開催日:2011年3月19日(土)・予選 会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット 天候:晴れ 気温:22℃
コースコンディション:ドライ
カタールGPの予選はケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がPPを獲得。ストーナーと激しい首位争いを繰り広げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が2番手と、フリー走行からライバルを圧倒してきた両選手が、予選でも快走を披露した。
ストーナーは、MotoGPクラスにデビューした2006年のカタールGPで、当時990ccのRC211Vでキャリア初のPPを獲得した。今年は5年ぶりにHondaに復帰したが、RC212Vでも、見事、PPを獲得して見せた。フリー走行では、すべてのセッションを制覇。予選でもハードタイヤを装着して安定したペースを刻んだ。ベストタイムもハードタイヤでマークする完ぺきな仕上がりとなった。
2番手のペドロサも順調にセットアップを進めた。予選ではストーナーのタイムをブレイクして一度は首位に立つが、わずかの差でPPを逃した。過去の戦いでは、ケガの影響やマシンの仕上がり不足などでフロントローに並んだことがなかった。今年はロサイル・サーキットの自己ベストを次々に更新して、ロサイル初のフロントローを獲得した。
フリー走行で10番手とやや出遅れたマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が、4番手に浮上した。昨年の最終戦バレンシアGPで初のフロントローを獲得。ウインターテストでは、好調な走りを見せていた。今大会は、昨年からの2戦連続フロントロー獲得が期待されていたが、フリー走行では思うようにタイムを伸ばせなかった。しかし、この日は快調にラップを刻んで4番手。3番手のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に、わずか0.041秒届かなかった。
対照的に、フリー走行で3番手につけたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、ソフトタイヤのパフォーマンスをうまく生かせず、加えてクリアラップを取れなかったことで7番手にダウン。青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)もセッション中盤までは7番手前後につけていたが、セッション終盤にクリアラップが取れず12番手に後退。しかし、両選手ともにアベレージタイムはよく、ストーナー、ペドロサ、シモンチェリ同様、好リザルトが期待される。トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は、この日もセッティングが決まらず16番手だった。
Moto2クラスは、ステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)がPPを獲得。2番手にマルク・マルケス(Team Catalunya Caixa Repsol)。3番手にトーマス・ルティ(Interwetten Paddock Moto2)と続き、初日トップタイムをマークした高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は4番手だった。この日、高橋はファイナルギアを変更して予選に挑んだが、それが裏目に出て思うようにタイムを伸ばせなかった。決勝はフロントローに並んだ4選手を筆頭に、2列目に並んだジュール・クルーゼル(Forward Racing)、フリアン・シモン(Mapfre Aspar Team Moto2)などの強豪が上位につけ、激戦は必至。今大会は39台が出場する。
ケーシー・ストーナー(MotoGP ポールポジション)「これ以上望むものがないほど、すべてが順調だった。フリー走行が始まってから今日まで、セットアップは確実に進み、フィーリングもよく、タイムも改善できた。今日は、ハードタイヤで安定したタイムを刻めた。ベストタイムもマークできた。決勝レースに向けていい状態を作れている。これまでも、開幕戦でPPを獲得したことはあるが、それを結果につなげられないこともあったので、気持ちを引き締めていきたい。ウインターテストからここまでベストを尽くせたと思う。いいシーズンのスタートを切るためにも、明日のレースはいい結果を残したい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)「どのセッションも速いタイムを刻めたし、予選でもこうして2番手タイムをマークすることができてよかった。ロサイルで初めてフロントローに並べたこともうれしい。今回はケーシーがとても速く、ロレンソもどんどんよくなっている。明日の決勝は厳しい戦いになる。ミスをしないようにしなければならない。今週は午後10時という時間帯に走行したことがないので、明日のレースは、どんなレースになるのか予想もつかない。決勝は125ccとMoto2のレースのあとになるが、いい状態で走りたい。明日は速いペースの戦いになると思う」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手)「今日は順調だったが、フリー走行の状態を考えれば、4番手になれるとは思ってもいなかったので、とてもうれしい。今日は、いくつか小さなセッティングの変更をしてアタックしたが、フロントローまでわずか0.041秒だったので、もう少しがんばればと思うと残念だった。ただ、明日は燃費が心配なので、さらにいくつか修正を加えなければいけない。しかし、グリッドが前なので、いいスタートを切ってトップグループについていきたい。トップの2人は速すぎるので、その次を狙っていきたい」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 7番手)「予選で上位にいくためには、ソフトタイヤをうまく使えるようにならなければならない。3列目からのスタートになり、とてもがっかりしている。明日の決勝に向けて、ブレーキの安定性を改善しなければならないが、レース用タイヤではいいペースで走ることができている。明日はいいスタートを切ることがとても重要で、それができなければトップグループに加われない。明日はケーシーについていくのは不可能なので、ダニ、ロレンソ、スピース(ヤマハ)についていけるようにしたい。シーズン最初のレースなのでいいレースをしたい」
青山博一(MotoGP 12番手)「セッション中盤まではまずまずだったけれど、最後の10分間で一気にポジションを落としてしまった。最後のアタックでクリアラップが取れなかったせいだが、全体としてはいい感じで走れている。決勝に向けて、もう少し自分のリクエストに近づけるようにセッティングしていきたい。タイヤはとりあえず決まった。今日は、3日間の中では最もコンディションがよかった。セッティングは完ぺきではないけれど、3日間確実によくなってきた。今日の自分のアベレージが、全体の中でどの辺りにいるのかをチェックして、明日のレースの作戦を立てたい」
トニ・エリアス(MotoGP 16番手)「今日は大きくセッティングを変えて挑んだ。車体のジオメトリーを変えてサスペンションのセッティングも変えた。しかし、思ったようには走れず、タイムも更新できなかった。期待していたようなグリッドにならず、とても残念。明日のウオームアップで最後の調整をして決勝に挑みたい」
中本修平|HRCチーム代表「ストーナーがPP、ペドロサが2番手とここまでは順調だった。しかし、ドヴィツィオーゾが7番手に終わったのは残念だった。最後のアタックでペースの遅いライダーに引っかかり、アタックが不完全燃焼に終わった。それがなければ、フロントローは無理だったとしても、4、5番手にはいけたと思う。決勝レースのアベレージがどのくらいになるのか。実際にレースが始まってみないとわからない部分はある。フリー、予選でストーナーとペドロサが1-2で来ているけれど、データでは、それほどアドバンテージがあるとは思えない。厳しい戦いになると思うが、明日は勝ちたい」
高橋裕紀(Moto2 4番手)「今日の予選は、ファイナルを変えて挑んだ。それがうまくいかず、セッション途中で元に戻した。しかし、何が原因かわからないのだが、今日はリアタイヤのスライドがひどくて、思ったようにタイムを伸ばせなかった。トップの2台が速くて、今日の状態では厳しいレースになると思う。明日の決勝は、金曜日の状態にセッティングを戻して挑みたい」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | 1:54.137 |
2 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.205 |
3 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.810 |
