STEP.2

トウモロコシの
上手な育て方

~先手必勝の除草害虫対策~

タネをまく

1か所に3粒ずつまきしっかり鎮圧する

5月の連休前後にトウモロコシのタネをまきます。下の写真の通りにタネを1か所に3粒ずつまき、覆土・鎮圧します。収穫は8月に入ったら。
ただし、無農薬の場合、夏の収穫では実を食い荒らすアワノメイガの幼虫による被害が多くなります。
そこで、3月下旬~4月上旬にタネを早まきして初夏に収穫する方法、また、7月に入ってからタネをまいて秋に収穫する方法があり、どちらもアワノメイガ被害のピークを避けられます。
春の早まき栽培では、畝に透明マルチを張って地温を上げ、しばらくの間は穴あきビニールトンネルをかけて保温して育てます。

タネの尖っている方を土に挿す
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マルチに株間30cm、条間60cmでタネをまく穴をあけ、空き缶などで土を押して鎮圧します。

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1か所にタネを3粒まきます。この時、タネの尖っている方を下に向けて土に挿してまくと、発根・発芽がスムーズになります。

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まいたタネの上に、適度に湿った畑の土を厚さ2cmくらいかけます。

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最後に空き缶などで押して鎮圧しておきます。

間引きと追肥

本葉4〜5枚になったら間引いて1か所1株に

本葉が4~5枚になったら間引いて1本立ちにします。その際に、株の周囲に追肥します。マルチの穴に手を入れて1株あたり約20gの米ぬかをまき、土を軽くかぶせておきます。この追肥で、トウモロコシの初期生育がさらに促されます。

除草

こまめに雑草を取って生育を助ける

タネまき後から、通路の雑草には気を配ります。草が伸びて日照が遮られると、トウモロコシの初期生育が悪くなるためです。雑草が大きい場合は、トウモロコシの根を傷つけないよう、切って除草します。

畝間の除草に最適!場所に合わせてロータリー幅をチェンジ

通路に草が生えてきたら、耕うん機を浅めにかけて除草します。FF300なら一定の深さで除草ができるので、トウモロコシの根を傷つけません。こまめな除草を心掛けましょう。
4枚あるロータリーのうち、外側を取り外して使用できるので、狭い畝間も除草作業が難なくできます(写真左上)。

カラス、害虫対策

受粉を確認したら
雄穂を切って害虫対策

害虫のアワノメイガは雄穂(ゆうすい)が開くと飛来して卵を産みつけ、幼虫が茎の内部や実を食い荒らします。
雌穂(しすい)の絹糸の色を見て授粉完了を確認したら、雄穂はすべて切り取ってしまいましょう。これでアワノメイガ被害を減らすことができます。
収穫間際にカラスに実を食われることもあります。いちどカラス被害が出た畑では、毎年カラスに狙われます。絹糸の色が変わって受粉完了を確認したら、雌穂に台所用の水切りネットをかぶせて、口を縛っておきましょう。カラス、アワノメイガ両方の対策に効果があります。

ススキの穂のような形をしているのがトウモロコシの雄穂で、ここから花粉が飛びます。葉の脇から雌穂が出て、トウモロコシの実になります。雌穂から出る絹糸の1本1本は、雌穂の中のトウモロコシの粒1個1個と繋がっています。花粉が絹糸について受粉が完了すると、絹糸の色が茶色っぽく変わります。

カラスや害虫、害獣対策にも水切りネットは有効です。絹糸の色が茶色っぽくなったらかぶせましょう。

収穫

大きな実の1本採りか
そこそこサイズで2本採り

品種によっては雌穂が2~3本出てきます。最上段の雌穂だけを残して、1株に1本の実を育てると養分が集中して大きな実に育ちます。ただ、1株に2本の雌穂を残して育てると、やや小ぶりですが2本採れます。家庭菜園は出荷が目的ではないので、2果採りもおすすめです。なお、小さいうちに間引く雌穂はヤングコーンとして食べられます。
絹糸の色が茶色に変色したら雌穂を下に傾けてもぎ取ります。おいしいのは早朝に収穫したトウモロコシです。収穫後から糖度が下がっていくので、なるべく早めに茹でるのが、おいしいトウモロコシを楽しむコツです。

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絹糸が茶色に変色したら収穫のサイン。芽を握ってみると、実がぎっしり詰まって充実した感じがします。

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雌穂を手でもぎ取って収穫します。