開催日:2011年3月17日(木)・1日目フリー走行 会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット 天候:晴れ 気温:19℃
コースコンディション:ドライ
ロードレース世界選手権(WGP)第1戦カタールGPが、17日、ロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕。初日は1回目のフリー走行を行い、ケーシー・ストーナーがトップタイムをマーク、ダニ・ペドロサが2番手と、Repsol Honda Teamの2人が好スタートを切った。
大会直前の13、14日の2日間で行われたテストでライバルを圧倒したストーナーは、この日もセッション開始から快調にラップを刻んだ。最終的に、2番手につけたペドロサに0.610秒の大差をつける快走だった。2番手につけたペドロサは、リアタイヤに課題を抱え、合同テストでマークした1分55秒台に入れることができなかった。その原因をつきとめ、2回目、3回目のフリー走行が行われる2日目の走行に挑むことになる。
4番手には、ウインターテストで大きな成長を見せたマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)がつけた。この日は、ハードタイヤで走行。トップのストーナーから0.689秒遅れたが、2番手のペドロサからは、わずか0.079秒差。シモンチェリは、昨年の最終戦バレンシアGPでMotoGPクラス初のフロントロー3番手につけたが、今大会は昨年の最終戦に続き、2回目のフロントロー獲得に期待が膨らんだ。
セッション序盤、ストーナー、ペドロサに続いて3番手につけていたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、テストで出なかった跳ねの症状に悩んで8番手。合同テストで好調だった青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)も、路面コンディションの変化でフィーリングが変わり、タイムを伸ばせず12番手。両選手ともに2日目のタイム短縮とポジションアップが期待される。トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は、思うようにタイムを伸ばせず17番手だった。
Moto2クラスは、サーキットベストタイムを更新した高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)がトップタイムをマーク。2番手にスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)、3番手にステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)と若手が続いた。昨年から大接戦が続くMoto2クラス。初日のフリー走行は、1秒差に10台という接戦だった。
この日は、125ccクラスとMoto2クラスが2回の走行を行い、MotoGPクラスは1回だった。2日目は、MotoGPクラスが2回の走行、125ccとMoto2クラスは、それぞれ1回となっている。
ケーシー・ストーナー(MotoGP 1番手)「今日は合同テストのセッティングでスタートした。テストのときより風は強かったが、路面コンディションはよくて、気持ちよく走ることができた。もう少し、コーナーの出口でリアのグリップを上げたい。マシンの仕上がりの状態は80%くらい。もう少しタイムを上げられる要素がある。セッティングは、なかなか完ぺきにならないものだが、今回はその部分を改善する自信がある。今日はセッションを通じてハードタイヤで走ったが、決勝レースを考えれば、いいことだと思う。いいシーズンのスタートを切ることができた。明日も気持ちを引き締めていきたい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)「今日はウインターテストで使ったのと同じリアタイヤで走行したが、どういうわけか問題を抱えてしまった。今日はセッションを通じてソフトで走った。テストのときと異なるのは、125ccとMoto2クラスが走った後にセッションがあったということだけ。それが原因なのかどうかは、45分間のセッションでは短すぎて分からなかったが、おそらく、タイヤに問題があったのかも知れない。決勝レースに向けて、明日と明後日のセッションが、うまくいくことを願っている」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手)「合同テストのときとコンディションが違うような気がしたが、今日はハードタイヤで走行して、いいラップを刻めた。とてもハッピーだった。テストで結果がよくても、本番になるとテストのようにいかないことがあるが、今日はテストの状態を再現することができた。今日は2カ所のセッティングを変更したが、さらにいい状態になった。決勝に向けて自信になる一日だった」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8番手)「今回は走行が4日間あり、タイヤの管理が重要になる。決勝では必ずソフトのリアタイヤが必要になるので、今日はハードだけを使った。今の最大の問題はブレーキを放したときのフロントの跳ねで、思い通りに攻められなかった。早急にこの問題を解決しなくてはならないが、今夜、データを解析すれば解決法が見つかると思う。ラップタイムには満足していないが、余裕もあるし改善できると確信している。また、今日、イタリアが統一150周年を迎えたことをとても誇りに思う。これを記念してヘルメットにステッカーを貼って走行した」
青山博一(MotoGP 12番手)「路面コンディションが違うのか、テストのときとはフィーリングが違った。しかし、特別悪いというわけではなかった。おそらく、今日は125ccとMoto2が走った後なので、路面のグリップがちょっと違うのかも知れない。今日は2台のマシンを異なるセッティングにして走った。どちらもよくて、決勝に向けて選択肢が増えたという感じだ。ただ、テストのときに比べて、マシンの動きが大きいので、明日はそれを調整したい」
中本修平|HRCチーム代表「初日としてはまずまずの滑り出しだった。しかし、ダニとアンドレアは、テストのときに出なかった問題が出た。ダニはリア、アンドレアは跳ねの問題を抱えた。どちらもテストでは出なかった問題だけに、原因を調べたい。ケーシーは問題なく順調にセットアップが進んでいる。全体的にはテストの延長線上にいるし、悪くない一日だった。明日も引き続き、マシンのセットアップに集中したい」
高橋裕紀(Moto2 1番手)「1回目の走行は、新しいリアサスのテストをしたのが裏目に出て、思うようにタイムを上げられなかった。2回目は走り出しから順調で、フィーリングもよかった。ただ、クリアラップが取れず、なかなかタイムが出せなかった。シーズン最初のセッションでトップタイムをマークできてよかった」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
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1 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | 1:55.752 |
2 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.610 |
3 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +0.669 |
4 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.689 |
5 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +0.727 |
6 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.741 |
