2011年9月16日(金)・1日目フリー走行 会場:モーターランド・アラゴン 天候:晴れ 気温:25℃
コースコンディション:ドライ
今年で2回目を迎えるアラゴンGPは快晴の中で開幕し、Honda勢は好調なスタートを切りました。昨年、2位となったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、周回を重ねるごとにタイムを短縮し、最終ラップにベストタイムをマークしました。
セッション終盤まではトップタイムをマークしていたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、最終的に3番手。マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が4番手で続き、ここまでが1分50秒台をマーク。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は5番手に入りました。
トップタイムをマークしたペドロサは、バルセロナで行われたホームGP、第5戦カタルニアGPをケガで欠場していたため、バルセロナに近い今回のアラゴンGPでは、その雪辱を果たす意気込みにあふれています。地元ファンの声援の中で、初日から気合いの入った走りを見せました。今大会はチェコGP以来3戦ぶり今季2回目のPPの期待がかかります。
体調不良の影響で前戦のサンマリノGPを3位で終えたストーナーですが、今大会は好調なスタートを切りました。最終的に3番手のタイムとなりましたが、セッション開始からトップタイムを連発しました。この日は、路面のグリップが低いために、タイヤの消耗という課題を抱えていましたが、2日目の予選では、ペドロサとともに、今季9回目のPPに期待が膨らみます。
シモンチェリは、上位3台と同じ1分50秒台の好タイムをマークして4番手に入りました。この日は、他の選手同様に、タイヤの消耗に不安を抱えていましたが、路面のグリップが上がる2日目には、その不安も解消されることが予想されるだけに、6戦ぶりのフロントロー獲得と、今季2回目の表彰台が期待されるスタートとなりました。ドヴィツィオーゾも、同様の課題を抱える一日となりましたが、着実にタイムを上げて5番手につけ、2日目はフロントローを狙います。
第7戦オランダGPで痛めた背中がほぼ回復し、万全の体調で今大会を迎えた青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、5番手タイムをマークしたドヴィツィオーゾから、1分51秒台に7台がひしめきあう中で10番手につけました。路面のグリップが上がらないため、チームメートのシモンチェリ同様に、タイヤの消耗に不安を抱えましたが、2日目のばん回に闘志を燃やしています。ホームGPに気合を入れているトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は16番手。2日目のポジションアップを狙います。
この日は、電力不足のために停電となり、MotoGPクラスとMoto2クラスの2回目の走行がキャンセルとなりました。そのため、土曜日のフリー走行は、1時間15分に延長されて行われます。
Moto2クラスは、ホームGPに闘志を燃やすマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)がトップタイム。以下、1秒差以内に14台が入るという接戦となり、高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は10番手、2戦連続の代役出場となる小山知良(Technomag-CIP)は32番手でした。
ダニ・ペドロサ(MotoGP 1番手)「午前中はトラックのフィーリングを確認しました。そして、いいスタートが切れました。マシンはよかったです。ただ、ソフトでは柔らかすぎると思いました。気温が高くなったらレースでは使えません。そのため、ミディアムコンパウンドを試しましたが、こちらは快適でした。午後のプラクティスはキャンセルとなりました。コンディションがパーフェクトでしたので、キャンセルになり残念でした。明日の朝のセッションが長くなりますが、同じコンディションで比較できないのが残念です。45分のセッションを2回走れれば、データを分析して次のプラクティスで必要な調整をすることができますからね。1時間15分のセッションではそれができません。でもこれは他の選手にとっても同じです。明日すべてうまくいくことを願っています」
ケーシー・ストーナー(MotoGP 3番手)「今朝は時間が足りませんでした。45分間だけの走行では、思ったほどのデータを得られませんでした。今日はタイヤの消耗がとても早かったです。ソフトタイヤで走ったら3、4周で終わってしまいました。そのため、セッション終盤に路面のグリップが上がるのを待っていました。でもあまり変わりませんでした。午後のセッションを楽しみにしていましたが、キャンセルになってしまいました。いつもなら大雨とかが原因なのですが、今日は、サーキットの停電が原因で、いつもと少し違っていました。今日キャンセルになった分、明日の走行時間が増えるので、長い一日となって大変だと思います。明日はできるだけいいセットアップを見つけることに集中したいです。幸い、ここ数日、天気は安定していますので、明日のセッションに集中したいです」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手)「電力不足によるプラクティスセッションのキャンセルには驚きました。世界選手権としてはいいことではないですし、きちんと調べて、もう二度とこうしたことが起きないようにしてもらいたいです。今日はたった1時間走っただけですので、これといったコメントもないですし、結論も出せません。強いてコメントすれば、ブレーキングとコーナーリングスピードに少し問題がありましたが、悪くはなかったと思います。ただ、リアタイヤが数周で終わってしまいましたので、少しレースが心配です。また、燃費についてもよくしなければいけません。そうした問題がありましたので、午後のキャンセルは残念でした」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手)「奇妙な一日でした。午前中のプラクティスではセットアップよりもタイヤに苦戦していました。路面があまりキレイではなかったので、たくさんスピンをしました。リアタイヤは、10周走ったら終わってしまいました。だから新しいタイヤを使わなければなりませんでした。明日は1時間15分のフリープラクティスがあります。セットアップの作業をするためには重要なセッションとなるだろうと思います。特にリアのグリップをよくして、スピンを減らさなければなりません。明日は路面コンディションがよくなると思います。今日はダニが速かったですが、ダニを除けば、ロレンソとはわずか0.3秒差です。明日のセッションにベストを尽くしたいです」
青山博一(MotoGP 10番手)「走り出しの感じとしては悪くありませんでした。しかし、普段あまり使っていないサーキットだからなのだと思いますが、今日はタイヤの消耗がすごく荒い感じでした。最後はハードを履いて走りました。明日もコンディションがどんどん変化していくと思いますので、その変化に合わせていきたいです。初日としては悪くありませんでしたが、ここからどう詰めていくのかが大事になりますので、明日はしっかりとセットアップしたいです」
トニ・エリアス(MotoGP 16番手)「アラゴンはすばらしいサーキットですが、とても難しいです。高低差に慣れるのに数周かかりました。でも楽しかったです。今日はリアタイヤの消耗に少し問題がありましたので、ハードタイヤに変えなければなりませんでした。タイヤの消耗が早いので、レースではハードを選択することになると思います。今日は路面コンディションがあまりよくなかったです。午後にやりたいことがたくさんありましたが、停電のために、明日に持ち越してしまいました」
マルク・マルケス(Moto2 1番手)「今日は走り出しから快適で、すべて順調でした。このサーキットは好きです。明日はみんなもよくなると思いますので、最初からトップにいられるのはいいことです。このレベルをキープしてがんばりたいです。明日は何カ所か改善したいところがあります。2回目のフリープラクティスがキャンセルになり、セットアップする時間がなくなりましたが、今日はとてもいいスタートが切れました」
高橋裕紀(Moto2 10番手)「先週のバレンシアテストとフィーリングは同じで、セットアップの方向性も同じだということを今日は確認できました。午後に向けて、やってみたいことがありましたが、明日に持ち越しになってしまいました。もう少し走ってみたかったですが、明日の走行を楽しみにしています。今日は、旋回性はよかったのですが、もう少し、自分が曲げたいところで旋回するようにしたかったです。昨年に比べてコースのコンディションは悪くはありませんでした。グリップも悪くなかったですし、明日はもっとタイムを上げられると思います」
