round 16

October 16 2010, QUALIFYING:13:55-(local)/11:55-(JST)
MotoGP IVECO AUSTRALIAN GRAND PRIX
第16戦 オーストラリアGP

シモンチェリ今季ベストグリッド獲得の4番手
3戦ぶり復帰のペドロサは、ケガの回復が思わしくなく欠場を決める

第16戦オーストラリアGPの予選は、午前中は青空が広がるも、午後は時折り雨が降る不安定な天候となり、難しいセッションとなった。MotoGPクラスは、ほぼドライコンディションで走れたが、セッション終盤に雨が降り、最後のアタックが完全にできない選手たちも多かった。

その中でトップタイムをマークしたのは、ホームGPで過去3連勝中のケーシー・ストーナー(ドゥカティ)で、2番手にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、3番手にベン・スピーズ(ヤマハ)。Honda勢は、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が今季ベストグリッドとなる4番手につけた。

  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • ランディ・デ・ピュニエ(#14)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(#4)ランディ・デ・ピュニエ(#14)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(#4)
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • 青山博一青山博一
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサ(#26)ダニ・ペドロサ(#26)

ウエットコンディションとなった初日に、4番手と好調なスタートを切ったシモンチェリ。ドライコンディションとなった午前中のフリー走行では9番手だったが、午後の予選では一気にタイムを上げて4番手に浮上した。シーズン中盤戦に入って、好走を見せているシモンチェリ。決勝でも今季ベストリザルト、MotoGP初表彰台の期待が膨らんでいる。

初日9番手のランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が、ドライコンディションとなった2日目の予選で7番手につけた。今大会は、決勝を想定してロングランを集中的にこなし、上位を狙えるアベレージで周回を重ねた。第8戦ドイツGPの左足のケガも、ほぼ正常に戻った。体調も回復し、バイクの仕上がりもよく、3列目からの追い上げに注目される。

初日6番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は9番手だった。過去2戦はフロントローに並び、2戦連続表彰台に立ってきた。今大会は強風に悩まされて思うようにタイムを上げることができなかったが、悪いコンディションの中で、いかに乗りやすいバイクに仕上げるか、ということに多くの時間を割いてきただけに、決勝では追い上げのレースが期待される。

初日5番手のマルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)は、ドライコンディションでは思うようにタイムを伸ばせず、10番手とポジションを落とした。初日12番手の青山博一(Interwetten Honda MotoGP)も、思うようにドライコンディションでのセッティングを決められず13番手。3戦ぶりに復帰のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、手術をした左鎖骨の痛みがひどく、思うようにバイクもコントロールできなかった。そのため、レース距離を走りきるのは難しいと判断。今大会の欠場を決めた。次戦ポルトガルGPから復帰する予定だ。

Moto2クラスは、セッション開始直前に雨が降り、ウエットからドライになる難しいコンディションとなり、前戦マレーシアGPでMoto2初表彰台に立ったアレックス・デ・アンジェリス(JIR Moto2)がMoto2初ポールポジション(PP)を獲得した。以下、1秒差以内に11台という激戦。日本人勢は、高橋裕紀(Tech 3 Racing)が19番手、渡辺一樹(Racing Team Germany)34番手。國川浩道(Bimota-M Racing)39番手だった。