7 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.834 |
8 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.840 |
9 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.038 |
10 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.127 |
11 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.158 |
12 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.235 |
13 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +1.614 |
14 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +1.677 |
15 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +2.069 |
16 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +2.776 |
17 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +3.335 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | 2:01.695 |
2 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.053 |
3 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | +0.105 |
4 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +0.288 |
5 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +0.448 |
6 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +0.653 |
7 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +0.803 |
8 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +0.882 |
9 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +0.925 |
10 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +0.978 |
11 | 21 | ハビエル・フォレス | SUTER | +1.228 |
12 | 34 | エスティーブ・ラバト | FTR | +1.256 |
13 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +1.326 |
14 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +1.410 |
15 | 88 | リチャード・カルダス | MORIWAKI | +1.490 |
16 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +1.502 |
17 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +1.536 |
18 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +1.641 |
19 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +1.709 |
20 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +1.957 |
21 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +2.027 |
22 | 68 | ヨニー・エルナンデス | FTR | +2.046 |
23 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +2.142 |
24 | 35 | ラファエル・デ・ローザ | MORIWAKI | +2.276 |
25 | 80 | アクセル・ポンス | PONS KALEX | +2.360 |
26 | 25 | アレックス・バルドリーニ | SUTER | +2.483 |
27 | 53 | バレンティン・ドゥビーズ | FTR | +2.518 |
28 | 54 | ケナン・ソフォーグル | SUTER | +2.599 |
29 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +2.626 |
30 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +2.902 |
31 | 49 | ケブ・コフラン | FTR | +2.959 |
32 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +3.228 |
33 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +3.528 |
34 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +3.772 |
35 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +3.951 |
36 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +4.150 |
37 | 96 | ナーセル・ハッサン・アル・マルキ | MORIWAKI | +4.642 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +5.540 |
39 | 64 | サンティアゴ・エルナンデス | FTR | +6.907 |
125cc
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 18 | N.テロール | アプリリア | 2:07.418 |
2 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +1.016 |
3 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +1.158 |
4 | 39 | L.サロン | アプリリア | +1.459 |
5 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +1.474 |
6 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.825 |
7 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +1.933 |
8 | 52 | D.ケント | アプリリア | +2.313 |
9 | 23 | A.モンカヨ | アプリリア | +2.474 |
10 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +2.509 |