round 16

October 15 2010, PRACTICE:15:50-(local)/13:50-(JST)
MotoGP IVECO AUSTRALIAN GRAND PRIX
第16戦 オーストラリアGP

シモンチェリ今季ベストの4番手
以下、メランドリ、ドヴィツィオーゾと続き、Honda勢がまずまずのスタートを切る
ペドロサが今大会から復帰

日本、マレーシアと続いた3連戦最後の大会。第16戦オーストラリアGPのフリー走行は、前夜から降り続いた雨の影響でコースの一部が冠水。その清掃作業のために2時間遅れでセッションが開始された。この日は、降雨量はそれほど多くなかったが、最高気温が10℃と寒く、フィリップアイランド特有の強風が吹き荒れて、選手たちを悩ませた。今年はシーズンを通じて好天に恵まれ、ウエットコンディションでの走行は数えるほどしかない。今大会は第13戦アラゴンGPの金曜日以来のウエットコンディションとなった。

  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • 青山博一青山博一
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ

その中でHonda勢が、好調なスタートを切った。前戦マレーシアGPで、終盤に順位を落とし、悔しいレースとなっていたマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が、今大会は好調なスタートを切り、初日4番手。チームメートのマルコ・メランドリも、難しいコンディションの中で順調にタイムを更新して5番手に入った。日本GP、マレーシアGPと2戦連続表彰台に立ち、今大会で今季初優勝を狙うアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、目まぐるしく変化するコンディションに合わせて周回を重ねて6番手。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は9番手、青山博一(Interwetten Honda MotoGP)は12番手だった。トップタイムはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。2番手にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)。3番手にニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)という順位だった。この日は、セッション終盤にかけてライン上が乾いていく状態だったが、決勝日も同様の天候になることを想定し、すべての選手がレインタイヤで周回を重ねた。

また今大会から、日本GPでケガをして、日本GPとマレーシアGPを欠場していたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が復帰した。復帰後初ライドとなったフリー走行では、雨と風、寒さというあいにくのコンディションの中、走れるかどうかのチェックだけを済ませ、わずか7ラップで走行を切り上げた。この日は、レーシングスーツが手術をした左鎖骨を圧迫し、気持ちよく乗れなかったため、2日目はスーツを緩めて走行に挑むことになる。ペドロサが復帰したことで、Honda勢は、3戦ぶりに4チーム6台がそろった。

Moto2クラスは、ウエットコンディションで始まり、セッション後半はドライとなった。気温もわずかに上がって12℃、路面温度も13℃と3クラスの中では最も状態はよかったが、風が一段と強まり、選手たちを苦しめた。トップタイムはアレックス・デ・アンジェリス(JIR Moto2)で、7番手までが1秒差以内。日本人勢は、高橋裕紀(Tech 3 Racing)がセッション終盤だけ走行して17番手。フィリップアイランド初走行の渡辺一樹(Racing Team Germany)は34番手。國川浩道(Bimota-M Racing)は基準タイムをクリアすることができなかった。

コメント

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手)「今日のコンディションは、とてもひどかった。風がとても強くて、6速全開で駆け下りるメインストレートでフロントの接地感が無くなった。でも走り出してからの調子はよくて、そこからコンスタントにタイムを上げていくことができた。路面コンディションは、セッション終盤に向けてどんどん変わり、最後は路面の4分の3がドライだった。しかしスリックタイヤに換える時間がなかった。でも、今日の結果はとてもうれしい。決勝レースが同じようなコンディションになれば、いいレースができると思う」

マルコ・メランドリ(MotoGP 5番手)「今日はとても難しいセッションだった。寒くて風が強く、バイクを乗りこなすのが本当に大変だった。セッション終盤、路面コンディションはよくなっていったけれど、レインタイヤでベストタイムを更新することは不可能だった。セッション終盤には、タイヤの左側が完全にすり減ってしまった。ドライのセッティングを見つけなければいけなかったのなら、明らかに無意味なセッションになってしまったけれど、ウエットでいいペースで走れる自信が得られたのはとてもよかった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)「今日のセッションはとても面白かった。フィリップアイランドは、決勝も今日のようなコンディションになる可能性があり、そのためには何が必要かを分かっていなければいけないので、集中して走った。問題はセッション中に路面コンディションがコロコロ変わったことだ。ずっとウエットタイヤで走ったが、セッション序盤のフルウエットの時は、他のライダーたちに比べて結構速かったと思う。今日のセカンドベストは、ライン上がほとんど乾いているときだった。スリックタイヤにしなかったのは、気温がとても低かったし、スリックで走るのはとてもリスキーだと思ったからだ。そのためセッション終盤はタイヤがズルズルだったけれど、ウエットタイヤで走り続けた。今日はとても風が強くて最終コーナーからストレートに出るポイントでウイリーした。だから、電子制御システムにとって重要なテストになった。マシンのセッティング面で、まだまだすることはあるし、方向性も見えているので前に進めると思う」

青山博一(MotoGP 12番手)「今日予定していたメニューは、すべてドライコンディションを想定したものだった。そのため、予定していたことは何もできなかったが、ウエットコンディションで走ったアラゴンGP初日のフリー走行の続きができた。今年はウエットコンディションがほとんどなくて、雨の走行がほとんどできていない。だから、ウエットの電子制御のセッティングがまるでできていなかったのだけれど、今日は、その部分で前進することができた。明日も雨なら、引き続きウエットのセットアップをするが、できることならドライでセットアップしたい。今日は雨と風と寒さでひどいセッションだったが、有意義な1時間だった」

