2011年9月17日(土)・予選 会場:モーターランド・アラゴン 天候:曇り、ときどき晴れ
気温:28℃ コースコンディション:ドライ
第14戦アラゴンGPの予選は、初日に続いてHonda勢がすばらしい走りを披露。ケーシー・ストーナーが今季9度目のポールポジションを獲得、ダニ・ペドロサが2番手と、Repsol Honda Teamの両選手が、すばらしい走りを見せました。
初日3番手だったストーナーは、2日目のフリー走行でトップタイムをマーク。午後の予選では、自身が持つサーキットベストタイムを更新する好走を見せ、3戦連続、今季9度目のPPを獲得しました。初日は路面のグリップが低く、タイヤの消耗が激しい、難しいコンディションでしたが、2日目はグリップも向上、ストーナーは初日より2秒以上タイムを短縮することに成功しました。昨年の大会でもライバルを圧倒したストーナー。アラゴンGP2連覇に向けて、最高の状態で決勝に挑みます。
そのストーナーに続いたペドロサも、順調にセットアップを進めました。電力不足で停電になり、キャンセルとなった初日2回目のフリー走行を補うために、1時間15分に時間を延長した2回目のフリー走行では、ストーナーからわずか0.062秒差の2番手。午後の予選でも、ストーナーとともに1分48秒台の好ラップを刻んで2番手につけました。この日は、快速ラップを連発したストーナーの仕上がりのよさに脱帽のペドロサでしたが、決勝では、地元ファンの声援を受けて、ストーナーとの一騎打ちが予想されます。2戦前のインディアナポリスGPでは、この2人の優勝争いとなりました。今大会は、その戦いが再現されそうです。
以下、Honda勢は、5番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、6番手にマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)と続き、この2人が2列目から決勝に挑みます。
5番手につけたドヴィツィオーゾは、2日連続でリアタイヤの消耗に苦しみましたが、ストーナー、ペドロサが順調にセットアップを進めているだけに、決勝日のウオームアップで最後の調整に挑みます。シモンチェリは、前戦サンマリノGPに続き、燃費に苦しんでいますが、ドヴィツィオーゾと同様に、ウオームアップで最後の調整に挑みます。ストーナー、ペドロサの2人には、アベレージでやや離されてしまった2人ですが、決勝では、表彰台争いに加わることは間違いなく、第11戦チェコGPに続き、Honda勢の今季2回目の表彰台独占が期待されます。
青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、今季ベストグリッドとなる予選9番手。この数戦は、スタートの悪さと序盤のペースの遅さを克服しているだけに、今大会の好走が期待されます。トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も、地元ファンの声援を受けてトップ10入りを目標に全力を尽くします。
Moto2クラスは、マルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が今季6度目のポールポジションを獲得。以下、1秒差以内に7台という接戦になりました。今大会、ニューシャシーで好走を見せたマルケスは、1分53秒台でラップを刻み、ライバルを圧倒。今季7勝目に大きく前進しました。
以下、高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は14番手。2戦連続代役出場の小山知良(Technomag-CIP)は30番手。大接戦の中で厳しいグリッドになりましたが、追い上げのレースに挑みます。
ケーシー・ストーナー(MotoGP ポールポジション) 「今週はすべてが順調でした。マシンの感触はよくて、気分はとてもいいです。しかし、今日はいろんなことがありました。セッションの最後にソフトタイヤを装着して、アタックしました。1周目の第1コーナーは、タイヤが十分に温まっているかどうか分からなかったので、慎重に走りました。しかし2周目は、期待していたよりもグリップがあったので、思っていた以上に攻めることができました。しかし今度は、速すぎてコースアウトしてしまいました。コースを出てからは、なかなか止まれず、壁に衝突しないためにマシンを倒さなければならなかったんです。残念ながら再スタートすることはできませんでしたが、その後、セカンドマシンで走り出して、タイムを上げることができました。明日の天気がどうなるか分かりませんが、全体的に感触はいいです。明日はいいレースをしたいと思います」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手) 「フロントローに並べてよかったです。今日は、マシンの状態が完ぺきではなかったのですが、フロントローを獲得するために、限界まで攻めました。決勝に向けて、もう少し、セットアップを進めたいと考えています。特にフロントのフィーリングは、思ったより快適ではなく、そのためにブレーキングで少し苦労しました。アベレージはケーシーの方がよかったと思います。彼の走りはとても速くて、スムーズでした。だから明日は、彼がペースをつくると思います。離されないようにしたいです。タイヤの選択については、まだ100%の確信はありません。おそらく、タイヤには厳しいレースになると思っています。特に左側はきつい。明日はミディアムコンパウンドがいいと思うのですが、天気を見てから決めたいです。今夜、セッティングで何かを見つけられることを願いたいです。そしてスペインのファンの前でいいレースをしたいです」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手) 「いいペースで走れましたし、今日の予選セッションには満足しています。でもケーシーは強すぎて、無敵に見えます。チャンピオンシップで、今のポジションを維持できるようにベストを尽くしたいです。チャンピオンシップでダニの追撃を抑え、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に対しては、ポイントを縮めたい。今日の予選では完ぺきなアタックができませんでした。でも、2列目からのスタートは悪くありませんし、決勝に向けて引き続きセットアップの仕事をしたいと思います。リアタイヤの問題はまだ残っています。レースのキーポイントは、タイヤマネジメントになると考えています。このような暑さとアスファルトでは、タイヤにはとても厳しい。みんなハードでレースをすると思います。レースではいいスタートをして、トップグループについていきたいです」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 6番手) 「もっと速く走れたと思います。でも、自分のベストラップのときに、ちょうどコースに出てきたペドロサに引っかかってしまいました。もったいなかったです。続いてのアタックも、いくつかミスをして、あまりタイムを上げることができませんでした。トップの2人とは少し離れ過ぎているけれども、もう少しマシンを調整すれば、3番手争いに加われると思っています。昨日のグリップの問題は少し解消しました。でもこれはみんな同じ問題のようです。今、一番の問題は、自分の身長が原因となっている燃費です。この問題の解決策を見つけなければなりません。みんなを信じています。きっと明日は、いい仕事をしてくれるでしょう」
