round 16

October 17 2010, RACE:16:00-(local)/14:00-(JST)
MotoGP IVECO AUSTRALIAN GRAND PRIX
第16戦 オーストラリアGP

シモンチェリ、今季ベストタイの6位でフィニッシュ
ドヴィツィオーゾはリタイア

第16戦オーストラリアGP決勝は、午前中のウオームアップこそ時折り雨の降る不安定な天候の下で行われたが、午後の決勝レースでは青空が広がった。依然として風は強かったが、気温は15℃まで上昇。地元ファンの声援を受け、ポールポジションからスタートしたケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が優勝。2位にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、3位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)という結果だった。

Honda勢は、今季ベストグリッドの4番手からスタートしたマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が、オープニングラップ4番手につけ、ニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)、ベン・スピーズ(ヤマハ)、ロッシ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)らとし烈な4位争いを繰り広げた。後半はスピーズとし烈な5位争いを繰り広げ、今季3回目となる6位でフィニッシュした。目標とする今季ベストリザルトの5位以内と、初表彰台の獲得は果たせなかったが、手応えあるレースに大きな収穫をアピールした。シーズンは残り2戦、ポルトガルGPとバレンシアGPを残すだけとなったが、上り調子のシモンチェリは、この2戦での今季初表彰台獲得に闘志を燃やしている。

その後方では、中盤まで単独8番手を走行していたマルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)が、追い上げてきたアレックス・エスパルガロ(ドゥカティ)と厳しいバトルを繰り広げ、最終的に9位でフィニッシュした。そのメランドリと序盤にバトルを繰り広げたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、4コーナーのブレーキングでメランドリをパスしようとしてコースアウトを喫し、最下位までポジションを落としたが、そこからすばらしい追い上げを見せて10位でフィニッシュした。デ・ピュニエは、フリー、予選では安定したタイムを刻み、トップ6を狙える走りをしていただけに、悔しいレースとなった。

  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • ランディ・デ・ピュニエ(左)、マルコ・メランドリ(右)ランディ・デ・ピュニエ(左)、マルコ・メランドリ(右)
  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • 青山博一青山博一
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ

スタートからヘクトル・バルベラ(ドゥカティ)とバトルを繰り広げた青山博一(Interwetten Honda MotoGP)は、前戦マレーシアGP同様、追い上げのレースに気合を入れたが、タイヤのグリップをうまく出せず、13位でフィニッシュした。

予選9番手から、3戦連続表彰台、今季初優勝を狙ったドヴィツィオーゾは、好スタートからオープニングラップ5番手につけたが、3周目にステアリングダンパーのマウントの位置が動いたことで、ステアリング操作が困難になり、ピットに戻りリタイアとなった。日本GPのフリー走行で左鎖骨を骨折、フリー、予選を走行したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、回復が思わしくないことから、今大会を欠場した。

Moto2クラスは、初PPを獲得したアレックス・デ・アンジェリス(JIR Moto2)が初優勝。デ・アンジェリスとバトルを繰り広げたスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)が2位、アンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed Up)が3位。日本人勢は、予選19番手から追い上げのレースに挑んだ高橋裕紀(Tech 3 Racing)が17位と苦戦。渡辺一樹(Racing Team Germany)32位。國川浩道(Bimota-M Racing)はリタイアだった。

