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最高出力115kW[156PS]/6,500rpm、最大トルク188N・m[19.2kg・m]/4,000rpmを発揮するK20A型 |
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D17A型は最高出力96kW[130PS]/6,300rpm、最大トルク155N・m[15.8kg・m]/4,800rpmを発揮 |
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17X、20XのFF車についてはグリーン税制の対象となり、お財布にもやさしい |
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20Xが履く16インチアルミホイールとタイヤもグッドバランス! |
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やわらかめと聞き、やや心配したが、足回りのチューニングバランスもよく、実に好印象であった |
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ヨーロッパでは「FR-V」の名前でデビュー予定で、いずれディーゼルもラインアップされるらしい |
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3×2パッケージは、ミニバンの新たなスタンダードになると実感させられるほど、魅力的なコンセプトだ |
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エディックスに搭載されたエンジンは2.0リッター DOHC i-VTECエンジン「K20A型」と1.7リッターSOHC VTECエンジン「D17A型」の2タイプ。それぞれ2WDと4WDモデルがラインナップされており、トランスミッションはK20A型の2WDには5AT、その他3モデルには4ATが組み合わされる。どちらもミニバンとして必要な中・低速トルクが重視されており、6人乗りでも十分なパワーを発揮してくれる。2.0リッターi-VTECエンジンであるK20A型では、ホンダが得意とするVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)にVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)を組み合わせており、可変管長インテークマニホールドもあいまって、中・低速トルクに貢献しながら高速域でも爽快感のある走りを実現するパワーを生む。とくに5ATはこのK20A型エンジンとのマッチングが素晴らしく、パワートレーンとしての静かさは家族のコミュニケーションを大事にしたいというエディックスにはもってこいの性能と言っていいだろう。
また環境性能も高く、20Xでは国土交通省「平成17年低排出ガス基準75%達成」という4つ星認定を受けている。一方、D17A型も熟成されたVTEC技術をバックボーンとしながら、17Xでは「平成22年度規制+5%レベル」という高い燃費性能を誇っている。環境への配慮といえば、内外装の樹脂部品から、ポリ塩化ビニール(PVC)を積極的に削減して、クルマ全体のリサイクル可能率を90%以上(Honda独自の算出基準による)達成しているほか、電着塗装やホイールバランスウエイトなどで使われる鉛使用量をクルマ全体で1996年レベルの1/10以下に、また、六価クロムについても使用全廃を目指して、フューエルフィラーパイプやブラケット類などでのメッキコーティング剤の使用も廃止しているなど、さまざまな面で地道な取り組みが行なわれている。
さて実際に走り出してみると、落ち着いた中にも爽快感が漂う走り味に気がつく。不快な音や振動が抑えられており、ある意味、エディックスと同クラスのクルマたちとは一線を画したような印象さえもつ。これにはもちろん、高い吸音や遮音のための工夫がされていることもあるが、ボディの剛性アップ、軽量タイプのインシュレーター(吸音材)の採用なども、ロードノイズ低減に一役買っている。
2.0リッターエンジン搭載車の場合、絶対的なパワーの走りという感じではなく、スムースな走りという表現がピッタリとくるような、しなやかさが光る。やはり、「走り」にこだわりがなければ、Honda車とはいえない。エディックスでは、前1,550mm/後1,560mm(FF車の場合)というワイドトレッド、フロントのトーコントロールリンク・ストラットサスペンションとリアのリアクティブリンク・ダブルウィッシュボーンのサスペンション、そして強靭なボディ骨格とエンジンとのパッケージングのよさが、この走り味を演出している技術として挙げられるだろう。また、エディックスは全長こそシビック5ドアと同サイズであるものの、6人の乗員すべてがホイールベース内に収まり、前後加重の変化が少なくバランスがよいことも大きな特徴といえる。
このワイドトレッドに柔らかめにセッティングされた前後のサスペンションがあいまって、横揺れ、つまりロール方向に対して安定感のある走りを保ちながら、しなやかさも併せ持つという特徴を作りだした。さらに井桁構造の大断面フロアフレームがベースにあり、ボディ骨格主要部材へ高張力鋼板(ハイテン材)を多く適用されていると聞けば、エディックスが操縦安定性と乗り心地にどれだけこだわっているか、理解していただけるだろう。ちなみに、高張力鋼材は軽量化にも貢献していて、通常使われる部材との差は約30kgもあるという。軽量化は、「走る・曲がる・止まる、プラス燃費」と、クルマの基本性能を高める要素である。加えて、ワイドトレッドはタイヤの切れ角を大きく設定することができるという特徴があり、ショートボディサイズもあいまって、最小回転半径は、なんと4.9m(1.7リッター車)というのだ。ちなみにこの数字はコンパクトカーの代表格であるフィットに匹敵し、実際に狭い駐車場枠などから出るときなど、小回りの利く便利さを痛感するはずだ。
乗る人すべてが楽しくあって欲しいというコンセプトで生まれたエディックスに、キチンとコンセプトがまっとうされている仕上がりとなっていることを編集部一同、実感。Hondaのラインアップに新たに魅力的な1台が加わったことで、ますますクルマ選びに悩みそうだ。もちろん楽しい悩みだが…。
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