僕の終の車となるであろうアコードにたどり着くまでの経歴は、半世紀以上も昔の時点から始まったのである。僕は学生時代に大阪で三畳一間の下宿生活を送っていたのだが、車に興味を持つ前には、キャンピング用の自転車に関心があって、当時毎月、親から仕送りをささやかながら送金してもらっていたのだが、喰っていくのが精いっぱいだったために、夏休みなどの期間にアルバイトをして稼いだ資金で憧れの自転車を購入し、狭い部屋に保管して毎日一緒に寝泊りしていたのであった。その自転車を使い夏休みなどに放浪の旅にでて、徘徊していたのが放浪人生のスタートとなったのだ。ギリギリの学生生活だったことから、2年間散髪にも行かず、髪を腰まで長く伸ばして見るからに怪し気な学生時代だったのであった。4回生となって、やっと中古で安い壊れそうな車を購入してから、車人生が始まったのである。今思えば、そんな辛く厳しい人生を送ってきたからこそ、僕にとって最上の車であるアコードに到達できたのであった。18年しか乗ってはいないが、僕の半世紀以上もの儚いながらも歩んできた歴史を、アコードは背負ってくれていて、これからも共に残り少ない人生ではあるが、終着地点を目指して仲良く元気に頑張っていこうと考えているのである。


