round 07

June 29 2012 MotoGP Iveco TT Assen 第7戦 オランダGP
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ストーナー今季3度目のPP。ペドロサが2番手と続き、Repsol Honda Teamは、今季3度目の1-2グリッドを獲得

2012年6月29日(金)・予選  会場:アッセン・サーキット  天候:晴れのち小雨  気温:22℃  コースコンディション:ドライ

第7戦オランダGPの予選は、セッション中に2度の通り雨がアッセンに降り注ぐ難しいコンディションとなり、最後のアタックでベストタイムをマークしたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、2戦ぶり今季3度目のポールポジションを獲得しました。午前中のフリー走行では、セッション開始直後に降った雨に足元をすくわれて転倒するハプニング。この転倒で全身を強く打ったストーナーですが、午後の予選では見違えるような走りを見せて、PPを獲得しました。

  • ケーシー・ストーナー&ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ(左)、ケーシー・ストーナー(右)
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • 	アルバロ・バウティスタ アルバロ・バウティスタ

ストーナーは今大会、チャタリングの改善に向けて、ニューパーツのテストに集中しました。2日目も引き続きテストを行いましたが、フリー走行の転倒と不安定な天候で思うように進めることができませんでした。しかし、難しいコンディションの中で、RC213Vのパフォーマンスを引き出すことに成功しました。

チームメートのダニ・ペドロサは、2番手に続きました。その差は0.115秒差。最後のアタックで自身のベストタイムをマークし、さらなるタイム更新に挑みましたが、コースアウトを喫し、タイム更新はなりませんでした。フリー走行と予選では、選手たちは通り雨に悩まされましたが、フリー走行ではトップタイムをマーク。午後の予選もセッション終盤までトップに立つ好走を見せました。ラスト5分のアタック合戦で、チームメートにPPを譲りましたが、第3戦ポルトガルGP、第4戦フランスGPに続き、Repsol Honda Teamとしては、今季3回目の1-2グリッド獲得となりました。

ルーキーのステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、今季ベストグリッドの4番手を獲得しました。初日のフリー走行は11番手。2日目のフリー走行も11番手とポジションを上げることができませんでしたが、午前中のフリー走行では、トップタイムをマークしたペドロサとの差は0.815秒差。午後の予選では、アタックするタイミングもよく、一気に4番手に浮上し、第5戦カタルニアGPの8番手を上回るグリッドを獲得。決勝では、第4戦フランスGPの5位以上のリザルトが期待されます。

初日のフリー走行で4番手と好調なスタートを切ったアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、2日目のフリー走行でも順調にタイムを更新し、3番手に浮上しました。午後の予選では、2戦連続PPとフロントロー獲得の期待が高まりましたが、最後のアタックで転倒を喫し、8番手に終わりました。しかし、前戦イギリスGPからの好調をキープしているだけに、決勝では追い上げのレースが期待されます。

CRTマシンのミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は、CRT勢では3番手、総合14番手から決勝に挑みます。

Moto2クラスは、マルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が2戦ぶり今季5度目のPPを獲得しました。2番手にポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)、3番手にアンドレア・イアンノーネ(Speed Master)と続き、フロントローに並んだ3選手が、1分37秒台の好タイムをマークしました。日本人勢は、中上貴晶(Italtrans Racing Team)が14番手、高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は29番手から決勝に挑みます。

