ROUND 03

日本日本 鈴鹿サーキット 2017.06.04(日)・SS600 決勝

第3戦 日本

ザイディがレース1で3位、羽田がレース2で4位に

アジアロードレース選手権3戦が三重県鈴鹿サーキットで開催されました。レースウイーク中は晴天に恵まれ、熱戦が繰り広げられました。スーパースポーツ600ccクラス(SS600)には全日本ロードレース選手権(以下全日本)に出場しているライダーも数多く参戦し、華やかな顔ぶれとなりました。全日本JSB1000の加賀山就臣(スズキ)、全日本J-GP2から榎戸育寛(MOTO BUM Honda)、全日本ST600から前田恵助(ヤマハ)らが参戦しました。

予選ではアズラン・シャー・カマルザマン(カワサキ)が転倒、羽田太河(RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.)はトラブルで転倒、腰と臀部を強く打ってしまいます。赤旗中断の波乱の展開となりますが、その中でトップは榎戸となり、初参戦でポールポジションを獲得しました。

レース1、ホールショットはカマルザマン、それに芳賀紀行(ヤマハ)、伊藤勇樹(ヤマハ)、榎戸が続きました。シケインで伊藤が前に出て首位に立ち、その後を15台が数珠つなぎで追う展開になりました。2ラップ目は伊藤、芳賀、チャランポン・ポラマイ(ヤマハ)、カマルザマン、榎戸、アンソニー・ウェスト(ヤマハ)が僅差で追いかけます。バックストレッチで芳賀が前に出ますが、伊藤がシケインで抜き返し、伊藤がレースをリードします。それを、ポラマイ、芳賀、ウェスト、カマルザマン、榎戸、羽田、ラタポン・ウィライロー(A.P.Honda Racing Thailand)、前田が追い、10台のトップ争いとなりました。セカンドグループでは加賀山、ケミン・クボ(ヤマハ)、山口辰也(A.P.Honda Racing Thailand)、名越哲平(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)の4台の争いが繰り広げられました。

7ラップ目に、伊藤、ポラマイの後方のカマルザマンを抜いて、ウェストが3番手に浮上。榎戸は5番手、ザクワン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)が6番手に浮上、羽田、ラタポン、芳賀までがトップ争いに加わります。ザイディは、その中でペースアップし、4番手に浮上して、カマルザマンの背後に迫ります。11ラップ目の130Rでウェストが伊藤を捉えて首位に立ち、それを伊藤、ポラマイ、ザイディが追います。トップ集団は4台に絞られ、激しい攻防を繰り広げました、伊藤はウェストからトップを奪いますが、最終ラップの逆バンクでウェストが伊藤を捉えて逆転し、逃げきり優勝。2位に伊藤が入り、ザイディは激しい3番手争いを制して表彰台に立ちました。榎戸は5位に入り、羽田はトラブルを抱えながらも6位に入りました。山口は9位、名越は11位、山田誓己(RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.)は12位でチェッカーを受けました。

レース2は、カマルザマンがホールショットを奪い、伊藤、ウェスト、芳賀が追う展開となりました。伊藤が130Rで首位に立ち、カマルザマン、ポラマイ、榎戸、ウェスト、ザイディ、芳賀、羽田が僅差で続きます。2ラップ目、ポラマイが前に出ますが、すぐに伊藤が首位を奪い返します。榎戸が2番手に浮上し、ポラマイ、カマルザマン、ウェスト、ザイディ、羽田、芳賀が続きました。トップ集団は15台と長い隊列を作り周回を重ねます。伊藤の背後に榎戸が迫り、スプーンカーブで榎戸が首位に立ちますが、伊藤が前に出て、ポラマイ、榎戸とオーダーが変わります。トップ争いは7台に絞られ、伊藤、ポラマイ、榎戸、ウェスト、羽田、ザイディ、カマルザマンという順番になりました。そのすぐ後に、後続の6台も追いつき、再びトップ集団は大きく膨れ上がって、激しい攻防戦が繰り広げられました。7ラップ目には伊藤、ポラマイ、ウェスト、ザイディ、榎戸、カマルザマン、加賀山、ラタポン、芳賀、山口のトップ争いが続き、名越は8ラップ目の130Rで転倒してしまいリタイア。9ラップ目にウェストが首位を奪い、伊藤、その背後に羽田が浮上します。僅差で続くトップ争いは、ウェスト、伊藤が続き、加賀山が羽田を捉えて3番手に浮上、その後方、ポラマイ、ザイディ、榎戸、山口、ラタポンの9台の争いで最終ラップに突入し、シケインの攻防で、伊藤はウェストに仕掛けます。羽田もラインを変えて加賀山に迫ります。真っ先に最終コーナーを駆け下りたウェストが優勝し、2位が伊藤、3位が加賀山となりました。羽田はラインを変えポジションアップを狙うも届かず4位、ザイディは6位、榎戸は7位、山口は8位となりました。山田は15位でチェッカーを受けました。

