round 06

June 16 2012 MotoGP Hertz British Grand Prix 第6戦 イギリスGP
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バウティスタ、初のポールポジション獲得
ストーナーは3番手、今季5度目のフロントローから決勝に挑む

2012年6月16日(土)・予選  会場:シルバーストーン・サーキット  天候:曇り、ときどき雨
気温:17℃  コースコンディション:ドライ

第6戦イギリスGPの予選は、厚い雲が空を覆い、断続的に小雨が降る難しいコンディションの中で行われ、アルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)が、最高峰クラスでは初のポールポジションを獲得しました。初日のフリー走行で3番手と好調なスタートを切ったバウティスタは、気温17℃、路面温度が21℃という低い条件の中で積極的な走りを披露、セッション終盤にベストタイムをマークしました。

  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル

この日は、気温が低いだけでなく、強い風が吹きつける厳しい条件となりました。しかし、午前中のフリー走行、午後の予選と着実にセットアップを進め、Honda RC213Vに乗って6戦目にして、初のPP獲得となりました。バウティスタは、「ロングランでも、いいペースで走れている」と自信を見せます。決勝では、初の表彰台と初優勝に闘志を燃やしています。

初日のフリー走行でトップタイムをマークし、2日目午前中のフリー走行でも首位をキープしたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、フリー走行、予選と、タイヤの機能を引き出すためのセットアップに集中しました。この日はチャタリングに悩み、エッジのグリップ不足にも苦労しました。しかし、ソフトタイヤを入れてのアタックではPPを狙えるペースを保持するも、セッション終盤に降った雨のためアタックを中断、3番手に終わりました。不安定なコンディションとセットアップに苦労した2日間でしたが、決勝では、イギリスGP2連覇と今季3勝目に向けて全力を尽くします。

2年ぶりのシルバーストーンとなるダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、ベースのセッティングを見つけるために初日は9番手と慎重なスタートになりましたが、2日目のフリー走行では6番手、予選では5番手へと着実にポジションを上げました。しかし、今大会から投入されているブリヂストンのニュースペックのフロントタイヤのパフォーマンスをうまく引き出すことができず、決勝に向けて、やや不安を抱える一日となりました。

初日5番手とまずまず好調なスタートを切ったステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、2日目午前中のフリー走行で転倒を喫し、その影響で午後の予選では完全なアタックができませんでした。また、セッション終盤の雨の影響もあり、9番手へとポジションを落とす残念な一日となりました。不安定な天候に翻ろうされる一日となりましたが、調子はいいだけに、決勝では追い上げのレースに期待されます。

CRTマシンのミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は、CRT勢としては4番目となる14番手から、決勝に挑みます。

Moto2クラスは、ポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)が、今季初PPを獲得。アンドレア・イアンノーネ(Speed Master)が、開幕戦カタールGP以来のフロントロー獲得となる2番手、ホームGPに気合満点のスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)が3番手で、今季2度目のフロントローを獲得しました。

Moto2クラスも、断続的に小雨がぱらつき、強風に悩まされるセッションとなりました。その中で、2列目4番手には、レディング同様、ホームGPに闘志を抱くブラッドリー・スミス(Tech 3 Racing)、午前中のフリー走行で転倒を喫したマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が5番手、一昨年の大会でPPを獲得しているクラウディオ・コルティ(Italtrans Racing Team)が6番手と続きました。

日本人勢は中上貴晶(Italtrans Racing Team)が、セッション中は10番手前後につける走りを見せていましたが、セッション終盤に転倒を喫し、17番手に後退。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は、初日から高速コーナーでの安定性に苦しんで、28番手へとポジションを落としました。

Moto3クラスは、初日5番手のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)がフランス、カタルニアに続き、3戦連続でPPを獲得。カタルニアGPからの2連勝と今季3勝目に向けて、絶好のグリッドを獲得しました。2番手には、初日2番手のエフレン・バスケス(JHK Laglisse)、3番手にアレクシ・マスボー(Caretta Technology)と、Honda勢がフロントローを独占。総合5番手のルイス・ロッシ(Racing Team Germany)が7番手、総合4位につけるロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)が9番手、総合6位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が10番手に入りました。藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は、30番手から決勝に挑みます。