コメント

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 6位) 「とてもいいレースだった。そして、すごく楽しかった。今とてもハッピーな気分だ。今日はスタートがよくて、オープニングラップで3番手を走行した。それからも、ロッシ、ヘイデン、スピーズのグループの中で走ることができた。すばらしいバトルができたし、本当に面白かった。ヘイデンが僕を追い越し、ロッシの後を追っていってから、僕はスピーズと戦うことになった。自分のペースを上げようとがんばった。最後にスピーズを抜きたかったが、残念ながら抜けなかった。しかし、とてもいいレースができたのでうれしい。次はもっと上の順位を狙いたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 9位)「今日もがんばったけれど、今までのレースとあまり変わらなかった。全力を尽くしたけれど、最終的にエスパルガロに抜かれてしまった。コースの何カ所かで、彼は僕より速かったが、それに対して僕は、なかなか抜き返すポイントを見つけられず、苦戦してしまった。今日はいいスタートが切れたのだが、最初の数周はまるで氷の上を走っているような感じだった。そのうちタイヤが温まってきたが、そのころには、前のグループとも離れていて、もうどうしようもなかった」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 10位)「トップ6でフィニッシュしたいと思っていたので、今日の結果にはがっかりしている。レース中のラップタイムだけ見れば、もっといいポジションで終えることができたはず。コンスタントにいいラップタイムを刻めていたし、後半に向けてペースも上げることができた。今日は、序盤にメランドリと激しくポジションを入れ替えた。そして、4コーナーで彼を抜こうとしたときにシフトダウンでミスをして、コースサイドに出てしまった。それで最下位まで順位を落としてしまい、それからは一生懸命がんばって追い上げるしかなかった」

青山博一(MotoGP 13位) 「スタートからタイヤのグリップが出せず、ペースを上げられなかった。中盤になっても終盤になっても、その状態は変わらず、バルベラをなかなか引き離せなかった。タイム的には、予選のベストを更新したが、周りのタイムがそれ以上に上がっていて、その分遅れてしまった。数字的にはあまりいいリザルトではないけれど、今回は、ウエットでかなりセッティングを進められたし、ドライでもいくつか得られることがあった。この3連戦の最初の2レース、もてぎとセパンは似ていたけれど、フィリップアイランドは、この2つのサーキットとは違うセッティングを求められていた。それをうまく調整できなかった。残り2戦、今回得られたことを生かし、ベストリザルトを狙っていきたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP リタイア)「リタイアとなり、本当に残念。フリー走行、予選と、2日間チームと一緒にがんばってきたし、ウオームアップを終えた時点で表彰台を狙えると思っていた。最初の周は1分31秒7。あまり強くプッシュしなかったのに5位だった。これなら3位はいけると思っていたら、2周目くらいからステアリングダンパーの動きが変になり、3周目には、これが原因で順位を落としてしまった。バイクをコントロールすることができたので、もう一周走ったけれど、このまま走り続けるのはあまりにリスクが高かったので、ピットに戻ることにした。ステアリングダンパーのマウントの位置が変わってしまったことが原因でステアリング操作がうまくできなかった。どうしてマウントの位置が変わってしまったのか調べたい。日本とマレーシアですばらしいレースをしてきたので、とても残念。チャンピオンシップで3位を狙うためにも、ここでいいレースをすることが必要だった。エストリルとバレンシアでは、可能な限り、いい結果を出したい」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督「ダニは今回から復帰の予定だったが、左の鎖骨の回復状況があまりよくなくて、今回は欠場することになった。アンドレアは、悪いコンディションの中で予選までは苦労したが、決勝に向けて状態はよくなり、ウオームアップはいいペースで走れていた。セットアップもまとまった感じだった。しかし、ハード面のトラブルがあって、途中でリタイアすることになった。Repsol Honda Teamとしては、両ライダーともに非常に残念な結果に終わってしまった。残り2戦、最大限リカバリーできるようにがんばっていきたい。今大会は、Hondaファンのみなさんの期待にそえない結果となり、誠に申し訳なく思っています」

アレックス・デ・アンジェリス(Moto2 優勝)「優勝することができて本当にうれしい。今大会は、ポールポジションと優勝の両方を1レースで経験することができて、とても大きな自信になった。優勝した喜びと同時に、今日はサンマリノの事故で亡くなった富沢祥也選手を思い出していた。今大会は、3日間を通じて順調だった。きっといいレースができると思っていたが、チェッカーを受けるまでベストを尽くした。このような機会と、すばらしいバイクを用意してくれたチームにお礼を言いたい」