コメント

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手) 「この数戦、予選では3列目ばかりだったけれど、今日はがんばって、もう少しでフロントローというところまでいけたので、とてもうれしい。正直、スピーズの方が、自分よりいい状態だし、速いと思うけれど、今日の結果には満足している。今日は風が強くて、ベストタイムを出したときも風の影響を受けてしまった。ちょうど、ストーナーの後ろを走っていたけれど、彼がどうしてあんなに速く走れるのか分からなかった。今日は全体的に進歩することができた。これから決勝に向けてやらなければいけないことはたくさんあるし、準備したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 7番手) 「昨日のウエット、そしてドライになった今日も、速いラップを刻めたのでよかった。今日の午後は、決勝レースに焦点をしぼり、2回のロングランを行った。どちらも、いいリズムで走れたし、トップ6にいることができた。ベストタイムを出した周は、カリオ(ドゥカティ)に引っかかってタイムをロスしてしまった。ほんの0.2秒差でフロントローを逃してしまった。でもHondaのライダーとして2番目に速かったのはうれしい。明日は、どっちのコンディションでもいいレースができる自信がある」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 9番手) 「今日は風が強くて苦労した。9番手に終わった一番の理由も、風だったし、この激しい風の中では思うようにバイクをコントロールすることができなかった。ラインをキープすることもできなかった。あとはグリップも足りなかった。いくら風の影響を受けたと言っても、正直、9番目より上になると思っていたし、とても残念だった。でもレースになれば、違う走りができると思うし、もっといいフィーリングになることを願っている。今日のデータを見て、明日に向けて策を練りたい。こういった強い風のときに、どうすればいいのかといういい経験になると思うし、自分のライディングを磨きたい。過去2戦はフロントローからスタートして表彰台に立てた。明日も3列目からいいスタートが切れれば、前のグループで戦えると思う。昨日のウエットコンディションはよかった。レースは雨でもいい。欠場することになったダニのことは残念に思う。ケガが完全に治っていない状態で走るのは決して簡単なことじゃないし、このようなコンディションではさらに難しい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 10番手) 「またしても、最悪な一日になってしまった。一生懸命やったけれど、成果はなかった。たくさんの問題があって、どうしていいのか分からない」

青山博一(MotoGP 13番手) 「2日連続でひどい天気になり、セットアップに苦労した。今日はドライになったので前戦マレーシアと同じ状態でスタートしたのだが、もてぎ、セパンとはかなり違うセッティングを求められるような気がした。正直、今日の状態でレースには挑めないし、明日のウオームアップで違うセッティングにトライしたい。前回は14番手から追い上げのレースができたので、今回も13番手から追い上げるレースにしたい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 15番手・欠場) 「スペインで手術をしたときに、自分の目標はオーストラリアに戻ってくることだった。でも、昨日今日と3回のセッションを走ってみて、速いペースをキープするのが不可能だった。周回を重ねるごとに腕の力もなくなり、バイクをコントロールするのもだんだん難しくなっていた。強風でそれがさらに難しかった。フィリップアイランドは高速サーキットでハンドルバーをとても強く握らなければならず、疲れもひどく、痛みもひどかった。3秒遅いペースで走って、ほんの数ポイント獲得しても、あまり意味がない。でも、こうして2日間走れたことは大きな意味があった。とにかく、乗ってみなければどんな感じなのかまったく分からないからね。今はもうこれ以上リスクを負いたくないので、エストリルで復帰したい」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督 「昨日に引き続き、今日も難しいコンディションだった。アンドレアは、昨日からいろいろなセッティングにトライしているのだが、思うようなレベルに達していない。今日は路面温度が低く、強風のためにセットアップを難しいものにした。明日のウオームアップで再度トライして、少しでも戦闘力を上げたい。ダニは、ケガの回復状態が、まだレースを戦える状態になっていないことを考慮して欠場を決めた。まだ痛みもあり、思うようにバイクをコントロールできず、タイムも出ていない。次のポルトガルGPまでには、かなり回復するはずで、エストリルには元気な走りを見てもらえるようにしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(Moto2 ポールポジション) 「Moto2で初めてPPを獲得できて、とてもとてもうれしい。それに、ここは自分の大好きなサーキット。本当に好きで、特に最終コーナーはとても気持ちがいい。このバイクは、このサーキットに合っていると思う。走り込むにしたがってどんどんよくなっている。ダンロップのすべてのタイヤを試したけれど、問題はウエットになったときだけ。このバイクで雨の中を走っていないので、ちょっと不安はある。ドライコンディションならとてもうれしい。いい結果を出せるようにがんばる」