Moto3クラスは、サンドロ・コルテセ(KTM)がPPを獲得。Honda勢は、ルーキーのニッコロ・アントネッリ(San Carlo Gresini Moto3)が初のフロントロー獲得となる3番手。総合首位のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が6番手で、以下、アレクシ・マスボー(Caretta Technology)、ミゲル・オリベイラ(Estrella Galicia 0,0)、ヤコブ・コーンフェール(Redox-Ongetta-Centro Seta)と続きました。今大会は、PPから1秒差以内に17台がひしめき合う激戦となりました。ルーキーの藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は34番手から決勝に挑みます。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ポールポジション)「午前中の転倒は、これまで経験した中では、最もひどいクラッシュの一つだったと思います。頭、首、手首、ヒザ、そして肩を痛めました。ひどい転倒でした。肩はそれほど痛みはありませんが、高速コーナーでは影響があるかもしれません。シケインやそのほかの切り返しでは、ヒザが痛みました。チームは本当にすばらしい仕事をしてくれました。僕やマシンが100%ではないときでも、集中してくれました。リアタイヤのグリップに苦戦しているときも、あきらめませんでした。初日1回目のフリー走行以来、初めてソフトのリアタイヤを使いました。これで、マシンのフィーリングがもっとよくなりました。そして最高のラップを刻んで、ポールポジションを獲得することができました。レースペースではまだ苦戦していますので、ウオームアップでは、これに取り組まなければなりません。そしてレースの前には、いくつか決断もしなければならないです。今日は、とても変な一日になりましたが、明日は優勝争いをしたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)「すべてのセッションで、とてもいい仕事をすることができました。最後の最後にポールポジションは逃してしまいましたが、今日の予選には満足しています。目標はフロントローに並ぶことでした。ここの第1コーナーはとても近くて狭いです。いいレースペースを得るために、よくがんばったと思います。今日は、フロントタイヤの感触を少し改善することができました。明日のレースでは、これを確認したいです。タイムはとても接近していますので、キーポイントはどれだけいいレースペースで走れるかにかかっています。気分はいいし、マシンもうまく機能しています。シルバーストーンのときと同様に、天候は不安定ですので、あとは正しいタイヤチョイスをすることです。ソフトタイヤの方がポテンシャルはありますが、レースディスタンスでは100%ではありません。特に左側は柔らかすぎるようです。ここではコーナー出口での安定性が重要になりますし、その点では、ハードコンパウンドがよかったです。明日のコンディションがどうなるのかを見て、レースではベストを尽くしたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 4番手)「ようやくすべてをまとめることができて、とてもいい予選になりました。とてもいいラップタイムが出せましたし、とてもいいスターティンググリッドを獲得することができました。昨日はとても苦戦しましたので、この結果は期待していませんでした。しかし、集中力を欠かさず、あきらめなかったら、結果がついてきました。チームは強さを見せました。完ぺきな戦略でしたし、いいマシンのバランスを見つけることもできました。天気が不安定だったので簡単なことではなかったです。これが本当のポテンシャルです。この先も今日のような走りを繰り返したいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 8番手)「午前中はとてもいい仕事ができたし、ペースもよかったです。それだけに転倒は残念でした。午後は雨が降ってしまい、タイムを出しそびれてしまいました。そのあと、雨が上がってコースに戻り、プッシュしようとしたらフロントから転倒してしまいました。この転倒で、グリッドをかなり落としてしまいました。よかったことは、速くていいリズムがあるということです。だからがんばっていいスタートを切りたいです。できる限り早くポジションを上げて、トップの選手たちと離れないようにしたいです」

ミケーレ・ピロ(MotoGP 14番手)「午後は雨のためにセッションの半分が無駄になってしまいました。それでも、CRTのトップ2台とのギャップを少し縮めることができました。これはポジティブなことです。まだやることはあります。特に振動の問題を解決しなければなりません。明日はチームが解決するのを助けてくれると思います。それが解決すれば、いいレースができると思います」

中本修平|HRCチーム代表「ケーシーがPP、ダニが2番手と、いいグリッドを獲得することができました。天候が不安定でしたが、なんとかレースで戦えるかなという状態を作ることができました。しかし、内容は決して満足いくものではありませんし、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)の仕上がりがいいので、明日も厳しい戦いになることを覚悟しています。ケーシーは、フリーで転倒したため、身体的に厳しい予選になりましたが、彼のすばらしいパフォーマンスでPPを獲得しました。ダニは、仕様の違う車体でセットアップを進めてきましたが、この2日間でかなりまとまってきたと思います。引き続きセットアップを進めていきたいです。明日も難しく厳しいコンディションになることが予想されます。どんなコンディション、天候になっても、全力を尽くしたいと思います」