青山博一(MotoGP 9番手) 「午前から午後の予選にかけて、マシンのバランスを見直しました。昨日、制御が効き過ぎているような感じでしたので、これも変更しました。それで全体的にバランスがよくなって、タイムが上がりました。しかし、ベストタイムを出したときには、いくつかのミスもしているので、もう少しいけたとは思います。今年になって初めての3列目は、うれしい。明日の天気予報は、気温が下がりそうなので、コンディションに合わせたセッティングをしたいと考えています。どちらかといえば、気温が高い方がタイヤのパフォーマンスを生かせるので、気温が上がってくれれば、よりいいレースができると思っています」
トニ・エリアス(MotoGP 17番手) 「昨日の2回目のセッションがキャンセルとなり、今日はその分が延長されたので、とても長い一日となりました。マシンを調整するために、たくさんのことを試しました。特に、フロントサスペンションには多くの時間をかけました。しかし、ソフトタイヤは長く持たず、グリップがすぐに落ちてしまうので、ポテンシャルを有効に使うことができませんでした。いくつか前進したことはありますが、トップ10のライダーとのギャップを縮めることはできませんでした。でも明日に向けて、まだやれることはあります。ウオームアップセッションで、もう少し調整して、いいスタートをすれば、トップ10に入れると思っています」
中本修平 | HRCチーム代表 「ケーシーは、順調にセットアップが進みました。うまくまとまっています。このままの調子をキープして、決勝に挑みたいところです。ダニは、グリップ不足を訴えていますが、ケーシーと同様にいい状態なので、明日はこの2人の優勝争いになることを願っています。アンドレアは、ラップタイムが安定していないので、優勝争いに加わるのが厳しいかもしれません。マルコも万全ではありませんが、アンドレアとともに、表彰台は狙えると思っています。前回は優勝できなかったので、今回は優勝することが目標です。そして今大会は、表彰台独占も夢ではありませんので、達成できるように全力を尽くしたいと考えます」
マルク・マルケス(Moto2 ポールポジション) 「明日はいつものように、ベストを尽くしたいです。でも、今日のようなペースをキープするのは難しいと思っています。マシンの感触はとてもいいです。新しいパーツを提供してくれたSUTERに感謝したい。新しいスイングアームで、特にコーナリングが楽になりました。今のところ、すべていいです。でも、ウオームアップでグリップを確認したいところです。と言うのも、明日は風が吹いて天気が変わりそうだからです。ここは、自分にとってホームレースになります。だからいつもより少しモチベーションが上がっているんです」
フリアン・シモン(Moto2 2番手) 「厳しい数カ月のあとに、こうして、フロントローに戻ってくることができて、とてもうれしいです。セッションの最後に転倒してしまったけれども、すばらしい気分です。しかし、とても奇妙な転倒でした。いいセットアップがあるけれど、マルケスほどのペースはありません。明日は、トップ5を目指してがんばりたいです」
スコット・レディング(Moto2 3番手) 「この数戦、マシンの状態はよくなっています。チームはずっと、一生懸命働いてくれています。それなのにいつも問題があって、うまく走れませんでした。今日のフロントロー獲得も、とても大変でした。不可能だと思ったんですが、それは考えないようにして、全力を尽くしました。明日もベストを尽くしたいです」
高橋裕紀(Moto2 14番手) 「途中まで5〜6番手にいたので、終わったときに14番手まで順位が下がっていて、驚いてしまいました。昨日から今日にかけて、マシンのセッティングは進みました。まだまだ自分の思ったような状態にはなっていませんが、新しい車体のいい部分を生かせるようになってきました。最後のアタックは、ハードタイヤで行ったのですが、自分が思っていたようなフィーリングにならず、タイムを出せませんでした。5列目からのスタートなので、いいスタートを切って、トップグループに加わりたいです」
小山知良(Moto2 30番手) 「5月のスペイン選手権の自己ベストを、2秒も短縮することができました。走っていて、けっこうポジションを上げられたと思ったのですが、終わってみたら30番手だったので、がっかりしました。しかし予想通り、すごい接戦なので、明日はポイント獲得を目標に全力を尽くしたいです。前回のサンマリノでは、チームメートが29番手から13位でフィニッシュしているので、今回は自分がそういうレースをしたいと思っています。次の日本GPも、ワイルドカードで出場するので、いいレースをしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | 1:48.451 |
2 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.296 |
3 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.704 |
4 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.819 |
5 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.921 |
6 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +1.077 |
7 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.301 |
8 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +1.326 |
9 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.362 |
10 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.375 |
11 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.432 |
12 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +1.442 |
13 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.509 |
14 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.525 |