スコット・レディング(Moto2 2位)「今日はレースを存分に楽しむことができた。最後は、あまりにも疲れ過ぎていて、どんなレースだったのか覚えていない。本当に変な感じだった。表彰台でもそうだった。なにが起きているのか理解できなかった。イアンノーネとデ・アンジェリスとのバトルは、本当に最高だった。チームは本当にいいバイクに仕上げてくれた。チームに感謝したい」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 3位) 「今日のレースはとても難しかった。しかし、3位という結果とチームのすばらしい働きには、とても満足している。今日はリアのトラクションがちょっと不足していて、コーナーの立ち上がりでロスしていたが、3位になり、総合2位のシモン(Mapfre Aspar Team)にかなり近づくことができた。最後の2戦がどうなるかが楽しみ。シーズン最後までベストを尽くしたい」

高橋裕紀(Moto2 17位) 「予選では、一発のタイムを出せる自信はあったし、決勝も展開次第では追い上げられるんじゃないかと思っていた。しかし、なかなかペースを上げられず、順位も上げられなかった。今日は17位という残念な結果に終わったけれど、最後までベストを尽くせたと思う。これが現状のバイクでは、精いっぱいの走りだった」

決勝

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
127C.ストーナードゥカティ41:09.128
299J.ロレンソヤマハ+8.598
346V.ロッシヤマハ+17.997
469N.ヘイデンドゥカティ+18.035
511B.スピーズヤマハ+22.211
658マルコ・シモンチェリHonda+25.017
75C.エドワーズヤマハ+35.168
841A.エスパルガロドゥカティ+46.194
933マルコ・メランドリHonda+46.294
1014ランディ・デ・ピュニエHonda+59.635
1136M.カリオドゥカティ+59.664
1219A.バウティスタスズキ+59.732
137青山博一Honda+1:05.029
1440H.バルベラドゥカティ+1:05.053
RT4アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+24Laps

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
115アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI39:51.102
245スコット・レディングSUTER+2.172
329アンドレア・イアンノーネSPEED UP+2.974
460フリアン・シモンSUTER+10.344
565ステファン・ブラドルSUTER+10.617
663マイク・ディ・ミリオSUTER+17.847
724トニー・エリアスMORIWAKI+27.145
83シモーネ・コルシMOTOBI+27.249
96アレックス・デボンFTR+27.398
1017カレル・アブラハムFTR+27.666
1112トーマス・ルティMORIWAKI+27.677
1210フォンシ・ニエトMORIWAKI+27.851
1377ドミニク・エジャーターSUTER+28.333
1480アクセル・ポンスPONS KALEX+28.438
1571クラウディオ・コルティSUTER+28.497
1635ラファエレ・デ・ロサTECH 3+32.644
1772高橋裕紀TECH 3+37.671
182ガボール・タルマクシSPEED UP+42.933
1968ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+46.144
2025アレックス・バルドリーニI.C.P.+46.164
218アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+46.370
2214ラタパーク・ウィライローBIMOTA+51.841
2316ジュール・クルーゼルSUTER+54.114
2440セルジオ・ガデアPONS KALEX+1:00.729
2546ハビエル・フォレスBIMOTA+1:04.140
2644ロベルト・ロルフォSUTER+1:04.185
2739ロベルティーノ・ピエトリSUTER+1:09.299
2853バレンティン・ドゥビーズADV+1:09.794
2961ウラジミール・イワノフMORIWAKI+1:16.060
3049アレクサンダー・クドリンBQR-MOTO2+1:16.195
319ケニー・ノイズPROMOHARRIS+1:34.156
3228渡辺一樹SUTER+1Lap
3388ヤニック・グエラMORIWAKI+1Lap
345ホアン・オリベPROMOHARRIS+1Lap
RT95マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+5Laps
RT56マイケル・ランセダーSUTER+7Laps
RT66國川浩道BIMOTA+15Laps
RT55ヘクトル・ファウベルSUTER-
RT47ウェイン・マクスウェルMORIWAKI-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ38:13.008
244P.エスパルガロデルビ+6.062
340N.テロールアプリリア+11.576
47E.バスケスデルビ+19.032
538B.スミスアプリリア+19.033
612E.ラバトアプリリア+20.593
771小山知良アプリリア+31.519
839L.サロンアプリリア+46.598
935R.クルメンナッハアプリリア+48.730
1099D.ウェッブアプリリア+58.456
ポイントスタンディング

