1つでも上のポジションでフィニッシュする意気込みです。
CRTマシンのミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)も、順調にタイムを詰めて16番手。決勝では3戦ぶりの完走とポイント獲得を狙います。
ケーシー・ストーナー(MotoGP 2番手)「PPを取れると思ったので2番手に終わり、少しがっかりしています。今日は、ほとんどの時間をハードタイヤで走りました。今年は気温が低いレースでは、タイヤのグリップでいつも苦労してきましたが、今日はいくらかよくなり、ペースも悪くありませんでした。最後にソフトタイヤを履いてアタックしましたが、どの周回もクリアラップが取れませんでした。CRTのマシンとは、1周で3秒から4秒も差がありますし、いくらスペースをあけても、すぐに追いついてしまいます。PPを取れると思っていたので、フラストレーションがたまりました。明日のレースタイヤは天候を見て決めたいです。ソフトタイヤでもいいペースで走れましたが、気温が上がると、いろいろとやらなくてはならないので、難しいかもしれません」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)「最後のアタックでタイムを更新できなくて残念でした。しかし、フロントローに並べてよかったと思います。今回は新しいマシンなので、いろいろなことを試しました。朝のフリー走行は、コンディションが悪かったので、走っても仕方がないと思いました。結果的に、午後の1時間でタイヤのチョイスとセットアップをしなければならなくなりましたが、最終的にいいパッケージに仕上げることができました。今日は、新しいマシンだったので、とても張り詰めた気分でした。マシンの状態はいいです。明日に向けてやらなければならないことも分かっています。明日のレースに向けて自信もあります。ウオームアップで決勝に向けて細かいところを決めていきたいです」
アルバロ・バウティスタ(MotoGP 7番手)「昨日よりかなりよくなりましたが、少し残念なのは午前中のフリー走行を走れなかったことです。1時間もったいなかったのですが、午後の予選では違うセッティングを試すことができました。全体的によくなりましたし、いくつかポジティブな部分も見つかりました。今日は100%の状態にはなりませんでしたが、確実にステップを刻むことができました。3列目からのスタートは悪くないと思います。トップの3人は異次元の走りをしているので、セカンドグループに加われるようにがんばりたいです。今大会の目標は、イタリアGP前の自信を早く取り戻すことです。そして、いいレースをすることです」
ステファン・ブラドル(MotoGP 9番手)「特別悪くはないのですが、いいとも言えません。昨日から問題になっているフロントのフィーリングがよくならず、残念でした。昨日は、初めてのコースだったので、コースの攻略と自分のペースを見つけることに集中しました。今日は午前中が悪コンディションのために走れなかったので、午後の予選からセットアップをしなくてはなりませんでした。とにかく、フロントの信頼性の問題で、ブレーキングとコーナリングでタイムをロスしています。これからデータをしっかりチェックして、ウオームアップで問題を解決したいです」
ミケーレ・ピロ(MotoGP 16番手)「昨日に比べてよくなりましたが、CRTでトップ争いに加わるには、もう一歩、前進しなくてはなりません。今回もメカニックが一生懸命がんばってくれています。明日のレースではしっかりポイントを獲得できるように走りたいです。CRT勢のランディ・デ・ピュニエ(ART)とアレックス・エスパルガロ(ART)とはタイム差があるけれど、長いレースなのであきらめずにがんばりたいです」
中本修平|HRCチーム代表「PPを取れなくて残念でしたが、ケーシー、ダニともに、まずまず順調な一日でした。ケーシーは、昨日からリアのグリップ不足に悩んでいるので、ウオームアップでセットアップをがんばり、問題を解決したいです。今日は、PPを取れたと思う走りでしたが、CRTのマシンにすぐに追いついてしまうのでクリアラップが取れずタイムロスしていました。最後のアタックは最終コーナーで完全に引っかかってしまいました。タイヤの選択はほぼ決まっていますし、明日はいいレースをしてくれると思います。ダニは、新しいマシンで、ロングランではすばらしい走りをしていましたが、プッシュしたときに思うようにタイムを詰められませんでした。この部分は、新しいマシンにもっと慣れる必要があるので仕方がありません。2人ともにPPを逃しましたが、内容は悪くありません。明日のレースは期待しています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | 1:20.554 |
2 | 1 | ケーシー・ストーナー | Honda | +0.074 |
3 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.352 |
4 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.540 |
5 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +0.714 |
6 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ヤマハ | +0.985 |
7 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | +1.178 |
8 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.180 |
9 | 6 | ステファン・ブラドル | Honda | +1.199 |
10 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.990 |
11 | 14 | R.デ・ピュニエ | ART | +2.332 |
12 | 41 | A.エスパルガロ | ART | +2.521 |
13 | 5 | C.エドワーズ | SUTER | +3.145 |
14 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +3.150 |
15 | 68 | Y.ヘルナンデス | BQR | +3.215 |
16 | 51 | M.ピロ | FTR | +3.323 |
17 | 24 | T.エリアス | ドゥカティ | +3.344 |
18 | 54 | M.パシーニ | ART | +3.463 |
19 | 9 | D.ペトルッチ | IODA | +3.673 |
20 | 22 | I.シルバ | BQR | +4.006 |
21 | 77 | J.エリソン | ART | +4.161 |
- | 15 | S.ラップ | APR | +6.333 |