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トライアル世界選手権

round 06

SCHEDULE

July 19-20 2014, RACE FIM Trial World Championship Great Britain

イギリスイギリス

トニー・ボウがイギリスでパーフェクトウイン

2014年7月19日(土)、20日(日)・決勝  会場:ペンリス  天候:霧

例年になく苦戦を強いられている今シーズンのトニー・ボウ(Repsol Honda Team)ですが、雨の第6戦イギリス大会では目の覚めるような走りを披露して、勝利を飾りました。その勢いは2日目にも衰えず、イギリスでの2連勝を果たしました。ライバルのアダム・ラガ(ガスガス)は、ジェロニ・ファハルド(ベータ)に詰め寄られながらも2位を確保。シリーズポイントランキングでは、ボウが10ポイントのリードを築きました。

  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウ(中央)トニー・ボウ(中央)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

藤波貴久(Repsol Honda Team)は両日ともに5位。1日目はファハルドに1点差と惜しい展開でしたが、終盤にクラッシュを喫して、痛めていたヒザを再び悪化させてしまいました。2日目も苦しい戦いとなりましたが、ジェイムス・ダビル(ベータ)に次いで5位。ランキングでは4位を維持しています。ランキング3位争いはアルベルト・カベスタニー(シェルコ)と藤波、ファハルドの3者による、激しい戦いとなりそうです。

■決勝1日目

今回の会場はペンリス。スコットランドとの境に近い国立公園の、わずかに外側に位置する、市街地に近いエリアが会場となりました。コースは一周4kmで、12セクション3ラップと比較的コンパクトです。岩場を中心としたトライアルを楽しもうと、雨降りにもかかわらず会場には約3000人の観客が詰めかけました。

ボウも、雨を気にするそぶりは見せません。イギリス特有の滑るコンディションを次々に克服し、ラガとの点差を確実に広げていきました。特に1ラップ目のボウは圧巻でした。ライバル選手が10点以上の減点をとっている1ラップ目で、ボウはなんと最後の第12セクションに到着するまで、減点が一つもありませんでした。第12セクションで初めて1点減点を喫しましたが、それでも1ラップ目の2位、カベスタニーに14点の大差。この時点で、ほかのライダーの勝利への望みは、事実上絶たれてしまいました。

2ラップ目が始まったころ、雨が止みました。しかし、それはほんの一瞬で、再び会場は雨模様に。一瞬雨が止んだことで、皮肉なことにコンディションは一段と厳しいものになりました。1ラップ目に1点だったボウの減点は、2ラップ目には7点となりました。しかし、ライバルもまた減点を増やしており、2ラップ目終了時点で2番手のカベスタニーには30点差となりました。ラガは3ラップ目にようやく7点のベストスコアをマークして2番手に浮上しましたが、ボウとの点差は31点。今回はボウの圧勝となりました。

藤波は前戦で、不振から復調の兆しをみせ、今回は表彰台を目指してのチャレンジとなりましたが、1〜2ラップ目の大量減点が痛手でした。それでも、3ラップ目にスコアを半分近くまで減らして走り、元世界チャンピオンの貫録をみせました。しかし残念ながら、ファハルドに1点差で4位の座を逃し、5位となりました。

決勝1日目コメント

トニー・ボウ(1日目/優勝)
「1ラップ目はとてもいい走りができました。12セクションで1点減点となるまでオールクリーンでしたし、自分の走りとマシンとのマッチングに、絶対的な自信を持って走れたので、とてもうれしかったです。今日の勝利は、ラガ選手とのタイトル争いの上でとても大きな一勝になりました。雨はなんの障害にもなりませんでした。この勢いを明日につなげたいと思います」

藤波貴久(1日目/5位)
「1ラップ目と2ラップ目の走りが、ちぐはぐなものになってしまい、トップグループから一気に離されてしまいました。3ラップ目にはばん回ができたのですが、最終セクションで激しいクラッシュをしてしまい、痛めているヒザを悪化させてしまいました。今晩じっくり休んで、明日再び、強い藤波になってイギリスを戦いたいと思います」

■決勝2日目

岩と上り斜面がちりばめられた砕石場と森林が、今回の舞台です。2日目の観客は約4000人と、1日目を上回りました。静かな森の中での激しい戦いが始まります。

ボウの走りは、たいへん自信に満ちていました。この日もまた、ボウの圧勝パターンに。多くの選手が1ラップで10点以上の減点をとっている中、ボウの減点は第8セクションでの5点が唯一の減点。ここは抜け出せた選手がほんのわずかという難セクションでした。

ボウとタイトル争いを続けるには、なんとしても2位には入っておかなければならないラガは、3ラップ目にこん身の追い上げを見せました。3ラップ目の減点は、それまでのスコアのおよそ半分となる7点。これで、ラガはファハルドに1点差をつけて2位に躍り出ることができました。

藤波は、前日の12セクションでのクラッシュによるヒザの痛みと戦いながら、4位のダビルに3点差で5位。カベスタニーが7位となったことで、ランキング3位争いはいよいよし烈となってきました。

次戦は、1週間後の7月27日(日)に、フランスのスキーリゾート地、ラ・モンジーで開催されます。

決勝2日目コメント

トニー・ボウ(2日目/優勝)
「1日目に続けて2日目も勝利できて、とてもうれしいです。チャンピオンシップでのリードを広げられたのがなによりでした。今回の私は、チャンピオンの自信を完全に取り戻すことができました。両日に最小減点で試合をまとめてこられたことからも、それは明らかだったと思います。ラガ選手に10点差をつけることができたので、シーズン後半もこの勢いで走りたいと思います」

藤波貴久(2日目/5位)
「今回のヒザの痛みは、ライディングにも影響しました。それでも、目標であるランキング3位を目指し、闘志を奮い立たせてがんばりました。しかし、1ラップ目の減点が多すぎて、5位。それでも2ラップ目と3ラップ目の走りは、納得できるものでした。いい走りができたと思っています」

決勝1日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
11トニー・ボウモンテッサ(Honda)17101827
22A.ラガガスガス222074920
34A.カベスタニーシェルコ1523195715
43J.ファハルドベータ2333177314
55藤波貴久モンテッサ(Honda)2830167414
66J.ダビルベータ3223258013

決勝2日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
11トニー・ボウモンテッサ(Honda)55102032
22A.ラガガスガス131573523
33J.ファハルドベータ1312113625
46J.ダビルベータ182164522
55藤波貴久モンテッサ(Honda)2412124821
615J.カサレスガスガス321375219

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・ボウモンテッサ(Honda)168
2A.ラガガスガス158
3A.カベスタニーシェルコ120
4藤波貴久モンテッサ(Honda)113
5J.ファハルドベータ111
6J.ダビルベータ91
 
15小川友幸Honda13