15 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.654 |
16 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +2.301 |
17 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +2.622 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | 1:53.296 |
2 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +0.684 |
3 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.708 |
4 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | +0.779 |
5 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.878 |
6 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +0.924 |
7 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +0.993 |
8 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +1.062 |
9 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +1.089 |
10 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +1.094 |
11 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +1.117 |
12 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +1.222 |
13 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +1.278 |
14 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +1.303 |
15 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +1.323 |
16 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +1.329 |
17 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +1.457 |
18 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +1.497 |
19 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +1.593 |
20 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +1.650 |
21 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +1.751 |
22 | 18 | ジョルディ・トレース | SUTER | +1.788 |
23 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +1.879 |
24 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +1.987 |
25 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +2.028 |
26 | 88 | リカル・カルダス | MORIWAKI | +2.099 |
27 | 25 | アレックス・バルドリーニ | PONS KALEX | +2.149 |
28 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | FTR | +2.264 |
29 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | SUTER | +2.297 |
30 | 7 | 小山知良 | SUTER | +2.312 |
31 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +2.439 |
32 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +2.571 |
33 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +2.630 |
34 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +2.652 |
35 | 6 | ホアン・オリベ | FTR | +3.317 |
36 | 33 | セルジオ・ガデア | MORIWAKI | +3.340 |
37 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +3.395 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +3.901 |
39 | 82 | エレナ・ロセール | SUTER | +5.510 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | 1:59.222 |
2 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | +0.009 |
3 | 18 | N.テロール | アプリリア | +0.143 |
4 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +0.376 |
5 | 52 | D.ケント | アプリリア | +0.592 |
6 | 39 | L.サロン | アプリリア | +0.680 |
7 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +0.789 |
8 | 23 | A.モンカヨ | アプリリア | +1.094 |
9 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.210 |
10 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +1.225 |