トマトの
畑づくり
~控えめの元肥で土づくり~
土に雑草が混ざらないよう除草作業を行う
トマトの栽培に適した畑をつくりましょう。まず、耕うんや畝立ての邪魔となる石などを取り除き、雑草が生えていたら鍬などで除草しておきます。耕うん機なら短時間で広範囲を根から除草することができます。
除草した雑草を土の中に残したまますぐに苗を植えつけると、土の中で草が分解されるときに発生するガスで、苗が悪影響を受けることがあるので注意が必要です。
耕うん機で深さ3cm程度を耕すと、回転するロータリーによって雑草の根が断ち切られます。
土がかたく、雑草の勢いが強い場合は、耕うん深度をやや深めにすると除草しやすくなります。FF300なら前輪の位置を変えるだけで、耕したい深さが調整できます。
除草後は熊手などで雑草を集めて処分します。
元肥は少なめが基本約15cmの深さに混ぜる
トマトは肥料を多く必要としません。肥料分が多いと窒素過多となり病虫害が出やすくなるので要注意。有機栽培を続けている畑なら、元肥を施さずに耕すだけで十分です。
新規の畑や化学肥料を使っていた畑なら、元肥として完熟牛ふん堆肥とかき殻石灰や貝化石などの有機石灰をすき込んでおきます。畝をつくる場所に元肥をまいたら土を耕して元肥を土によく混ぜます。
新規の畑では元肥を施します。牛ふん堆肥、有機石灰を均等にまきます(粘土質の畑では元肥の分量は2~3割減にします)。
耕うんの深さを深めに設定して耕うん機を1~2往復すると元肥と土がよく混ざり、特定の株だけ肥料が効きすぎるようなことを避けられます。
元肥の目安
(中間的な土質、1m2あたり)
- 牛ふん堆肥⋯2kg/m2
- 有機石灰⋯200g/m2
水はけをよくする
水はけを改善すれば根がスクスク伸びる
元肥を施したら畝をつくります。畝は野菜が根を張って育つ「ベッド」です。土を寄せ、盛り上げて周囲よりも1段高くすることで、水はけが向上しトマトが健全に育つ環境が整います。
トマトを1列に植える場合、畝の幅は約60cmがおすすめです。トマトに手が届くので世話がしやすく、根を張るスペースも十分に確保できます。畝の高さは20cmを目安にします。その際、畝の中心が凹まないようにすることが水はけの良い高畝をつくるコツです。粘土質の畑ではさらに高くしておきましょう。
畝づくりの際にも耕うん機が役立ちます。まっすぐで高さも一定の、きれいな畝があっという間に完成します(下の写真参照)。幅や高さが一定の畝を用意すると、トマトに限らず植えた野菜の育ちがそろいます。そうすると、効率よく手入れできるようになり、害虫や生育不良の見落としが減ります。
耕うん機に培土器(別売)をセットします。
畝をつくる場所の片側に耕うん機をかけて培土器を牽引すると、土が寄せられます。
反対側にも耕うん機をかけて土を寄せると畝の原型ができます。フロントロータリー式のFF300は直進性が良いため、容易にまっすぐな畝がつくれます。
最後にレーキや鍬で畝の上部をならせば、畝の完成です。
畝づくりのポイント
- 控えめの肥料をすき込む
- 高めの畝をつくる
マルチフィルムを張って土を温めておく
畝をつくったら地温を上げる黒色のマルチフィルムを張っておくのがおすすめです。植えつけまで3週間ほど時間を置くと良いですが、その間も畝の土の乾燥を防ぎ、地温を高めることができます。畝の土は、ホカホカ、しっとりで、植えた苗は根をスムーズに伸ばします。雑草も生えず、泥はねも抑えられます。
黒マルチを畝に張ります。まず、畝の端で黒マルチの裾を埋めて固定します。
黒マルチのロールを転がして畝を覆います。培土器を利用してつくった畝はまっすぐで高さも一定です。おかげで、黒マルチを畝にぴったり張ることができます。
畝の両サイドで黒マルチの裾に土をかぶせて固定していきます。黒マルチがたるまないように、つま先で黒マルチの裾を踏んでピンと張りましょう。
畝の周囲の土を踏んで黒マルチをしっかり固定します。