round 3

June 23/24/25 2011 MotoGP Iveco TT Assen 第7戦 オランダGP

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オランダGPプレビュー

第7戦オランダGPが、23日(木)から25日(土)の3日間、オランダ北東部のアッセン・サーキットで開催されます。ロードレース世界選手権は、1949年にスタートしました。以来、オランダGPは一度も休むことなく、アッセンで行われてきました。同一サーキットで開催されてきた唯一のグランプリ。最も長い歴史と伝統を誇るオランダGPは、今年で63回目を迎えます。また、6月最終週の土曜日に決勝レースが行われるのもオランダGPの伝統となっています。

オランダGPプレビュー

アッセンは当初、公道コースを使用するロングコース(16.536km)でしたが、これまでいく度となくコースの変更、改修を受けてきました。近年では2006年に、コース前半の高速セクションが大幅に改修され、それまでの5.997kmから4.555kmへと短縮され、コーナーの数も23から17へと少なくなり、近代的なサーキットに生まれ変わりました。

その伝統あるアッセンで、これまでHondaは、数多くの勝利を達成してきました。最高峰クラスでは、1966年にジム・レッドマンが初優勝。以後、2006年のニッキー・ヘイデン(現ドゥカティ)まで通算17勝を挙げています。排気量が800ccになった07年からは、優勝から遠ざかっていますが、今年は5年ぶりの優勝にHondaチーム一丸となって挑むことになります。

今シーズンは、開幕戦カタールGPでケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が優勝、第3戦ポルトガルでダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が勝ち、第4戦フランスGP、第5戦カタルニアGP、第6戦イギリスGPでストーナーが3連勝を達成、ここまで6戦5勝というすばらしいリザルトを残してきました。その5勝のうち、800cc時代になってから優勝のなかったカタール、ポルトガル、フランス、イギリス(シルバーストーン)で4勝を達成、オランダGPでも800cc初優勝の期待が膨らんでいます。

6戦して4勝、今季絶好調のストーナーは、連勝記録では自己新記録となる4連勝と通算5勝目に挑みます。ストーナーにとってアッセンは、シーズンを通じて最も相性のいいサーキットのひとつ。ドゥカティ時代は、07年から10年まで4年連続表彰台に立っています。Hondaに移籍してさらに強さに磨きがかかっているストーナーは、08年以来のオランダGP制覇に闘志を燃やしています。前戦イギリスGPでは、第2戦スペインGPで他車の転倒に巻き込まれた不運のレースを、やっとリカバーすることに成功、総合首位に浮上しました。今大会はさらにリードを広げる意気込みです。

前戦イギリスGPで2位表彰台に立ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、今季3回目の表彰台と今季初優勝に闘志を燃やしています。前戦イギリスGPでは、雨と風と寒さという厳しい条件の中で、好スタートを切ってオープニングラップを制し、2周目にストーナーに首位を譲ってからも、Repsol Honda Team1-2態勢をキープ。第4戦フランスGP以来、2度目の1-2フィニッシュを果たしました。アッセンでは、08年と10年の5位が最高位ですが、上り調子で迎えるだけに、最高峰クラスではオランダGP初表彰台にチャレンジします。

第4戦フランスGP決勝で転倒、右鎖骨を骨折して治療を続けているペドロサは、今大会も欠場することになりました。当初、今大会から復帰を予定していたペドロサですが、先週、転倒直後に手術をした右鎖骨で、小さな骨が剥離していることが判明、それを固定する手術を行いました。そのため今週はドクターストップとなりましたが、連戦となる次戦イタリアGPでの復帰を予定しています。ペドロサの代役として今大会、青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)が、Repsol Honda Teamから出場します。

青山は、第2戦スペインGPで表彰台にあと一歩に迫る4位でフィニッシュしています。ペドロサの代役としてRepsol Honda Teamから出場する青山が、どんな走りを見せるのか大きな期待と注目が集まっています。その青山の代役として、秋吉耕佑がTeam San Carlo Honda Gresiniから出場します。秋吉は、昨年もオランダGPとカタルニアGPに代役出場を果たし、2レースともに完走、ポイントを獲得しました。今年も急きょ決まった代役出場ですが、オランダGPでの2年連続ポイント獲得を狙っています。

この数戦、最も注目を集めているマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)は、今度こその初表彰台に燃えています。第3戦ポルトガルGPから4戦連続でフロントローを獲得していますが、転倒などで依然として初の表彰台獲得を達成していません。前戦イギリスGPでも2位争いを繰り広げますが、痛恨の転倒と悔しいレースに終わっているだけに、周囲を含め、今大会こそ初表彰台の機運が盛り上がっています。

第5戦カタルニアGPでニューシャシーが投入され、復活の兆しをつかんでいるトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も、今季ベストフィニッシュに気合を入れています。アッセンは、01年にエリアスが125ccクラスで初優勝を達成した思い出のサーキット。しかし、ケガをすることも多く、アッセンではなかなか実力を発揮できていませんが、Team San Carlo Honda Gresiniから出場していた08年にアッセン初完走を果たし、Moto2クラスに出場した昨年は2位表彰台に立っています。前戦イギリスGPで8位完走のエリアス。今大会ではさらに上位を狙っています。

激戦が続くMoto2クラスは、今大会も予選、決勝ともに大接戦になることは間違いありません。6戦を終えて4勝を挙げているステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)は、2位に62点差と大きなリードを築いています。今大会は、事前テストを行っているサーキットだけに、今季5勝目を狙っています。