ダニ・ペドロサ(MotoGP DNQ)「今日の計画はとてもシンプルで、自分の身体のコンディションをチェックすることだった。今日のようなコンディションでは不必要なリスクは冒したくなかったからね。乗ってみた感じでは、思ったよりも力があってハンドルバーに力を入れられた。ただツナギがきゅう屈で締めつけられるような感じで、あまり気持ちよくなかった。それでも数周走れたし、ステップバイステップで前進したい。今は結構痛みがあるけれど、今晩の様子を見たい。この体調でレースに出場することは、そんなに簡単じゃないけれど、努力が報われることを願っている。ウエットコンディションは、ドライのときよりスムーズに乗れるけれど、リスクは高い。今日は路面温度が低く、グリップしないことが問題だった。難しいのはブレーキングと切り返し、そして右コーナー。なぜなら、腕を結構伸ばさなければいけなかったからだ。明日に向けて少しツナギを改良してもらい、気持ちよく乗れるようにしたい」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督「今日はとても残念なコンディションだった。しかし、ダニが復帰したことは、Repsol Honda Teamにとっては明るいニュースになった。ダニのケガの回復も順調だ。今日はコンディションが悪かったこともあり、ボディチェックが最大の目的となったが、2日目以降もちゃんと走れることを確認できたようだ。ラップ数は少なく、107%を越えられなかったが、今日の目的は達成できた。ドヴィツィオーゾは、タイヤの確認と、マシンのチェックを行った。今日のようなコンディションでプッシュする必要もない。明日以降、ペースを上げて準備していきたい」

高橋裕紀(Moto2 17番手)「セッション前半はまだ濡れていたので走らず、後半、ドライコンディションになってから走行を始めた。前戦マレーシアGPで問題になったブレーキの問題も解決して、いつものように走れるようになった。今日は、コンディションが悪くて、正確な判断はできないのだが、これまでのサーキットに比べたら、回り込んだコーナーが無いので、旋回性の問題はいくぶん解消できている。路面のギャップに敏感に反応しすぎる部分を明日解消したいが、いつもに比べたらフィーリングはよかった。明日のコンディション回復に期待したい」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:41.146
227C.ストーナードゥカティ+0.334
369N.ヘイデンドゥカティ+0.485
458マルコ・シモンチェリHonda+0.735
533マルコ・メランドリHonda+0.836
64アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+1.125
746V.ロッシヤマハ+1.480
85C.エドワーズヤマハ+1.867
914ランディ・デ・ピュニエHonda+2.330
1065L.カピロッシスズキ+2.838
1136M.カリオドゥカティ+3.033
127青山博一Honda+3.558
1340H.バルベラドゥカティ+4.549
1419A.バウティスタスズキ+5.014
1541A.エスパルガロドゥカティ+6.981
RT26ダニ・ペドロサHonda+10.064
RT11B.スピーズヤマハ+17.467

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
115アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI/Honda1:36.295
245スコット・レディングSUTER+0.018
310フォンシ・ニエトMORIWAKI+0.402
460フリアン・シモンSUTER+0.474
529アンドレア・イアンノーネSPEED UP+0.726
616ジュール・クルーゼルSUTER+0.928
763マイク・ディ・ミリオSUTER+0.934
844ロベルト・ロルフォSUTER+1.001
971クラウディオ・コルティSUTER+1.061
1012トーマス・ルティMORIWAKI+1.132
1165ステファン・ブラドルSUTER+1.301
1217カレル・アブラハムFTR+1.311
1325アレックス・バルドリーニI.C.P.+1.315
146アレックス・デボンFTR+1.727
1524トニー・エリアスMORIWAKI+1.912
1677ドミニク・エージャーターSUTER+1.938
1772高橋裕紀TECH 3+1.948
1855ヘクトル・ファウベルSUTER+2.049
1947ウェイン・マクスウェルMORIWAKI+2.060
2035ラファエレ・デ・ロサTECH 3+2.065
212ガボール・タルマクシSPEED UP+2.391
223シモーネ・コルシMOTOBI+2.475
2356マイケル・ランセダーSUTER+2.509
2414ラタパーク・ウィライローBIMOTA+2.512
2540セルジオ・ガデアPONS KALEX+2.530
2680アクセル・ポンスPONS KALEX+2.582
2746ハビエル・フォレスBIMOTA+3.116
2849アレクサンダー・クドリンBQR-MOTO2+3.154
298アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+3.195
3061ウラジミール・イワノフMORIWAKI+3.208
3153バレンティン・ドゥビーズADV+3.462
3268ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+3.807
3339ロベルティーノ・ピエトリSUTER+3.905
3428渡辺一樹SUTER+4.078
3588ヤニック・グエラMORIWAKI+4.433
369ケニー・ノイズPROMOHARRIS+4.733
375ホアン・オリベPROMOHARRIS+4.788
3895マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+6.709
RT66國川浩道BIMOTA+8.892

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
138B.スミスアプリリア1:54.547
293M.マルケスデルビ+0.925
352D.ケントランブレッタ+1.108
411S.コルテセデルビ+1.136
540N.テロールアプリリア+1.373
614J.ザルコアプリリア+2.201
744P.エスパルガロデルビ+2.626
871小山知良アプリリア+3.049
935R.クルメンナッハアプリリア+3.051
1015S.グロツキーアプリリア+3.091