round 06

June 15 2012 MotoGP Hertz British Grand Prix 第6戦 イギリスGP
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トップタイムをマークしたストーナー、2連覇に向けて上々のスタートを切る

2012年6月15日(金)・1日目フリー走行 会場:シルバーストーン・サーキット 天候:曇り時々雨 
気温:17℃ コースコンディション:ウエット/ドライ

第6戦イギリスGPのフリー走行は、終日、不安定な天候となり、路面コンディションが目まぐるしく変化しました。午前中はウエット。午後の走行は青空が広がりドライコンディションとなりましたが、セッション序盤に通り雨が降り、雨が上がると同時に強風が吹き始めるという厳しい条件に選手たちは悩まされました。しかし、昨年の大会で優勝しているケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が順調にタイムを短縮して、トップタイムをマークしました。ウエットとなった午前中の走行では、セットアップを繰り返しながら4番手でしたが、午後の走行では、イギリスGP2連覇と今季3勝目に向けて大きく前進しました。

  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ミケーレ・ピロミケーレ・ピロ

前戦カタルニアGPでは、不安定な天候とタイヤの選択に失敗して表彰台を逃す4位。今大会も不安定な天候が予想されるだけに、ストーナーは、ウエット、ドライともに慎重にセットアップを進めました。カタルニアGP後のテストでは、今季課題となっているチャタリング対策で一歩前進。その成果を感じさせる初日の走行となりました。

3番手にはアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)。ウエットとなった午前中のセッションでは転倒を喫するも、今季苦手としていたウエットコンディションの克服に大きく前進しました。ドライコンディションでは、レースをこなすごとにRC213Vのポテンシャルを引き出すことに成功していますが、2番手となったカタルニアGPに次ぐ3番手の好位置で初日を終えて、2日目の予選に大きな期待が膨らみました。

ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も好調なスタートを切りました。午前中のウエットでは6番手。ドライになった午後の走行では5番手へと1つポジションを上げることに成功しました。シルバーストーンは、昨年、Moto2クラスで優勝しているサーキット。好調なスタートを切ったブラドルは、第4戦フランスGPの5位をしのぐベストリザルトの獲得に闘志を燃やしています。

昨年、ケガのためにイギリスGPを欠場、シルバーストーンを走るのが2年ぶりとなるダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、昨年のデータを基にセッションをスタートさせました。ウエットとなった午前中は7番手。ドライになった午後の走行では9番手と、自分の走りに合ったセッティングを見つけるための一日となりました。一昨年の大会では予選3番手とフロントローを獲得しているだけに、2日目のタイム短縮が期待されます。

CRTマシンのミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は14番手。CRT勢では2番手タイムをマークし、順調なスタートを切りました。

Moto2クラスも、1回目の走行はウエット、2回目の走行がドライとなり、ポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)がトップタイムをマークしました。以下、スコット・レディング(Marc VDS Racing Team)、ブラッドリー・スミス(Tech 3 Racing)と、ホームGPに闘志を燃やす地元勢が続き、4番手にマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)、5番手にヨハン・ザルコ(JIR Moto2)、6番手にアレックス・デ・アンジェリス(NGM Mobile Forward Racing)と、ここまでがトップから1秒差以内の接戦。シルバーストーンを初めて走る中上貴晶(Italtrans Racing Team)はセッティングが決まらず25番手。ウエットコンディションでは今季ベストの10番手につけた高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は、ドライで苦戦して27番手。両選手ともに、2日目のポジションアップに闘志を燃やしています。