4 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.851 |
5 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.958 |
6 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.086 |
7 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +1.092 |
8 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +1.441 |
9 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.500 |
10 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.510 |
11 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.519 |
12 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.587 |
13 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.744 |
14 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +2.186 |
15 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +2.528 |
16 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +3.855 |
予選通過 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | タイム無し |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | 2:00.168 |
2 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +0.207 |
3 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +0.828 |
4 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +1.011 |
5 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +1.240 |
6 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +1.262 |
7 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +1.274 |
8 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +1.297 |
9 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +1.311 |
10 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +1.396 |
11 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +1.406 |
12 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +1.573 |
13 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +1.725 |
14 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +1.727 |
15 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +1.727 |
16 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +1.735 |
17 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +1.986 |
18 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +2.069 |
19 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +2.184 |
20 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | FTR | +2.224 |
21 | 21 | ハビエル・フォレス | SUTER | +2.229 |
22 | 88 | リカルド・カルダス | MORIWAKI | +2.337 |
23 | 80 | アクセル・ポンス | PONS KALEX | +2.361 |
24 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +2.368 |
25 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +2.381 |
26 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +2.660 |
27 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +2.670 |
28 | 54 | ケナン・ソフォーグル | SUTER | +2.679 |
29 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +2.729 |
30 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +2.983 |
31 | 25 | アレックス・バルドリーニ | SUTER | +3.078 |
32 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +3.096 |
33 | 49 | ケブ・コフラン | FTR | +3.108 |
34 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +3.293 |
35 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +3.489 |
36 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | MORIWAKI | +3.516 |
37 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +3.875 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +4.707 |
39 | 96 | ナーセル・ハッサン・アル・マルキ | MORIWAKI | +5.131 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 18 | N.テロール | アプリリア | 2:06.605 |
2 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +0.090 |
3 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.046 |
4 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +1.252 |
5 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +1.457 |
6 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +1.693 |
7 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +1.977 |
8 | 23 | A.モンカヨ | アプリリア | +2.078 |
9 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | +2.613 |
10 | 39 | L.サロン | アプリリア | +2.726 |