スコット・レディング(Moto2 2番手) 「セッション序盤の濡れたコンディションは、ちょっと危険だった。スリックで始めたけれど雨が強くなってウエットに替えた。でも、そうしたら雨が止んでしまった。フィリップアイランドの変わりやすい典型的な天気だった。コースが乾いてからはバイクのフィーリングがよかった。いいラップタイムも簡単に出た。もっと速くいけると思った。セッション終盤にアレックスに逆転されてPPを逃したのは残念だった。でも、フロントローなので、いけると思う。ペースセッティングはいいし、明日のレースは自信がある」

高橋裕紀(Moto2 19番手) 「全体的に悪くなかったのだが、アタックするタイミングが悪くて、タイムを出せなかった。ちゃんと走れていれば、フロントローに並べたかもしれないと思うし、決勝に向けて内容は悪くなかった。小さなコーナーでは、依然として旋回性に課題はあるが、ここは高速コーナーが多く、そういうポイントではいい走りができている。明日は追い上げて上位を狙いたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
127C.ストーナードゥカティ1:30.107
299J.ロレンソヤマハ+0.668
311B.スピーズヤマハ+1.279
458マルコ・シモンチェリHonda+1.295
55C.エドワーズヤマハ+1.308
669N.ヘイデンドゥカティ+1.423
714ランディ・デ・ピュニエHonda+1.447
846V.ロッシヤマハ+1.520
94アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+1.911
1033マルコ・メランドリHonda+2.260
1141A.エスパルガロドゥカティ+2.435
1236M.カリオドゥカティ+2.709
137青山博一Honda+3.083
1419A.バウティスタスズキ+3.117
1526ダニ・ペドロサHonda+3.277
1640H.バルベラドゥカティ+3.283
1765L.カピロッシスズキ+4.162

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
115アレックス・デ・アンジェリス MOTOBI 1:35.148
245スコット・レディングSUTER+0.230
365ステファン・ブラドルSUTER+0.430
463マイク・ディ・ミリオSUTER+0.548
529アンドレア・イアンノーネSPEED UP+0.722
660フリアン・シモンSUTER+0.735
756マイケル・ランセダーSUTER+0.787
835ラファエレ・デ・ロサTECH 3+0.943
924トニー・エリアスMORIWAKI+0.957
1017カレル・アブラハムFTR+0.985
1147ウェイン・マクスウェルMORIWAKI+0.998
1212トーマス・ルティMORIWAKI+1.064
1355ヘクトル・ファウベルSUTER+1.095
143シモーネ・コルシMOTOBI+1.097
1510フォンシ・ニエトMORIWAKI+1.156
1671クラウディオ・コルティSUTER+1.171
1716ジュール・クルーゼルSUTER+1.178
1880アクセル・ポンスPONS KALEX+1.200
1972高橋裕紀TECH 3+1.241
2025アレックス・バルドリーニI.C.P.+1.244
216アレックス・デボンFTR+1.300
222ガボール・タルマクシSPEED UP+1.367
238アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+1.571
2468ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+1.627
2544ロベルト・ロルフォSUTER+1.692
2677ドミニク・エジャーター SUTER+2.021
2714ラタパーク・ウィライローBIMOTA+2.081
2840セルジオ・ガデアPONS KALEX+2.187
2946ハビエル・フォレスBIMOTA+2.225
3053バレンティン・ドゥビーズADV+2.486
3161ウラジミール・イワノフMORIWAKI+2.650
3239ロベルティーノ・ピエトリSUTER+2.981
3349アレクサンダー・クドリンBQR-MOTO2+3.274
3428渡辺一樹SUTER+3.633
359ケニー・ノイズPROMOHARRIS+3.687
365ホアン・オリベPROMOHARRIS+4.170
3788ヤニック・グエラMORIWAKI+4.947
3895マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+5.126
3966國川浩道BIMOTA+6.568

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ1:38.236
211S.コルテセデルビ+0.616
344P.エスパルガロデルビ+0.755
440N.テロールアプリリア+0.848
538B.スミスアプリリア+1.127
612E.ラバトアプリリア+1.888
77E.バスケスデルビ+2.405
871小山知良アプリリア+2.492
939L.サロンアプリリア+2.551
1023A.モンカヨアプリリア+2.976