コメント

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ポールポジション) 「僕もチームにとっても、とてもうれしい一日となりました。このポールポジションは偶然ではありません。100%以上の力を出して一生懸命がんばってきた、みんなの努力が実を結んだのだと思っています。今日のコンディションは難しかったです。でも、いいセッティングを見つけることができました。セッション中、ずっとPP争いをしていました。そして自己ベストも出すことができました。残り数分で雨が降り出し、だれもタイムを更新することができませんでした。もし雨が降らなかったら、新品タイヤがありましたし、ベストラップを出したときもミスをいくつか犯していたので、もっと速いタイムを出せたと思います。明日はポールポジションからスタートします。いいレースペースがあるので、いい結果が出せることを願っています」

ケーシー・ストーナー(MotoGP 3番手) 「午後のセッションは正直言って、少し残念でした。エッジグリップが得られず、チャターもひどくなり、苦労してしまいました。午前中からの問題を直そうとがんばったんですけれど、悪くなるばかりでした。いろいろ試して、やっといい状態が見つかりました。そこで、新品のリアタイヤを入れてコースに出たら、雨が降り始めて、アタックできなくなりました。タイムを出すために雨が止むのを待っていたのですが、残念ながらポールポジションを得るチャンスはありませんでした。明日のレースは中途半端なコンディションではなく、ウエットかドライか、どちらかのレースになってほしいです。でも、どんなコンディションでもがんばりたいです。どちらの状況でも、自信はあります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手) 「昨日より、だいぶんラップタイムを上げることができました。順位も少し上げることができました。でも最後に雨が降ってしまい、アタックすることができなくなりました。午後は、マシンのセットアップが進んで、満足しています。明日のウオームアップでは、もう一歩前進できると思っています。予選では、いいペースで走れたと感じます。でもフィーリングは、昨日とあまり変わりませんでした。新品のフロントタイヤでたくさん周回しましたが、後半まで持つかどうか分かりません。新しいフロントタイヤは安全ではないと、まだ考えています。今日はたくさんの転倒を見ました。明日はいいスタートを切らなければなりません。また、いいペースを20周キープしなければなりません。このサーキットは、あまり経験がありません。昨年はレースに出られませんでしたし、2010年はタイヤの選択を失敗して、よくないレースになりました。でも明日は全力を尽くして、いい結果を出したいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 9番手) 「正直言って、今日はあまり楽しくありませんでした。天候は変わりやすく、午前中の転倒のダメージもかなり大きかったんです。予選では、指のケガの影響で、100%の状態ではありませんでした。天候もとても奇妙なものとなりました。ところどころ雨が落ちていたので、ソフトタイヤでもちゃんと走ることができませんでした。最後は、マシンの安定性を感じることができなくなりました。また強風にも苦しみましたし、完ぺきな一日ではありませんでした。でも明日は、いいレースができると思っています。フロントグループからそれほど離れてはいません。とにかく、天気がもう少し安定することを願っています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP 14番手) 「もっといい結果を出せたかもしれませんが、残り数分で雨が降り始め、ラップタイムを上げることができませんでした。でも、レースペースはいいので、うれしいです。CRTのトップライダーたちと戦えると思っています。今回もまた一歩、前進できました。明日もまた前進できると思っています」

中本修平 | HRCチーム代表 「今日はケーシーもダニも、路面コンディションとタイヤが合わなかったようです。明日も今日のようなコンディションなら、2人ともに使うタイヤは決まっています。それを何とか使えるように、時間を費やす一日でした。バウティスタは、アタックのタイミングがよかっただけでなく、このコンディションで3秒前半のタイムを出せたのですから、いい走りだったと思います。ケーシーとダニは、雨が降ってきたのでアタックすることができなくなりました。もし、ちゃんとアタックできていれば、2秒台はいけたと思われます。昨日、今日と、不安定な天候が続きましたが、決勝はドライできっちりと戦いたいものです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ポールポジション) 「とてもうれしいです。コンディションはとても難しく、危険な時もありました。でも、今年初めてのポールポジションを獲得できたので、うれしいです。先週のモントメロ(カタルニア・サーキット)は最悪でした。たくさんポイントを失ってしまいましたからね。でも明日は、いいレースができると思います。コンディションは、今日みたいになることを願っています。雨が降らず、風があまり吹かないことを願っています。一生懸命がんばってくれているチームに感謝したいです」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 2番手) 「ようやく、うまくいき始めています。バルセロナでは優勝することができました。ここでもまた、いい走りができています。今回は、車体のフィーリングを見つけるのに時間がかかりました。自分たちで作っている車体なので、大変な作業でした。レースは速く、接戦になるでしょう。とにかく天気がよくなることを願っています」

