パッケージ&ユーティリティ。そして、その走りに注目が集まる新型ステップワゴンだが、安全性能にも手抜かりはない。
まず、アコードに初装着以後、アッパーミドルクラス以上に採用されてきたIHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール)をメーカーオプション設定。
フロントグリル内に装着されたレーダーからミリ波を前走車に照射。その反射により前走車との距離や相対速度を測定し、自動的にブレーキやエンジン回転を制御、一定の車間を保ちながら前走車を追従する仕組みだ。
また、IHCCはこのミリ波レーダーを用いたホンダ独自の追突被害軽減機構である、「追突軽減ブレーキ〈CMS〉+E−プリテンショナー」とセットで組み込まれる。これは追突を予測し、危険をドライバーに知らせるとともに状況に応じて自動的にブレーキ制御とシートベルトの引き込み量の調整を行ない、衝突時のダメージを軽減してくれるものである。その他、走行中のドアオープンを防ぐ、車速連動オートドアロックを全車に標準装備。15km/h以上で作動し、後部座席で子供が誤ったドアノブ操作をしても安心というわけである。
標準装備ではないが、もはやクルマの機能の一部として欠かせないアイテムがカーナビ。なかでもホンダの「インターナビシステム」は簡単操作できるプログレッシブコマンダーと市販モデルに負けず劣らない機能によって、その装着率は極めて高い!30GBの大容量HDDによる高い処理能力や大画面8インチモニターもさることながら、独自の先進機能とインターナビ・プレミアムクラブによる「双方向情報サービス」の融合による質の高いナビ機能が人気の秘密だ。例えば、渋滞回避もナビ本来がもつ最新の渋滞予測・回避機能に、メンバー同士が共有する渋滞情報を加味することで、VICS情報を超えた最適なルート案内をするなど、快適なドライブをサポートしてくれるのが特徴。今回、新たにホームページ上で、希望時間に到着するための出発時刻とルートを予測する「出発時刻アドバイザー」を追加。便利で使いやすくドンドン進化しているのだ。
「走る」「曲がる」「止まる」というクルマの基本性能を飛躍的に向上させた新型ステップワゴン。もちろん、視認性や操作性も満足いく仕上がりだ。しかし、乗用車と比べると重心は若干高い。そこで緊急回避などにおける横転の可能性をさらに低減するため、VSA(車両挙動安定化制御システム)を新たに設定した。
これは駆動トルクを制御しながら、クルマの姿勢に対してEBD(電子制御制動)でブレーキを4輪できめ細かくコントロールし、緊急時のみならず、コーナーリング時の姿勢の安定にもひと役買う。その他、ハロゲンの約2倍の光量をもつプロジェクタータイプの ディスチャージヘッドライトや乗員人数や荷物量による光軸補正を行なう、ヘッドライトレベリング機構を採用するなど、新型ステップワゴンは運転者/対向車/歩行者などすべてに優しい気配りがなされている。
一新されたプラットフォームは、軽量化と車体剛性の向上をもトコトン追求した設計だ。このふたつは互いに相反する性能だが、これを突き詰めてこそ、初めて高い安全性と走行性能が得られる。ホワイトボディを見ると各部にボディ補強材が多数確認できる。もちろん、生産工程の都合によるものもあるが、強度が必要な部分にピンポイントで必要な形・厚さの補強材を接合することで、軽量化と車体剛性アップを両立している。
車体剛性や軽量化とともに重要なのが、安全性だ。もちろん、乗員を守る自己保護性能の向上だけでなく、衝突する相手車両への攻撃性低減をも進化させなくてはならない。とくにショートノーズであるミニバンはエンジンルームでいかに効率よく衝撃を吸収するかが重要だ。そのため、メインフレームの他に、アッパーフレーム/サブフレーム/ロアメンバーを組み合わせた複雑なボディ構造とすることで、衝撃吸収性を約20%向上すると同時に、フロアの骨格部には軽量で強度の高い高張力鋼板を多様したコンパビリティ構造ボディとなっている。
また、全車「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定と「平成22年度燃費基準」も達成し、グリーン税制に適合。さらに、リサイクル可能率を90%以上まで引き上げ、環境にもシッカリ配慮している。
(注)各数値や設定は、タイプにより若干異なる場合がございます。必要に応じて、カタログ等で別途ご確認願います。