ライダー(MotoGP)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ロレンソヤマハ333
2ダニ・ペドロサHonda228
3C.ストーナードゥカティ205
4V.ロッシヤマハ197
5アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda179
6B.スピーズヤマハ163
7N.ヘイデンドゥカティ152
8マルコ・シモンチェリHonda102
9ランディ・デ・ピュニエHonda100
10マルコ・メランドリHonda93
11C.エドワーズヤマハ90
12H.バルベラドゥカティ76
13A.バウティスタスズキ73
14A.エスパルガロドゥカティ60
15青山博一Honda47
16M.カリオドゥカティ43
17L.カピロッシスズキ41
18アレックス・デ・アンジェリスHonda 11
19ロジャー・リー・ヘイデンHonda5
20秋吉耕佑Honda4
21吉川和多留ヤマハ1

マニュファクチャラー(MotoGP)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ヤマハ354
2Honda315
3ドゥカティ255
4スズキ96

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・エリアスMORIWAKI271
2フリアン・シモンSUTER181
3アンドレア・イアンノーネSPEED UP179
4トーマス・ルティMORIWAKI143
5シモーネ・コルシMOTOBI127
6ジュール・クルーゼルSUTER101
7ガボール・タルマクシSPEED UP95
8高橋裕紀TECH 386
9富沢祥也SUTER82
10スコット・レディングSUTER78
11ロベルト・ロルフォSUTER75
12ステファン・ブラドルSUTER72
13アレックス・デボンFTR70
14アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI 69
15カレル・アブラハムFTR65
16 ドミニク・エジャーターSUTER60
17セルジオ・ガデアPONS KALEX59
18フォンシ・ニエトMORIWAKI45
19マイク・ディ・ミリオSUTER34
20ラタパーク・ウィライローBIMOTA30
21ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO230
22クラウディオ・コルティSUTER20
23ケニー・ノイズPROMOHARRIS18
24アレックス・バルドリーニI.C.P.18
25アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA17
26ヘクトル・ファウベルSUTER13
27マティア・パシーニMOTOBI12
28ダミアン・クドリンPONS KALEX9
29ザビエル・シメオンMORIWAKI9
30ジェイソン・ディサルボFTR7
31ラファエレ・デ・ロサTECH 35
32ルーカス・ペセックMORIWAKI5
33アクセル・ポンスPONS KALEX4
34マイケル・ランセダーSUTER4
35ミケーレ・ピロMORIWAKI2
36ウラジミール・イワノフMORIWAKI2
37アルネ・トードSUTER2
38手島雄介TSR1

マニュファクチャラー(Moto2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1MORIWAKI296
2SUTER281
3SPEED UP204
4MOTOBI168
5FTR118
6TECH 389
7PONS KALEX70
8BIMOTA30
9BQR-MOTO230
10PROMOHARRIS18
11I.C.P.18
12MZ-RE HONDA17
13FORCE GP21011
14RSV10

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1M.マルケスデルビ272
2N.テロールアプリリア260
3P.エスパルガロデルビ255
4B.スミスアプリリア182
5E.ラバトアプリリア137
6E.バスケスデルビ136
7S.コルテセデルビ132
8小山知良アプリリア118
9R.クルメンナッハアプリリア97
10D.ウェッブアプリリア86

マニュファクチャラー(125cc)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1デルビ360
2アプリリア303
3Honda23
4KTM6
5ランブレッタ1