スコット・レディング(Moto2 3番手) 「レースに向けて、自信はあります。でも天気が難しいですね。風がまったく予想できませんし、何度か、危ない瞬間がありました。一度はトーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)が、目の前で転びそうになりました。そのためにタイムを落としてしまいました。でも大事なことは、安定して速いということです。明日はいいレースにしたいです」

マルク・マルケス(Moto2 5番手) 「午前中にかなり大きなクラッシュをしてしまいましたけれど、幸いケガはありませんでした。午後は風がとても強くて、理想的なセッティングを見つけることができませんでした。でも明日のレースへ向けて、5番手を獲得できたのでよかったと考えます。ほかのレースと同じで、前のライダーたちとちょっとタイムが離れています。明日のウオームアップで、タイムをあとコンマ数秒縮めるために、データを見直し、いろいろ試したいです」

中上貴晶(Moto2 17番手) 「昨日は、フロントの安定性がなくて、まったくダメでした。今日は、フロントのセッティングを大きく変えて、かなりよくなり、タイムも上げることができました。予選に向けて、さらにセッティングをアジャストしたものの、まだ高速コーナーの安定性と、信頼性が足りません。決勝に向けてもう少し、いい状態を見つけたいです。予選では、セッションの終盤に転倒してしまいました。マシンに大きなダメージがなくてよかったです」

高橋裕紀(Moto2 28番手) 「昨日からセッティングを変えました。走り出しはよくなった印象がありましたが、それからセッティングを進めていったところ、悪い方向にいってしまったようです。走り出しがよかっただけに、とても残念でした」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ポールポジション) 「難しいコンディションとなりましたが、とても快適でした。ドライで走ることもできましたし、明日もドライでレースがしたいですね。今日は風が強かったです。コースが長いので、風の影響を受けてしまいます。しかし、いいタイミングでタイムを出すことができ、ポールポジションを獲得できたので、とてもうれしいです。ここは昨年初めてポールポジションを獲得した場所なので、明日に向けて、気分はいいです。集中できています。厳しいレースになるとは思っています。逃げるのは難しいとは感じますが、全力を尽くしたいです」

エフレン・バスケス(Moto3 2番手) 「予選はとてもよかったですし、今年2度目の2番手になることができました。いいリズムがあります。一番大事なことは、すべてのレースでベストを尽くすことです。明日はいいレースをしたいです。そして、いい結果を残したいです。Moto3は難しいカテゴリーです。たくさんの若いライダーたちがトップにいます。前回のカタルニアはとても難しいレースでした。明日はいいスタートを切って、毎周、全力で走りたいです」

アレクシ・マスボー(Moto3 3番手) 「いい予選でした。フリー走行では転倒してしまいましたが、マシンの感触はいいものでした。思い通りにプッシュできました。最初はたくさんのライダーがコースにいて、難かしい走りになりましたが、その後、ピットに戻り、タイヤを交換してコースに戻ったら、タイムを上げることができました。でも、エキゾーストが損傷して、予選を最後まで走ることができませんでした。それでもフロントローを獲得できたのですから、パーフェクトだったと言えます。バルセロナでは、表彰台まであと少しでした。今回は表彰台も可能だと思うので、全力を尽くしたいです」

藤井謙汰(Moto3 30番手) 「午前中のフリー走行はあまりよくありませんでしたが、予選は2秒、タイムを上げることができました。激しいセッションで、まるでレースのようでした。その中でいいフィーリングを見つけられましたし、この調子をキープしたいです。最初は、どこを走っていいのかも分からないコースだったんですが、だんだんラインが見えてきました。明日はいいレースをしたいです」