マルク・マルケス(Moto2 ポールポジション)「フリー走行で転倒しましたが、その理由もわかっていますし、身体も大丈夫でした。予選では、転倒した問題も解消できたのでプッシュしましたが、今度は低速コーナーで転んでしまいました。コントロールを失ってマシンから投げ出されましたが、ケガがなくてよかったです。明日の決勝に向けて、ペースはいいし自信もあります。そして、予選ではポールポジションも獲得することができました。シルバーストーンの時のように苦しんでいませんし、明日は優勝できるようにがんばりたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 2番手)「とてもいいペースで走ることができましたので、レースへ向けて自信はあります。今日は、僕とマルクだけが何度か1分37秒台を出すことができました。アンドレアも予選になるといつもいいところにいますので、明日は彼も優勝争いに加わってくるに違いないです。もしかすると、シルバーストーンの時のスコット・レディングのように、驚くようなレースをするかもしれません。今日はPPを獲得できませんでしたが、大事なのはフロントローにいることなのでうれしいです。明日は大変なレースになるでしょう。優勝できるようにベストを尽くしたいです。少なくとも表彰台に上がりたいと思います」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 3番手)「フロントローに並ぶのは、とても大事なことです。今日は、あまり楽な一日ではありませんでした。チャターに苦しみましたが、少しずつよくなっています。明日のレースは厳しいと思います。マルケスとエスパルガロはとても速いです。激しいバトルになると思います。明日のレースが楽しみです」

中上貴晶(Moto2 14番手)「昨日から今日にかけて、思ったようにマシンはよくなりませんでした。ここはギャップが多いですが、ちょっとしたギャップになっただけで大きく振られてしまいます。そういう状態ですので、無理ができなくて、一発のタイムも狙えませんでした。決勝に向けて安定感を出したいと思います。そうしないと上位で戦えません。ウオームアップでなんとかいい状態を見つけたいです」

高橋裕紀(Moto2 29番手)「昨日からチャタリングに苦しんでいます。昨日は、走行後に組み付けミスが見つかり、それが原因かなと思ったのですが、それだけではないことがわかりました。とにかくブレーキングからグリップまで全然攻められなくて苦しんでいます。だんだん原因が絞られてきていますので、よくなることに期待したいです」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 3番手)「すばらしい予選になり、うれしいです。毎レース前進しています。今回は、すべてのセッションで速かったです。今日の午後は、目標にしていたトップ5に入ることもできました。とても混雑していましたので、最後のラップでタイムを出すのが大変でしたが楽しかったです。多くの選手たちをパスしなければなりませんでしたが、それが自信になりました。明日はいいレースになることを願っています」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 6番手)「今日の予選は、自分のペースで走りたかったです。ここは難しいサーキットで、スリップストリームを使わなかったため、ポールポジションを逃してしまいました。しかし、決勝に向けていいペースを見つけることができたのでうれしいです」

藤井謙汰(Moto3 34番手)「午前中のフリー走行までは順調でした。着実にタイムを上げることができましたが、予選では思ったようにタイムが伸びませんでした。タイムを更新しても、まわりも同じようにタイムを上げてきますので、なかなかポジションを上げられませんでした。明日は一つでも上の順位を目指してがんばりたいです」

予選

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
11ケーシー・ストーナーHonda1:33.713
226ダニ・ペドロサHonda+0.115
399J.ロレンソヤマハ+0.288
46ステファン・ブラドルHonda+0.322
535C.クラッチローヤマハ+0.773
611B.スピーズヤマハ+0.931
74A.ドヴィツィオーゾヤマハ+0.985
819アルバロ・バウティスタHonda+1.009
969N.ヘイデンドゥカティ+1.038
1046V.ロッシドゥカティ+1.344
118H.バルベラドゥカティ+1.576
1214R.デ・ピュニエART+2.117
1341A.エスパルガロART+2.294
1451M.ピロFTR+2.934
1554M.パシーニART+3.230
169D.ペトルッチIODA+3.254
1717K.アブラハムドゥカティ+3.397
1868Y.ヘルナンデスBQR+3.478
1977J.エリソンART+3.568
2022I.シルバBQR+3.841
215C.エドワーズSUTER+4.592