小山知良(Moto2 32番手)「先週のスペイン選手権は、タイヤがミシュランでしたので、今日はダンロップのフィーリングに慣れることに集中しました。他の選手は2本のタイヤを使っていましたが、僕は1本で最後まで走りきりました。午後の走行がキャンセルになるのならば、もう1本使ってタイヤを出しておけばと思いましたが、明日、余計に1本使えることを考えれば、その方がいいと思いました。アラゴンは今年のスペイン選手権で走っていますが、そのときよりも今日は0.2秒くらい速かったです。明日はきっちりとセットアップしてタイムを出したいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | 1:50.281 |
2 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.449 |
3 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | +0.525 |
4 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.612 |
5 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.810 |
6 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.095 |
7 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.137 |
8 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.395 |
9 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.545 |
10 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.578 |
11 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +1.630 |
12 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.735 |
13 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.943 |
14 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +2.299 |
15 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +2.877 |
16 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +3.159 |
17 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +3.561 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | 1:54.857 |
2 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +0.023 |
3 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +0.303 |
4 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.316 |
5 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.525 |
6 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +0.559 |
7 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +0.576 |
8 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | +0.774 |
9 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +0.799 |
10 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +0.801 |
11 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +0.807 |
12 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +0.874 |
13 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +0.918 |
14 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +0.960 |
15 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +1.020 |
16 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +1.070 |
17 | 25 | アレックス・バルドリーニ | PONS KALEX | +1.211 |
18 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | FTR | +1.315 |
19 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +1.432 |
20 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +1.540 |
21 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +1.669 |
22 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +1.685 |
23 | 88 | リカル・カルダス | MORIWAKI | +1.741 |
24 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +1.832 |
25 | 18 | ジョルディ・トレース | SUTER | +1.887 |
26 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +2.028 |
27 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +2.214 |
28 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +2.302 |
29 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | SUTER | +2.323 |
30 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +2.464 |
31 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +2.703 |
32 | 7 | 小山知良 | SUTER | +2.719 |
33 | 6 | ホアン・オリベ | FTR | +3.040 |
34 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +3.065 |
35 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +3.157 |
36 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +3.228 |
37 | 33 | セルジオ・ガデア | MORIWAKI | +3.635 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +4.576 |
39 | 82 | エレナ・ロセール | SUTER | +6.192 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 18 | N.テロール | アプリリア | 1:59.409 |
2 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | +0.365 |
3 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +0.756 |
4 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +1.301 |
5 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.342 |
6 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +1.356 |
7 | 52 | D.ケント | アプリリア | +1.744 |
8 | 44 | M.オリベイラ | アプリリア | +1.994 |
9 | 26 | A.マーティン | アプリリア | +2.045 |
10 | 39 | L.サロン | アプリリア | +2.140 |