STEP.2

葉物野菜の
上手な育て方

~マルチに
穴をあけて点まき~

タネをまく

1か所に3〜4粒ずつまきしっかり鎮圧する

9月に入って涼しくなったら葉物野菜づくりを始めましょう。畝をつくってから3~4週間後からタネをまけます。
タネまき後、寒冷紗か不織布を畝に「べた掛け」すると野菜の生育がよくなるのでおすすめです。

畝に寒冷紗か不織布をフワッとかぶせて、裾に土を盛って固定します。発芽が促進され、害虫被害も抑えられます。

株間20cmでマルチに穴をあけ、1か所に3~4粒ずつタネをまきます。ダイコンのタネまき同様に覆土したらしっかりと手で鎮圧しておきましょう。発芽をそろえるコツです。

収穫

間引きをしながら大きく育てて収穫する

葉物野菜づくりのコツは、生長に合わせて間引きしながら大きく育てていくことです。この時、間引いた葉も収穫物としておいしく食べられます。タイミングは、隣接する株の葉とぶつかってきたら。隣同士の葉が触れ合っているくらいの距離感をキープすることです。間引きが遅れると葉が混み合い、風通しや日当たりが悪くなります。生育が遅れるだけでなく、病虫害の発生を助長します。その後は、食べごろサイズになったら株ごと採る「株採り」が一般的ですが、葉物野菜では葉を順次収穫する「かき採り」もできます。少量多品種栽培がしやすい家庭菜園では、長く楽しめるのでおすすめです。

株採り

写真はコマツナ。収穫サイズに育てたコマツナを、地際でハサミか包丁で切って株ごと収穫します。

かき採り

写真はシュンギク。株は残して、大きな葉だけをハサミで切って収穫します。次々と新しい葉が育つので、収穫を長く楽しめます。

野菜別栽培のコツ
ミズナ

ミズナは土づくりを早めにすませてタネをまいてください。
最近は小さくて葉がやわらかいサラダに向く早生品種が人気ですが、あえて大株に育つ中晩生種を株間20cmで育ててみましょう。
小さいうちに収穫してサラダで楽しみつつ、3株に1株の割合で畝に残しておきます。残した株と株の間が60cmになるため、冬には大株に育ったミズナが収穫できます。

ミズナは水分を欲しがる野菜なので雨が少なければ水やりをしましょう。ミズナはよりおいしくなります。

ターサイ

ターサイは、寒さに当たると肉厚の葉が縮れだし、甘さが増しておいしくなります。大きく育つと直径30cmくらいに葉が横に広がります。
ミズナ栽培と同じ要領でターサイを株間20cmで育て、1株おきに小ぶりなサイズで収穫します。その後残した株が育ち、冬に大株のターサイを収穫できます。べた掛けをしながら育てると、葉が霜で傷みません。

ターサイはとても丈夫な野菜なので、間引いたあとは収穫まで手間がいりません。

シュンギク

シュンギクには、株採り収穫に向く大葉品種と、わき芽が多く出るため、かき採り収穫に向く中葉品種があります。長く楽しめる中葉品種を育ててみましょう。
ポイントは、草丈が20cmを超えたら下葉4~5枚を残して主茎を摘芯します。摘芯後に増えたわき芽が20cmに伸びたら、下葉を2枚残してかき採り収穫をします。これを繰り返して長く収穫を続けます。

秋まきの中葉シュンギクは、かき採り収穫なら翌春まで収穫を続けることができます。

カブ

小カブ系は葉が青菜類でもあり、葉物野菜と一緒に育てられます。9月中旬にタネをまけば簡単につくれ、約40日で収穫できます。
育てるポイントは間引きのタイミング。マルチ畝のまき穴にタネを約2~3cm離して3~4粒まいたら、葉が触れあう状態をキープしながら2~3回に分けて間引きます。間引きが遅れると生育が悪くなり、早すぎると実割れしやすくなります。

カブは品種が豊富なので、いろいろ育ててみましょう。採れたての小カブはフルーツ感覚で生で食べられます。