Moto3クラスは、サンドロ・コルテセ(KTM)がトップタイム。以下、エフレン・バスケス(JHK Laglisse)、ロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)、アレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)、そして総合2位につける マーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が5番手とHonda勢が続き、ルーキーの藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は30番手でした。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP 1番手)「今日はあまり学ぶことができませんでした。最初のセッションはウエットだったので、現状を理解しようとしました。でも徐々に乾きはじめたので、ウエットコンディションでのきちんとしたデータを得るのが難しかったです。午後も同じような状況でした。コースに出て数周走ったときに雨が降り始め、セッションのほとんどが無駄になってしまいました。攻める走りをするのはとても難しく、ピットに戻り調整をしましたが、時間がかかって、あまりたくさん周回することができませんでした。明日は、いい天気になってほしいと思います。今日のように風が強いと、セッティングが難しくなってしまいます。でもそれはみんなも同じなので仕方ないです。チャタリングの問題は少し改善されましたが、もう少し安定した状態になるよう、明日もセットアップを進めたいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 3番手)「午前中はトリッキーなコンディションの中で転倒してしまいましたが、いいスタートとなりました。同じようなコンディションになったル・マンではマシンに自信が持てませんでしたが、今日はかなりよかったです。転倒するまでは3番手で走っていましたし、マシンを調整するごとによくなりました。それで、少しプッシュしすぎて転倒してしまいました。ドライになった午後は、路面コンディションが完ぺきではなかったにもかかわらず、いい仕事をすることができました。風が強くてとても大変でしたが、とにかく自信を持って走れるようになりました。特にバンプに乗り上げたときの安定性がよくなりました。明日ドライで走れるようなら、ドライコンディションのセッティングを進めたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 5番手)「今日の結果にはかなり満足しています。ドライでもウエットでも、準備がきちんとできました。ただ、午後のセッションはリアタイヤの消耗が早すぎたので、少し心配です。そのため、ラップタイムを上げるために少し調整しなければなりませんでした。セットアップはまだ100%ではないし、昨年と比べてもラップタイムは遅いです。しかし、決勝に向けて、何をしなければいけないのかは分かっています。全体的には、すべてうまくいっています。少し風邪をひいていますが、これ以上ひどくならないように注意したいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 9番手)「ここに来るのは久しぶりなので、厳しい一日となりました。まるで初めて走るサーキットのようでした。両方のプラクティスは、コースを学ぶために使いました。ギアを合わせたり、コーナーでのライン取り、ブレーキングポイント、そしてローグリップエリアを学ぼうとしました。今日覚えたすべてのインフォメーションを消化して、明日はもう少しコースに慣れて、どんなコンディションになっても前進したいです。ドライコンディションになった午後は、今回から使うことになった新しいブリヂストンのフロントタイヤを使いました。寒いコンディションだったのでソフトコンパウンドを使いましたが、これはソフト過ぎるので、このタイヤでもっとうまく機能するようにマシンのセットアップを少し調整しなければなりません。ウエイト配分に取り組んだら、パフォーマンスがよくなるかもしれません」

ミケーレ・ピロ(MotoGP 13番手)「ウエットセッションとドライセッションがあり、全体的な進行に満足しています。ル・マンと同じようなコンディションですが、そのときに比べたらトップライダーたちとのギャップを縮めることができました。ドライではCRTのトップライダーたちの中に入ることができました。目標に近づいているのでうれしいです。今日の走行では、カタルニアGP後のテストの成果を確認できました。あと2日間はドライコンディションになり、風が弱まることを願っています。今日は本当に風が強かったです」

中本修平|HRCチーム代表「午前中のウエットコンディションは、ケーシー、ダニともに、グリップをうまく引き出せませんでした。しかし、ドライコンディションになった午後は、ケーシーがトップタイムをマークしてくれました。前回のカタルニアGPの事後テストで、チャタリングの対策が見つかりましたが、その成果を出せたと思います。まだ完ぺきではないですし、やらなくちゃいけないことはあるので、明日も引き続きセットアップを進めたいと思います。ダニは昨年、ケガのために欠場しているので、チームが持っている昨年のデータを基に走ってもらいました。しかし、ダニには合わない部分も多く、今日はいろいろなことにトライしながら走ってみたという状態でした。ここは天気の予想がつかないので、明日も天候に応じていい状態を見つけていきたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 1番手)「気分はとてもいいです。午前中のウエットは、マシンのフィーリングがとてもよかったです。チームも一生懸命がんばっています。でも天気が回復した午後は、風が非常に強くなり、いいセッティングを見つけるのがとても大変でした。でも、トップタイムだったのでうれしいです。ここはいつ雨が降ってもおかしくないので、その対策が大事になります。今日のように風の影響も大きいので、注意が必要です。体調はいいし、レースでも問題はないと思います」