コメント

ザクワン・ザイディ(スーパースポーツ600cc 3位/6位)
ザクワン・ザイディ 「鈴鹿ではいつもタフなレースになります。今回も厳しいレースになりました。それでもレース1では、どんなところでもチャンスに結びつけたいと、プッシュして、トップ争いに食らいつきました。ものすごいドッグファイトの末に3位になることができました。鈴鹿で表彰台に上ったのは初めてなので、涙が出るほどうれしかったです。この経験を、今後に活かしてがんばりたいと思います」

羽田太河(スーパースポーツ600cc 6位/4位)
羽田太河 「マシントラブルで転倒してしまい、腰と臀部を強く打ったことで前傾姿勢をとることが辛い状況になってしまいましたが、痛いなんて言っていられないので、しっかりと上位を狙おうと走りました。レース1は、ハンドルが緩んでしまうトラブルで、終盤にかけて、走りきることが難しいと思うくらいの状況になってしまい、チェッカーを受けるだけで精一杯でした。レース2ではばん回したいと思い、作戦などなく、行ける時に前に行くという気持ちで走っていました。最終ラップの最終シケインでは、このまま終わるくらいならコースオフしてもいいという覚悟で仕掛けました。3位にはなれなかったけれど、後悔のない走りができたと思います。でも、やっぱり目指すのは優勝なので、次戦ではまた、勝てるようにがんばりたいです」

山口辰也(スーパースポーツ600cc 9位/8位)
山口辰也 「CBRにスリックタイヤを履くという状況に、どう自分のライディングを合わせていけばいいのか、正直苦戦しています。溝付きタイヤでの走行で出たタイムと比べ、2秒も落ちているので、その差を埋めて行かなければなりません。今回はサスペンションのスタッフが来てくれて、セットアップを進め、大きな変更をしたことで、光が見えてきたように思います。レース2では自己ベストタイムを更新できていますし、セクタータイムも上がりました。トップグループに追いつくこともできましたし、走り方のヒントもつかみました。なので、これからしっかりと順位を上げていきます」

名越哲平(スーパースポーツ600cc 11位/DNF)
名越哲平 「今回は鈴鹿での開催ということで、全日本のメカニックや、チームの会長や社長も顔を出してくれて、走りやセッティングについて貴重なアドバイスをもらうことができました。結果には残っていませんが、内容としては、大きな進歩があったと思っています。全日本のマシンとアジアのマシン、タイヤはブリヂストンとダンロップ、溝付きとスリックと、それぞれの違いや切り替えが、少しは明確になったように思います。貴重な経験をさせてもらっているので、前進できるようにしていきたいです」

山田誓己(スーパースポーツ600cc 12位/15位)
山田誓己 「思うようなセッティングが見つけられずに悩んでいたこともあり、チームメートの羽田選手のセッティングに近い形でグリッドに着きましたが、両レースとも、前半部分では同じようなペースで走れるものの、西コースでは思うように走れずに離されてしまいました。次戦までの時間をしっかり使い、マシンの理解度を深め、このトンネルを抜け出せるように努力します」

リザルト

レース1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
113 A.ウェストヤマハ13 28'56.056
276伊藤勇樹ヤマハ13+0.084
321ザクワン・ザイディHonda13+1.290
425A.シャー・カマルザマンカワサキ13+1.607
5 32 榎戸育寛Honda13+2.558
623羽田太河Honda13+3.563
9104山口辰也Honda13+9.480
11634名越哲平Honda13+17.400
1217山田誓己Honda13+31.295
1469サラス・シャンカル・クマHonda13+1'33.371

RT

59 ラタポン・ウィライローHonda 0 +13Laps

レース2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
113 A.ウェスト ヤマハ1328'56.621
276伊藤勇樹ヤマハ13+0.364
3 71 加賀山就臣

スズキ

13+0.967
423羽田太河Honda13+1.018
565C.ポラマイヤマハ13+1.293
621ザクワン・ザイディHonda13+1.497
732 榎戸育寛Honda13+2.237
8104山口辰也Honda13+3.936
959ラタポン・ウィライローHonda13 +4.008
1517山田誓己Honda13+25.816
1769サラス・シャンカル・クマHonda13+1'33.827
DNF634名越哲平Honda 7 +6Laps

ポイントランキング

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1 25 A.シャー・カマルザマン カワサキ 102
2 76 伊藤勇樹 ヤマハ 83
3 21 ザクワン・ザイディ Honda 80
4 23 羽田太河 Honda 78
5 33 A.ユディスティラ カワサキ 54
6 13 A.ウェスト ヤマハ 50
8 104 山口辰也 Honda 45
9 16 イルファン・アルディアンシャー Honda 35
10 59 ラタポン・ウィライロー Honda 35
13 634 名越哲平 Honda 30
14 17 山田誓己 Honda 28
16 32 榎戸育寛 Honda 20
19 69 サラス・シャンカル・クマ Honda 9

ランキング詳細


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ザクワン・ザイディ(#21)

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ

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榎戸育寛

榎戸育寛

榎戸育寛

羽田太河

羽田太河

羽田太河

山口辰也

名越哲平

山田誓己

サラス・シャンカル・クマ

ラタポン・ウィライロー

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