Repsol Honda Teamのトニー・ボウが前人未踏のシリーズ8連覇
チームメートの藤波貴久は開幕戦で勝利
2014年のFIMトライアル世界選手権は、Repsol Honda Teamのトニー・ボウが年間7勝を挙げ、新記録となるアウトドアシリーズ8連覇を達成しました。チームメートの藤波貴久は、開幕戦で優勝を果たすなどして総合5位。シーズンを通して、Hondaワークスのライダーが活躍しました。
14年、Hondaはワークス体制でシーズンに臨みました。そのため、これまでボウと藤波が所属していたRepsol Montesa Hondaは、Repsol Honda Teamと改名され、新たなスタートを切りました。
開幕戦では、Repsol Honda Teamの2人が早速強さをみせます。1日目は第7セクションまでオールクリーン、1ラップ目の終了時にわずか2点しか取っていなかった藤波が、その後のラップでも安定した走りで優勝。2位にはボウが入りました。対して2日目はボウが優勝、藤波が6位と、チームメート同士で勝利を分け合いました。
第4戦を終えた段階で、ボウはランキングトップ。そしてここから、ボウがディフェンディングチャンピオンとしての本領を発揮していきます。第5戦で優勝すると、続く第6戦でダブルウインを達成。第7戦では2位表彰台を獲得しました。
そうして迎えたシーズン最終戦。ボウは驚異的な強さでシーズンをリードしていたものの、ランキング2位のアダム・ラガ(ガスガス)がボウに次ぐ4勝を挙げており、タイトル争いは2人の一騎打ちに。第7戦を終えた時点でその差はわずか7点しかなく、チャンピオン獲得に向けて、予断を許さない状況でした。
最終戦の初日、ボウは難セクションだった第7セクション以外をすべてクリーンでまとめ、1ラップ目は唯一の1桁減点の5点で終えます。その後の2ラップ目、3ラップ目でも、ボウはトップの成績で走りきり、大差で優勝を手にしました。2日目になると、ライバルもすばらしい走りをみせますが、ボウには及ばず。ダブルウインでタイトル獲得に華を添えました。
14年のボウは年間7勝。優勝を逃したレースでも、2位に入る好成績でした。そして、8度のチャンピオン獲得は、それまでジョルディ・タレスとドギー・ランプキンが築いた7度のタイトル獲得という偉業を、塗り変える快挙でした。