スコット・レディング(Moto2 2番手)「午前中のセッションでは路面が徐々に乾いていったので、いいリズムをつかむのが難しかったです。でもまずまずのセッションとなりました。午後はだいぶんコンディションがよかったですが、風が強かったです。大きな問題ではありませんでしたが、風にあおられて出口ではらんでしまうこともありました。そのため、風があまり強くないときを狙って、タイムを出さなければなりませんでした。最後は毎周どこかで少しタイムを落としてしまいました。明日はもう少しタイムを詰めなければなりませんが、今日の仕事には満足しています」

マルク・マルケス(Moto2 4番手)「いい一日となったと思います。午前中のセッションはかなり快適でした。あと2日、天気があまりよくないということを考えると、今日のセッションは重要でした。午後のセッションは、路面温度が低く風も強かったですが、感触はよかったです。いくつか試してみました。いい方向性も見つけたので、有意義な一日でした。もし明日、一日中雨が降り、決勝がドライになっても、セッティングに迷うことはありません。明日もできることなら、ドライで走りたいです。そして、もう少し前進するためにもいくつか試してみたいことがあります」

中上貴晶(Moto2 25番手)「初めて走るサーキットなので、一日ドライで走りたかったです。午前中はウエットになってがっかりしましたが、午後はドライで走れたのでよかったです。しかし、今日はコース攻略というより、フロントのセッティングが決まらず、接地感が全然なくて、最後までちゃんと走ることができませんでした。ウエットもドライも同じ状態で最後まで攻めることができませんでした。コースに慣れるとかそういう以前の問題だったので、明日はちゃんとした状態にして、しっかりと走れるようにしたいです」

高橋裕紀(Moto2 27番手)「ウエットコンディションになった午前中の走行では、今年になって一番いいリザルトの10番手につけることができました。チームメートよりもポジションもよくて、スタッフも手応えを感じてくれたようです。しかし、ドライコンディションでは、高速コーナーでフロントの接地感がなくて全然走れませんでした。低速コーナーでは、かなり攻められるようになったので、明日は高速コーナーでもそういう走りができるようにしたいです。総合で27番手でしたが、大きな前進を感じる一日でした」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 5番手)「初日を終えた印象はとてもいいです。ここは好きなサーキット。とても快適で、今日もいいタイムを出すことができました。最良のセッティングを見つけるためにさまざまなテストを行いました。すべては解決していませんが、確実に前進することができました。明日はもっとよくなると思います。今日はウエットとドライの両方を走れてよかったです。ここの天気はいつも少し不安定ですからね。レースは完全にウエットか、完全にドライになることを願っています」

藤井謙汰(Moto3 30番手)「初めてのサーキットだったので、ブレーキングポイント、アクセルの開けるポイントをつかむところから始めました。ドライコンディションになった午後の走行では、自分よりタイムの出ている選手の後ろについてタイムを上げていくことができました。30番手ですが、タイムの上がり方もよくて、今年になって一番手応えあるセッションでした」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
11ケーシー・ストーナーHonda2:04.791
211B.スピーズヤマハ+0.034
319アルバロ・バウティスタHonda+0.204
469N.ヘイデンドゥカティ+0.562
56ステファン・ブラドルHonda+0.600
64A.ドヴィツィオーゾヤマハ+0.657
799J.ロレンソヤマハ+0.697
835C.クラッチローヤマハ+0.783
926ダニ・ペドロサHonda+1.095
108H.バルベラドゥカティ+1.293
1146V.ロッシドゥカティ+2.334
1214R.デ・ピュニエART+3.102
1351M.ピロFTR+3.744
1454M.パシーニART+4.184
1568Y.ヘルナンデスBQR+4.287
1641A.エスパルガロART+4.588
1777J.エリソンART+5.153
189D.ペトルッチIODA+6.534
195C.エドワーズSUTER+6.809
2022I.シルバBQR+7.946
RT17K.アブラハムドゥカティ-