2位以下は大混戦。一戦ごとにランキングが入れ替わる激しい戦いが続いています。ランキング2位にはシモーネ・コルシ(Ioda Racing Project)、3位に高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)。激しい雨の中ですばらしい追い上げを見せ、前戦イギリス大会で7位、総合ポイントで5位から3位へとランキングを上げた高橋は、さらに上位を目指す意気込み。2位のコルシとの差が9点。今大会は2位浮上を狙っています。この数戦は、後半戦の巻き返しに向けてニューパーツが次々に投入されています。第3戦ポルトガルGPで3位、第4戦フランスGPで2位の高橋は、今季初優勝に気合を入れています。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング1位)「前戦イギリスGPは厳しいレースとなったが、3連勝を達成し、チャンピオンシップでも首位に立てて最高でした。すばらしいレースのあとにブレークがあったこともよかったです。今週のアッセンが本当に楽しみ。いいサーキットですからね。最初のセクションは少し低速区間なので、それほどではありませんが、そこから先の後半部分はとても楽しい。今シーズンはここまで、すべてのサーキットでうまく走れているように、RC212Vがまたいい走りをしてくれると信じています。とにかく、いいセットアップを見つけられるようにがんばりたいです。そして、また優勝を狙いたいです。でも、今はそれ以上に、それぞれのレースでベストを尽くさなければなりません。ダニがまた手術をしなければいけなかったのは、非常に残念です。彼がこんな不運に見舞われるなんておかしい。早くよくなることを願っています」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位)「シルバーストーンで表彰台に立ったあとなので、アッセンでのレースが楽しみです。伝統あるサーキットは本当に好きです。今は何カ所も改修されて、サーキットの個性が少し失われてしまったのが残念です。しかし、ここまでいい流れできているし、今週末も力強くなれる気がします。特にシルバーストーンでは、とてもいいリズムで走れてよかったです。だからチャンピオンシップに向けて、また力強い結果を残そうとモチベーションは上がっています。このサーキットには2つのセクションがあります。最初のセクションはかなり低速で、もう1つのセクションは昔のままで、高速でテクニカルで最も難しい。ダニがまた手術をしなければいけなかったのはとても気の毒に思います。彼が早く回復して、完治して戻ってくることを願っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング5位)「手術から少し日にちが経ってだいぶよくなった気がします。手術前まであった痛みがなくなったし、経過はとてもいいです。すでにリハビリを始めていて、順調に回復しています。日ごとによくなっていることがわかるので、できる限り早く復帰したいです。しかし、アッセンに出場するのはとても難しい状態です。でも、ムジェロには出られると強く信じています。一日も早くよくなるように毎日リハビリに集中して、どのくらいまでに治せるか様子を見たいと思います。できる限り早く戻りたいけれど、復帰のタイミングはしっかりと見定めたいと思います」

青山博一(MotoGP ランキング7位)「恐らくオランダGPは、ファクトリーのRC212VでRepsol Honda Teamから参戦することになります。このようなすばらしい機会を与えてくれたTeam San Carlo Honda GresiniとHRCに感謝したいです」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング11位)「シルバーストーンを終えてから数日間落ち込んでいましたが、やっと立ち直ってきました。イギリスのことはもう完全に忘れて、アッセンに臨みたいです。ここ最近のグランプリライダーと同じように、がんばり続けるということを唯一の目標にしたいです。でも、今回は決勝レースの結果につなげたいと思います。僕たちは正しい方向性をつかみました。あとは結果がついてくるはずです。アッセンは、昔のレイアウトの方が面白かったけれど、全体的には好きなサーキットです。低速コーナーが続く最初のセクションを別にすれば、大好きなサーキットのひとつです。今週末もまた前に出る走りをしたいです」

トニ・エリアス(MotoGP ランキング14位)「ここ数年でアッセンはだいぶん変わりました。このサーキットではいいことも悪いこともありました。昨年は表彰台に上がりました。今年はRCVで自分のペースを上げられることを願っています。シルバーストーンでは、ウエットはそれほど悪くありませんでした。でも、ドライコンディションでは、引き続き、マシンを調整しなければなりません。アッセンの天気はいつも賭けのようです。アッセンでは何度かケガをした悪い思い出があります。得意なサーキットではありませんが、ベストを尽くしたいと思います」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング1位)「これまでアッセンではあまりいいフィーリングをもったことがなかったですし、得意なサーキットではありません。しかし、今年はテストで十分に走り込むことができました。そして、とても楽しかった。レースウイークのプレッシャーがない時に時間をかけてテストをすると、いいことがたくさんあります。今はサーキットと『仲よく』なろうとしています。苦手意識を持つよりはそのほうがいいと思います。今週末は、いいことが起きることを期待しています」

シモーネ・コルシ(Moto2 ランキング2位)「シルバーストーンのレースを終えて、一週間のブレークをはさんで、アッセンへ向かいます。楽なコースではありません。伝統ある難しいサーキットなので、昔、『モーターサイクル大学』というニックネームがつけられました。これまでかなりコースは修正されてきましたが、まだそのニックネームは有効だと思います。木曜日のフリー走行からいい状態を見つけることが大事です」

高橋裕紀(Moto2 ランキング3位)「シルバーストーンでは、ポイントをもう少し獲得したかったです。雨のために視界をさえぎられて順位を落としましたが、それも予選グリッドが悪かったことが影響しました。今大会は、これまで以上に、自信を持ってバイクに乗りたいです。アッセンはうまくいくと思います。表彰台に立つこと、優勝することが大きな目標です。それを達成するため、チャンピオンシップを見失わずに、できるかぎりがんばりたいと思います」