予選

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
119アルバロ・バウティスタHonda2:03.303
211B.スピーズヤマハ+0.106
31ケーシー・ストーナーHonda+0.120
499J.ロレンソヤマハ+0.460
526ダニ・ペドロサHonda+0.532
68H.バルベラドゥカティ+0.573
769N.ヘイデンドゥカティ+0.859
84A.ドヴィツィオーゾヤマハ+1.001
96ステファン・ブラドルHonda+1.732
1046V.ロッシドゥカティ+2.113
1141A.エスパルガロART+2.980
1214R.デ・ピュニエART+3.000
1368Y.ヘルナンデスBQR+3.511
1451M.ピロFTR+3.713
155C.エドワーズSUTER+4.073
1654M.パシーニART+4.208
1777J.エリソンART+4.925
189D.ペトルッチIODA+5.383
1922I.シルバBQR+6.789
NQ17K.アブラハムドゥカティ-
NQ 35C.クラッチローヤマハ-

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140ポル・エスパルガロKALEX2:08.011
229アンドレア・イアンノーネSPEED UP+0.385
345スコット・レディングKALEX+0.605
438ブラッドリー・スミスTECH 3+0.833
593マルク・マルケスSUTER+0.853
671クラウディオ・コルティKALEX+0.872
712トーマス・ルティSUTER+1.109
85ヨハン・ザルコMOTOBI+1.342
915アレックス・デ・アンジェリスSUTER+1.628
103シモーネ・コルシFTR+1.765
1177ドミニク・エージャーターSUTER+1.790
124ランディ・クルメンナッハKALEX+1.819
1344ロベルト・ロルフォSUTER+1.983
148ジノ・レイSUTER+2.066
1563マイク・ディ・ミリオSPEED UP+2.069
1676マックス・ノイキルヒナーKALEX+2.081
1730中上貴晶KALEX+2.143
1836ミカ・カリオKALEX+2.191
1914ラタパーク・ウィライローSUTER+2.265
2080エステベ・ラバトKALEX+2.287
2149アクセル・ポンスKALEX+2.372
2224トニ・エリアスSUTER+2.462
2347アンヘル・ロドリゲスBIMOTA+2.910
2419ザビエル・シメオンTECH 3+2.976
2588リカルド・カルダスAJR+3.372
2660フリアン・シモンSUTER+3.643
2718ニコラス・テロールSUTER+3.702
2872高橋裕紀SUTER+3.753
297アレクサンダー・ルンドMZ-RE Honda+4.073
30 10マルコ・コランドレアFTR+5.491
31 22アレッサンドロ・アンドレオッティFTR+6.622
32 57エリック・グラナドMOTOBI+6.792
33 82エレナ・ロセールMORIWAKI+7.013

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
125マーベリック・ビニャーレスFTR Honda2:16.187
27エフレン・バスケスFTR Honda+0.198
310アレクシ・マスボーHonda+0.856
411S.コルテセKTM+0.936
552D.ケントKTM+1.150
639L.サロンKALEX KTM+1.298
796ルイス・ロッシFTR Honda+1.352
863Z.カイルディンKTM+1.686
95ロマノ・フェナティFTR Honda+1.717
1042アレックス・リンスSUTER Honda+1.721
1144ミゲル・オリベイラSUTER Honda+1.903
1219アレッサンドロ・トヌッチFTR Honda+1.964
1327ニッコロ・アントネッリFTR Honda+2.051
1484ヤコブ・コーンフェールFTR Honda+2.235
1561A.シシスKTM+2.348
1623A.モンカヨKALEX KTM+2.645
1789アラン・ティーチャーTSR Honda+2.750
1831N.アジョKTM+2.791
1994J.フォルガーIODA+2.828
2026エイドリアン・マーティンFTR Honda+2.846
2199D.ウェッブMAHINDRA+2.941
2253ジャスパー・イウェマFGR Honda+3.343
2355H.ファウベルKALEX KTM+3.520
248ジャック・ミラーHonda+3.536
2515シモーネ・グロツキーSUTER Honda+3.854
2641B.バインダーKALEX KTM+3.893
279トニ・フィンスターブッシュHonda+4.053
2832アイザック・ビニャーレスFTR Honda+4.253
2917ジョン・マクフィーKRP Honda+4.876
3051藤井謙汰TSR Honda+4.967
313L.モルチャーノIODA+5.123
3230ジュリアン・ペドネSUTER Honda+5.241
33 79 フレーザー・ロジャースKRP HONDA+5.500
3421イバン・モレノFTR Honda+5.557
3577M.シュローターMAHINDRA+5.620