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| これほどの広さを実現したフィットの登場は、後に続くHondaのクルマづくりに大きな影響を与えるほどのエポックメーキングなクルマとなった |
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| 「うーん、広々」と、寝そべってしまった。これが新コンパクトカーのベンチマークとなったフィットの実力だ! |
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休憩にピッタリなのがリフレッシュモード。でも私には足のゆとりがありすぎる!? |
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| 短いストロークでコクコクと小気味良く決まる5速MTはスピードや走る場所に関係なくドライビングプレジャーを味わわせてくれるアイテムだ |
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| 最高出力81kW[110PS]/5800rpm、最大トルク143N・m[14.6kg・m]/4800rpmというゆとりのパワーを発揮する1.5リッターVTECエンジン |
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| 24km/Lという低燃費と最大出力63kW[86PS]/5700rpm、最大トルク119N・m[12.1kg・m/2800rpm]を発生。信頼の1.3リッターi-DSIエンジン |
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| 排出ガスや燃費など、動力性能ばかりでなく、キチンと環境への対応を積極的に取り組むHondaエンジンへの評価のひとつがここにある |
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フィットが登場したときに、「センタータンク・レイアウト」によって可能となった居住空間の広さといったら、当時のコンパクトカーの常識をまったく覆すほどの「凄いクルマが生まれたぞ!」という感動があった。そのパッケージングやデザイン、コストパフォーマンスのよさがズバ抜けていたこともあってか、フィットはコンパクトクラスのベンチマークとなったのは言うまでもなく、大ヒットモデルとなった。実際に街中でもフィットを頻繁に見かけるたびに、フィットのユーザー層がとても広いということを確認した。そして、ユーザーの使い方もじつに様々であるということも…。初心者マークをペタっと貼り付けた慎重な運転をする学生さん、楽しそうにドライブされる年配のご夫婦、チャイルドシートに小さな子供を乗せて、荷物を満載にして走るママさん。忙しく働いている営業スタッフ、そして見るからにクルマが大好きなのだと感じさせる若い世代の男性…。これほど幅広く受け入れられたフィットの魅力は、エポックメーキングとなっ
た初代シビックに通じるような「Hondaの原点を見た」と思える数々の技術と、Hondaらしい柔軟な発想で考え出されたコンセプトが具現化されたことであると考える。フィットを選んだ人にあわせてクルマがまるで自分好みに変化してくれるような感覚である。
そんなフィットに編集部でも満足をしていたのだが、取材にでかけるとよく耳にする話があった。若いご夫婦のご主人や男性たちが口を揃えて話すのは、「マニュアルトランスミッション搭載のモデルもあったらいいのに」というものだ。彼らはシビックやCR-X、CITYといったHonda車で学生時代から楽しんでいた世代というのが、どうやら共通項のようであるのだが、「家庭をもった今もクルマを楽しみたい。その楽しむアイテムのひとつとして、マニュアルトランスミッションがひとつの希望としてある」というものだった。確かに言われてみればその通りかもしれない。小気味よいフィットの走りをマニュアルで…これは絶対に楽しいはずだ。その彼らの願いがHondaに届いたのか、マイナーチェンジした新しいフィットについにマニュアルトランスミッション(5速MT)が搭載されたモデルがラインアップされた。これは大事件!である。5速マニュアルトランスミッションがラインアップされたのは、1.5リッターVTECエンジン搭載の1.5Sと1.5W。今や日本の道を走る乗用車の90%以上がATという事実からすると、これはかなり貴重なモデルなのではないだろうか。「Honda、よくやってくれた!」というファンの声がすでに編集部には届いている。
しかし、そうは言っても奥様が「やはりマニュアルはチョット…」という場合もあるだろう。しかし、ここでも「ご安心!」とばかりに、しっかりHondaはCVTにも魅力的な装備を追加してくれた。1.5リッターで搭載されていた7スピードモード付ホンダマルチマチックSが、F1でもお馴染みの「パドルシフト」タイプとなったのである。ステアリング上にあるボタンをプッシュして7スピードモードをONにすれば、そこからはドライバー本人の気持ちの上でのスポーツモードもスイッチON! ステアリングの後ろ側にある右側のパドルがUP、左側がDOWNだから、思いのままにUP/DOWNしてみる。これが、とっても楽しいのだ。もちろん楽しい走りに7スピードモードは貢献するが、ステアリングを普通に握りながらシフト操作できるということは、より安全な走りにも貢献できる。一石二鳥のような、そんなアイテムがここにもあったのだ。UPカチカチ…DOWNカチカチ…。しかし、運転中に「楽しい!」とパドル操作をしていたのだが、なぜか「7」に入らない。「その速度じゃ7は入らないよ」と横から聞こえる冷静な声。低いスピードでは「7」には入らないので、「7」に入らないからといって焦らないように…。
ちなみに、この5速マニュアルトランスミッションと7スピードモード付ホンダマルチマチックSが組み合わされたのが、1.5リッターVTECエンジン。VTEC機構を備え、街乗りで十分な扱いやすさと高速走行時のパワフルさが兼ね備えられているが、今回はさらに高効率燃焼を追求して、前型から0.5km/L上昇させた20.5km/L(*1.5A 自動無断変速モード時。メーカーオプション装着車を除く、10・15モード走行燃料消費率)という低燃費を実現している。もちろん、1.3リッターエンジンもさらなる磨き上げがされており、フィットがスターターとして務めた「Small Maxシリーズ」の大きな特徴の1つである「i-DSI」エンジンは、24.0km/L(*1.3A/1.3YのFF車における10・15モード走行燃料消費率)という驚くべき低燃費を誇る。これは前型比で1.0km/Lの向上であり、ほとほとHondaのエンジン技術のこだわりには感心させられてしまう。なお、1.3リッター車全タイプで四つ星の国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」をクリア。1.5リッター車は三つ星の「平成17年排出ガス基準50%低減レベル」をクリアしており、さらにフィット全車が「平成22年度燃費基準+5%達成車」であり、省資源と同時に地球温暖化の原因とされるCO2の排出低減に貢献している。環境にやさしく、お財布にもやさしいフィットはクルマの真のパフォーマンスアップを果たしたと言えるであろう。
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