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193マルク・マルケスSUTER1:37.133
240ポル・エスパルガロKALEX+0.455
329アンドレア・イアンノーネSPEED UP+0.823
44ランディ・クルメンナッハKALEX+1.146
577ドミニク・エージャーターSUTER+1.216
63シモーネ・コルシFTR+1.267
745スコット・レディングKALEX+1.268
838ブラッドリー・スミスTECH 3+1.281
915アレックス・デ・アンジェリスFTR+1.350
1012トーマス・ルティSUTER+1.355
1180エステベ・ラバトKALEX+1.378
1236ミカ・カリオKALEX+1.392
1314ラタパーク・ウィライローSUTER+1.440
1430中上貴晶KALEX+1.503
1588リカルド・カルダスAJR+1.509
1644ロベルト・ロルフォSUTER+1.532
1771クラウディオ・コルティKALEX+1.766
1876マックス・ノイキルヒナーKALEX+1.817
195ヨハン・ザルコMOTOBI+1.863
2049アクセル・ポンスKALEX+2.058
2124トニ・エリアスSUTER+2.067
2263マイク・ディ・ミリオSPEED UP+2.074
2360フリアン・シモンSUTER+2.124
2419ザビエル・シメオンTECH 3+2.169
2518ニコラス・テロールSUTER+2.451
268ジノ・レイSUTER+2.495
277アレクサンダー・ルンドMZ-RE Honda+2.808
28 72高橋裕紀FTR+3.542
29 50ダミアン・クドリンBIMOTA+3.613
30 57エリック・グラナドMOTOBI+3.837
31 10マルコ・コランドレアFTR+4.143
32 82エレナ・ロセールMORIWAKI+5.140

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
111S.コルテセKTM1:43.645
252D.ケントKTM+0.249
327ニッコロ・アントネッリFTR Honda+0.343
455H.ファウベルKALEX KTM+0.429
531N.アジョKTM+0.452
625マーベリック・ビニャーレスFTR Honda+0.533
710アレクシ・マスボーHonda+0.628
844ミゲル・オリベイラSUTER Honda+0.666
984ヤコブ・コーンフェールFTR Honda+0.684
1039L.サロンKALEX KTM+0.731
1123A.モンカヨKALEX KTM+0.763
1296ルイス・ロッシFTR Honda+0.806
1361A.シシスKTM+0.888
1489アラン・ティーチャーTSR Honda+0.889
1519アレッサンドロ・トヌッチFTR Honda+0.896
1642アレックス・リンスSUTER Honda+0.897
175ロマノ・フェナティFTR Honda+0.916
1863Z.カイルディンKTM+1.105
1941B.バインダーKALEX KTM+1.181
2099D.ウェッブMAHINDRA+1.529
2126エイドリアン・マーティンFTR Honda+1.609
2240フリアン・ミラレスHonda+1.635
239トニ・フィンスターブッシュHonda+1.746
247エフレン・バスケスFTR Honda+1.775
2521イバン・モレノFTR Honda+1.951
2632アイザック・ビニャーレスFTR Honda+2.052
2715シモーネ・グロツキーSUTER Honda+2.310
2822ブライアン・スホーテンHonda+2.336
293L.モルチャーノIODA+2.382
3077M.シュローターMAHINDRA+2.414
3153ジャスパー・イウェマFGR Honda+2.528
3230ジュリアン・ペドネSUTER Honda+3.238
338ジャック・ミラーHonda+3.632
3451藤井謙汰TSR Honda+3.774
*94J.フォルガーIODA+8.086

* 「107%ルール」の適用により順位つかず