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140ポル・エスパルガロKALEX2:08.826
245スコット・レディングKALEX+0.509
338ブラッドリー・スミスTECH 3+0.707
493マルク・マルケスSUTER+0.727
55ヨハン・ザルコMOTOBI+0.892
615アレックス・デ・アンジェリスSUTER+0.968
724トニ・エリアスSUTER+1.226
871クラウディオ・コルティKALEX+1.259
929アンドレア・イアンノーネSPEED UP+1.270
103シモーネ・コルシFTR+1.517
1163マイク・ディ・ミリオSPEED UP+1.844
128ジノ・レイSUTER+1.856
1336ミカ・カリオKALEX+1.923
1449アクセル・ポンスKALEX+1.963
154ランディ・クルメンナッハKALEX+2.024
1677ドミニク・エージャーターSUTER+2.069
1744ロベルト・ロルフォSUTER+2.107
1876マックス・ノイキルヒナーKALEX+2.198
1912トーマス・ルティSUTER+2.230
2018ニコラス・テロールSUTER+2.268
2114ラタパーク・ウィライローSUTER+2.341
2288リカルド・カルダスAJR+2.967
2347アンヘル・ロドリゲスBIMOTA+3.056
2480エステベ・ラバトKALEX+3.222
2530中上貴晶KALEX+3.412
2660フリアン・シモンSUTER+3.604
2772高橋裕紀SUTER+3.736
2819ザビエル・シメオンTECH 3+4.500
29 22アレッサンドロ・アンドレオッティFTR+7.055
30 10マルコ・コランドレアFTR+7.075
31 7アレクサンダー・ルンドMZ-RE Honda+7.578
32 57エリック・グラナドMOTOBI+7.653
33 82エレナ・ロセールMORIWAKI+8.147

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
111S.コルテセKTM2:19.063
27エフレン・バスケスHonda+0.382
35ロマノ・フェナティFTR Honda+0.465
442アレックス・リンスSUTER Honda+0.544
525マーベリック・ビニャーレスFTR Honda+0.547
652D.ケントKTM+0.668
796ルイス・ロッシFTR Honda+0.761
839L.サロンKALEX KTM+0.800
923A.モンカヨKALEX KTM+0.914
1010アレクシ・マスボーHonda+1.435
1189アラン・ティーチャーTSR Honda+1.668
1299D.ウェッブMAHINDRA+1.681
1384ヤコブ・コーンフェールFTR Honda+1.745
1444ミゲル・オリベイラSUTER Honda+1.938
1555H.ファウベルKALEX KTM+1.983
1626エイドリアン・マーティンHonda+2.000
1763Z.カイルディンKTM+2.275
1894J.フォルガーIODA+2.334
1953ジャスパー・イウェマFGR Honda+2.535
208ジャック・ミラーHonda+2.787
2127ニッコロ・アントネッリFTR Honda+2.850
2231N.アジョKTM+2.863
2317ジョン・マクフィーKRP Honda+3.136
2415シモーネ・グロツキーSUTER Honda+3.153
2541B.バインダーKALEX KTM+3.310
2661A.シシスKTM+3.465
2719アレッサンドロ・トヌッチFTR Honda+3.492
2821イバン・モレノFTR Honda+3.963
2932アイザック・ビニャーレスFTR Honda+3.989
3051藤井謙汰TSR Honda+4.278
319トニ・フィンスターブッシュHonda+4.357
3279フレーザー・ロジャースKRP HONDA+4.362
3330ジュリアン・ペドネSUTER Honda+5.050
3477M.シュローターMAHINDRA+6.362
353L.モルチャーノIODA+6.653