愛車アコードは洗練されたデザインゆえに都会の中を多くの車の流れに乗って静かに走る姿は穏やかな表情で闊歩する節度ある貴公子のように感じられるが、やはり草原の中を風のように疾走するアコードは、自由奔放で天真爛漫な大らかさを持ち合わせた気品ある優し気なプリンセスに思えて、どちらもよく似合っているものの、私には眠るように家のガレージで一休みしているアコードが実に庶民的でおじさんっぽくしっくり馴染んでいて、一番様になっているように見えてならない。もし車もペット同様に風貌や性格がオーナーに酷似してくるのならば、今のアコードには申し訳なく、気の毒としか言いようがないが、せめてアコードだけでも内に秘めたる高性能と機動性を思う存分発揮してもらって、私のように老け込まないでいてもらいたいと常に願っている。


